税理士になるまで#10これから

はじめに

この記事は、大学3年生の夏に書いている。
初の税理士試験を終えた、1週間後の土曜日だ。

今日は、LEC水道橋校で簿財の徹底検証会があった。

各科目の講評や、次の科目に進む判断基準を教えてもらった。
その後の個別相談会で、今後の予定が明確になったので、それについても残しておきたいと思う。


徹底検証会

簿記論

まずは簿記論について。
今回の問題は、特に第3問を中心として、割と解きやすい問題だったそうだ。

しかし、第1問の退職給付については、本格的に扱っている予備校は皆無で、対応できる箇所も限られる。

先生が聞いた話によると、この第1問を全捨てしている人も多くいるそうだ。

得点調整が行われるとして、今回対象になるのは、恐らく第1問らしい。
ちなみに、富田先生の勘はよく当たる。

私は幸いにも、この箇所で14点を確保することができた。
先生が理想とするのは、ちょうどこの辺りらしい。

第2問について。
問1の固定資産については、理想は満点を取ることらしい。

確かに、あまり捻りのある問題ではなかった。

問2の自己新株予約権については、殆どの人はできないので、あまり気にしなくても良いらしい。
しかし、LECは答練で一度出題したので、できるところは拾って欲しいとのことだった。

私は問1で18点、問2で0点だった。
先生の挙げるボーダーラインの下限には乗ることができた。

第3問について。
今回の簿記論は、第3問が例年よりも平易だったそうだ。

実際、私も一番手応えを感じた場所である。
(実際は、しょうもないミスをしてあまり得点できなかった。)

ただし、問題のボリュームはやや多めなので、時間をかけずに点数を稼ぐには、問題の取捨選択が必要だったとのことだ。

先生は例年より、この第3問のボーダーラインを上げる気はないそうだ。
本番で緊張している中、30点以上確保するのは相当難しいとのこと。

25~28点くらい得点できれば、御の字らしい。

凡ミスが悔やまれるが、私は28点を取ることができた。

まとめると、今回の簿記論で60点以上得点できた人は、あまり気にせず次の科目に進んで良いそうだ。

ギリギリ60点だった…
少々おっちょこちょいな自身の性格を鑑みると、結果発表までソワソワして過ごすことになりそうだ。

財務諸表論

次に財務諸表論。
今年の試験を一言で表すなら、「ハズレ回」だったらしい。

休み時間、計算であと1点でも上がれば…と思い、自己採点をやり直した。
結果、雑損失でミスっていることに気づき、1点マイナスとなった。

第1問については、(理論の中で)稼ぎどころだったらしい。
しかし、最初の論述は、受験レベルの概フレを勉強しても対応できないもので、解けなくても問題ないそうだ。

棚卸資産の取得原価主義については、できれば得点してほしいとのことだった。
しかし、恐らくここは全滅しているだろう。

12点くらいが理想らしい。
私は10点くらいしか得点できなかった。

第2問について。

社債発行差金については、「今の受験生は知らない」とのことだった。
0点でも、全く問題ないらしい。

しかし、のれんの部分は取ってほしいとのことだった。
幸いにも、メモ書きの記号問題は全て正解しており、のれんの記述についても、最低限のことは書けた。

理想は6点くらいらしい。
私も丁度、そのぐらいだった。

最後に第3問について。
問題は平易だったものの、ボリュームがえげつなかったとのことだ。

私も途中からそう思った。

例年であれば、計算の目標は40点以上(50点満点)なので、手を付けない問題は存在しない。
しかし、今回の問題では取捨選択を要したそうだ。

私は全部解くつもりでやったので、理論に充てる時間が15分しか取れなかった。

ちなみに、この第3問で20点台前半を下回った場合、基礎知識の不足が考えられるため、来年の受験を考えたほうが良いとのこと。

今回の問題では、30~30点前半でも、割と問題ないらしい。

私は33点だった。
ギリギリという感じだ。

全体的なボーダーラインでは、49~52点となっているが、富田先生曰く、47点程でも可能性はあるらしい。

私は、ミスが確定しているところを除き49点だった。
ボーダーラインの下限だ。

しかし、集計は残り25分、理論も残り15分で緊張しながら解いたので、この49点分、完璧に得点できている自信はない。

電卓の速度も早めたし、字も多少崩して書いた。
きっと、どこかでミスをしているはずだ。

個別相談会

徹底検証会が終わり、1時間後の13時30分に個別相談会があった。

参加していたのは私だけだった。

富田先生には、3つのことを質問した。
①財表の論述配点、今後の立ち回りについて
②実務における、税法の勉強について
③今後の予定について

財表の理論について

LECの解答速報には、部分点が貰える箇所が明示されていなかったので、自分が書いた論述がどれだけ貰えそうか尋ねた。

すると、「減点されても、少なくとも2点ずつは貰える」とのことだった。
これによって、私の自己採点は49点、ボーダーラインの±0となった。

簿記論については「次の科目に進んでもよい」
財表については「可能性はある」
とのことだった。

実務の勉強について

私は今のところ、簿財国+院免のルートを予定している。
そのため、実務で必須の法人・消費・所得を扱わない事が不安だった。

これについて尋ねると、「実務は通達で学ぶから、あまり気にしなくて良い」とのことだった。

受験勉強で理論暗記をしたほうが、それが索引のような役割を果たし、便利なのではないかという質問については、「そんなこと殆どない」と仰った。

ちなみに国税徴収法でも、実務で触れる法規集・通達集を理解するための根幹となる知識は身につくそうだ。

その後の大学院で、法人税又は所得税に関する論文を書くことで、上記を理解するに必要な知識が自然と得られるらしい。

したがって、大学院を卒業後、実務に必須の科目を予備校で学習する必要はないそうだ。

今後の予定について

富田先生との個別相談で、今後の立ち回りがハッキリしたので、これも残しておこうと思う。

①9月から国税徴収法の勉強を始め、財表の計算は月1で答練を解き、実力を最低限維持する。

②11月末の結果発表で、財表が不合格だった場合、直前講義を申し込み、2科目受験する。

③ストレートで税法大学院に入学し、働きながら法人or所得に関する論文を執筆する。

④法規集・通達集・国税のQ&Aから、実務で必要な知識を習得する。

⑤卒業後、福岡に移住する

⑥クラウド会計+医療法人の税務に強い税理士として開業する

財表の計算は月1の答練で十分、実力を維持できるそうだ。
一度覚えた理論についても、思い出しに係る労力はゼロイチに比して、相当少ないらしい。

今年の財表はハズレ回だったそうだ。
簿記論で得点できている現在の実力なら、いずれ問題なく受かるとのこと。

簿記論がいつまでも不合格の人はいるものの、財表についてはあまり聞かないらしい。

来年の財表は、今回の試験で不合格となった実力者が滞留しているので注意すべきとの事だった。

大学院や実務については、先述の通りである。

福岡への移住は、東京で3年間暮らしてみて、「自分には向いてないかも」と感じたからだ。

偶には外出や旅行するのも好きだが、どちらかといえばインドア派だ。
私は、家で音楽やゲームをしたり、ネトフリ(今はアマプラ)やYouTubeを観たりしている時が、一番幸せかもしれない。

また、そこまで新しいものに興味はない。

東京は沢山のビジネスチャンスで溢れているし、税理士試験のように、地元にいた頃は想像もつかないような物に挑戦するきっかけを多く与えてくれる。

しかし、プライベートを充実させるには、東京での生活は少々窮屈だ。

先生もこれについて、「地方は税理士が不足しているし、いい選択なんじゃない?」と仰った。

そういえば、講義前の雑談では「海外住みなよ…」「田舎が良いよ。東京なんて…」が、富田先生の口癖だった。

福岡は住みやすそうなのに加え、実家とも適度な距離をとれる。
祖母や愛犬に不慮の事態があった際も、すぐに駆け付けることが可能だ。

私が志望している税理士法人は、クラウド会計を強みにしているそうだ。
富田先生曰く、「クラウド会計はインフラであって、強みにはなりづらい」とのことだった。

そのため、これにプラスして、医療法人に係る税務を鍛えるのはどうかと尋ねた。
すると、「医療法人は仕事も取りやすく、税法の論文執筆より少ない労力で基礎は身につくので、おいしい分野だ」と仰った。

ただし、お客さんが皆賢いそうなので、中途半端な知識だとすぐに見切りをつけられるらしい。
気を付けなければ…

最後に、自分が簿記にもう一度興味を持てたのは、富田先生のガイダンス講義に出会ったからだとお礼を述べて、富田先生とお別れした。

おわりに

以上のことから、9月以降は次の税法に進もうと思う。
また財表の結果次第で、次の受験科目数が変わってくる。

簿記論も、やっぱり少しだけ心配だ。
下手すると、3科目受験になるかもしれない…

受験していることについて

私は今後、自分が税理士試験の勉強をしていることについて、隠すのはやめようと思う。

私が「人に言うと続かなくなる」のはやり始めのころだけであって、ある程度継続できたものについてはあまり関係ない。

また、もう税理士試験を諦めるつもりはないし、ここまで来たら、むしろ周りに言ったほうがやる気が出るのではないかと思った。

そのため、一旦辞めたSNSも再開し、プロフィールにはこのnoteのURLを載せておきたいと思う。

脳へのお願い

私は、自身の脳に対して言いたいことがある。
今後、黒歴史を思い出さないでほしい。

私は大学の講義中や寝る前、勉強で考え事をしている最中など、頻繁に黒歴史を思い出してしまう。

黒歴史は、恥をかいたのは自分だけなので、息を数秒止めれば忘れることができる。

しかし、黒歴史を思い出すと決まって、過去に人を傷つけてしまった記憶も蘇る。
これは息を止めても変わらないし、「自分が相手の立場だったら、どれだけショックだったろうか」といった事も一緒に考えてしまう。

この時、なんだか胸が緊張している感じというか、すごく嫌な気分になる。
少なくとも30秒~2分は、これに思考を奪われる。

この気持ちが少しでも楽になればと、最近、ある人に謝罪した。
本人は「気にしてないので謝らないで」と言ってくれたものの、その後も頻繁に思い出してしまう。

もう、自分が悪いことをしてしまった代償として、受け入れるしかないのだろうか…

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