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積雪の日と、その翌日。


限界OLがコンデジで撮った写真と共に
日常なんかをたまに綴っているnoteです。
こんばんは。
今宵は久しぶりに写真付き。

巷で話題の、マイブックを今年は買ってみたが
字が綺麗でないので
なんか思っていたのと違う。


我が町にも、雪が積もりました。

朝、あまりの寒さに嫌な予感がして
ちらりとカーテンをめくって
雪が積もっているのを見た時は
雪の中これから車で出勤することを思って
軽く絶望した。
吹雪いてるし。

焼酎を飲み切って
この日のために玄関に置いておいた
大きな大きな空きボトル。
たっぷり水を汲んで
吹雪の中、車へ向かう。

車の雪を溶かすべく
焼酎のボトルから水をかける。
全然足らぬ。まじかよ。

ついに素手で雪を払い落とし
朝からすっかり疲れてしまったが。


こんな雪の日は
客足も遠のき、意外にも自由な時間が多い出勤日になった。
あ、そういえば鞄にカメラ入れっぱなしだったな。

積もった、ただ白い雪。


家を出る直前、もし時間があったら読もうと
適当に本棚から抜き取った文庫本。

原田マハの、『星がひとつほしいとの祈り』だった。

お客さんを待っている束の間
その文庫本を開いてみたら
なんと最初が

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

汚れた雪の上に、椿の花がぽつぽつと落ちている。町じゅうの一切の色を奪って降り積もった雪の上で、その赤だけがほのあたたかく灯っている。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

だった。

流石に、今日ここで読まれるために
本棚でじっとタイミングを見計らっていたとしか思えない。

すっかり嬉しくなってしまった私は
仕事中だったけど
小説を読んだりカメラで遊んだりし始める。

接客も終わり
事務所へ帰る途中で
さらに嬉しかったのは
椿の花が咲いているのを見つけたこと。

いつも通る道なのに
そこに椿があったなんて気づいてなかったなぁ。



淡々と日々をこなしていて
そこに気持ちなんて全く入っていなかった、
この数日。

雪に覆われた白い世界の
音が吸い込まれていくような静かさが
とにかく心地よくて
日々の疲れも雪が吸い込んでくれるみたい。

思ったよりもあたたかく晴れた翌日には
雪はほとんど溶けてしまった。
もうあの静けさを味わえないのかと寂しく感じて
少ししょぼくれていたら

いつもは聞こえないところから
水の音が聞こえた。

あれ、ここにいてもいつもこんな音聞こえないけど、どこから?
って周りを見てみたら
すぐ目の前にあった小屋?の屋根から
雪解け水が落ちていた。

昨日
すべての汚いものを吸い込んでくれた雪は
それらをいとも簡単に溶かして
こんなに綺麗に陽の光を浴びて輝きながら
軽やかにぽつぽつと流れていった。


『星がひとつほしいとの祈り』は、
短編集だった。
2つめのお話は、ウグイスが鳴く季節の中でのお話だった。


二月十九日頃は、二十四節気では
雨水、というらしく
開きはじめた春の勢いを受けとめていく季節なんだとか。


もう、春がすぐそこだねぇ。


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