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フリースタイルな僧侶たちとの出会い

こんにちは。昨年からフリースタイルな僧侶たち編集部に新メンバーとして加わりました、秦正顕(はたまさあき)と申します。
北海道にある浄土真宗のお寺に生まれました。今は東京のITベンチャーでサラリーマンとして働いています。ゆくゆくはお寺に戻って住職になる予定です。

今回はフリスタ編集部のnoteへの寄稿として、僕の自己紹介と、僕がフリースタイルな僧侶たちと出会って人生が変わった話(ちょっと大袈裟ですが)をしたいと思います。

お寺を継ぎたくなかった学生時代

お寺に長男として生まれた僕は、「お寺の跡継ぎ」として、親族や檀家さんから大きな期待を全身に浴びて育てられました。毎朝お朝事をしたり、お寺のお手伝いをしたり、仏教には小さなころから慣れ親しんできました。

しかし僕が物心ついた頃からずっと思っていたのは、「仏教よくわかんない。お寺継ぎたくない。」ということでした。

敷かれたレールになんか乗りたくない。レールの先にある仏教というものの価値もよくわからない。自分の人生は自分で切り開きたい。

ありがたいことに、父はそんな僕の意思を尊重してくれ、仏教系の大学ではない、東京の私立大学に進学させてくれました。

晴れて大学に入学した僕は、サークルやボランティア活動、企業でのインターンやバックパック一人旅など、大学生活盛り合わせという感じで、自由気ままに過ごしました。
当然、仏教のことなど微塵も考えることもなく。

仏教に出会った20歳

三年生になった頃から、周りの友達が就活を意識し始めて、僕も自分の将来に向き合わざるを得なくなりました。

「お寺を継がないだけのやりたいことを見つける」。
これが僕の大学生活の目標でした。しかしそう簡単にやりたいことなど見つかりません。自分の将来の決まる気配のなさに、少しずつ焦りを覚えるようになっていきました。

そうしていよいよ行き詰まった時、ふと、自分のルーツであるお寺や仏教のことを勉強してみようと思い立ったのです。重い腰をあげて、大学の自習室で「仏教 とは」と検索するところから始めました。

そのとき出会ったのが「フリースタイルな僧侶たち」です。

いやまずタイトルのインパクトがすごい。中身もすごい。なにこれ。めっちゃ面白い。
これまで自分が想像していたお坊さん像とは全く異なる、まさにフリースタイルな僧侶の姿がそこにありました。

それからというもの、フリスタの世界にどんどんとのめり込んでいき、気づけばあっという間にバックナンバーを1号から最新まで全て読破してしまいました。

はじめのうちは、仏教の教えというよりも、フリースタイルなお坊さんの在り方や、多種多様なお寺の活動を知るのが楽しくて読んでいたのですが、段々と読み進めるにつれ、仏教の教えそのものにも魅力を感じている自分に気がつきました。

「縁起ってめっちゃすごい概念じゃね?!」
「愛別離苦、沁みる。」
「他力本願ってそういう意味だったんだ。あの時感じたあの気持ちと同じかも。」

これまで呪文か何かだと思っていた仏教の言葉が、この歳になって色々と人生経験を積んだら、少しだけ理解できるようになっていたのです。

「仏教で説かれてること、マジ本質じゃん‼︎」

そのとき初めて、仏教の凄さというか、先人たちの偉大さというか、そういう畏敬の念がわいてきたのでした。

当時の編集長若林さんに突撃

バックナンバーを読破し、いても立ってもいられなくなった僕は、若林さんに会いに行くことにしました。
つてを辿ってアポを取り付け、夜行バスで京都へ。今思えばすごい行動力だなと思いますが、何に突き動かされるように行動していました。

若林さんは、本当に物腰の柔らかい優しい方で、突然やってきた若者にも、とっても丁寧にお話をしてくださったのを覚えています。

その時に印象に残っている言葉があります。
紙面の制作方針を聞いたのですが、

「興味を引くとか、面白いなと思ってもらうことはもちろん大事やけど、それだけではあかんねん。それだと入り口、即出口になってしまう。そうではなく、読んだ後に心にじんわりと残って、もっと深く知ってみたいと思ってもらえるような紙面にしたいと思ってるのよ。」

と。それを聞いて、ますます一層フリスタのファンになりました。

僕もバックナンバーを読んで、いまだに心に大切にしまっている言葉があります。
34号にある「経教はこれを喩ふるに鏡のごとし」という言葉です。

お経に説かれた仏さまの教えは、喩えるならば鏡のようなものだ。鏡には、自分を映し出すという意味と、模倣・お手本という意味がある。
つまり、お経を読むことは、「今の自分」と「仏様の理想の姿」が映し出されて自分に知らされるということだ。

ということを言っています。

「仏様こんなに尊いけど、僕は全然ダメダメだなあ。」

と、どこまでも自分を省みて磨いていくことが、仏教の教えの根本にあるのだなあと感じて、この考え方は僕の人生の大きな指針になりました。

会社員になって、競争の激しい資本主義社会の中で生きていると、イヤな自分やいじわるな自分がすぐに顔をもたげてくるので、
「マジで一日何回念仏しなきゃいけないんだ。。」
という気持ちにもなりますが、続けていくことだなあと思っています。

フリスタ新メンバーとして

フリスタと出会って、いつかお寺に戻ろうと思うようになりましたが、すぐにお寺に戻ることはせず、まずは社会人経験を積むことにしました。

せっかく会社で働くなら、俗の世界にどっぷり浸かってみたいなと思い、広告代理店に就職することにしました。それから、自分なりに仏道を実践しながら日々過ごしています。

そして社会人3年目を迎えたタイミングで、縁あって現編集長の稲田さんに紙面をリニューアルするということで声をかけていただき、新メンバーとして加わることになりました。

ここまで書いてきたように、自分の人生を変えるきっかけになったフリースタイルな僧侶たちに関われることになって、本当に本当に嬉しく思っています。

僕がフリスタでやりたいことは、フリスタをもっと多くの人に届けられるフリーペーパーにすることです。

今でもすでに多くの人に届けられているとは思いますが、やはりまだまだ「仏教に元々興味があった」という人がメインの読者層です。
このリニューアルを機に、そこからさらに広げて「これまで全く仏教に触れたことがなかった」という人にもこのフリーペーパーが届けて、当時の僕がそうであったように「全然知らなかったけど、仏教面白いな!」と思ってもらえるようなご縁が作れたらと思っています。

フリスタには、その力があると信じています。微力ですが、これから楽しく紙面づくりに貢献していけたらと思います。



(最近Twitterもはじめました。よければフォローをお願いします🙏)

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