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あいつはミスを犯すだろう。叩くならその時だ

2017年4月の通常総会で、コンサルを導入した大規模改修工事を行う方向は可決し、新しい期が始まりました。

2017年度の理事会の理事と副理事は、このマンションに移り住んで5年以内の新しいメンバーが担うことになりました。
理事長は穏やかで心優しいカワベさん。理事会も常にご夫婦で出席されました。
副理事長は若い姉妹のコヤマさん。お姉さんのユイさん、妹のミリさんのどちらか出席できる方が出てくれます。

会計は85歳を超えた高齢で、記憶に不安のあるイドさん。
この方はK氏と長い付き合いでもありますが、いかんせんご高齢ということもあり、こののちはご自身の判断力とは超越した(と信じる)ところで、K氏に利用されていきます。

2017年5月20日。
マン管ネットのサトウさんとニシカワさんも招いて、今期最初の大規模修繕委員会を開催しました。
穏やかだけれど切れ者のサトウさんは、公益財団法人マンション管理センターのウェブサイトから大規模修繕のコンサルを引き受けてくれる組織のリスト(この直後からリストは非公開になりました。そっちはそっちで、いろいろあったようです)から、「ここは大丈夫」というところをピックアップしてくれました。

コンサルを行ってくれる組織リストの中で、サトウさんが〇をつけたのは5件。△が2件、✖が2件でした。
組織形態としては、株式会社だったり、一般社団法人だったりNPO法人だったりと、均一ではありません。

余談です。
組織の形態で評価できないのはわかっていますが、コンサルタントを引き受けるのに営利企業の「株式会社」と非営利組織であるはずの「NPO法人」が並び立つ状態はなんだか違和感を感じました。
でも、それをサトウさんに伝えられませんでした。
いまはこうして文字にできますが、その当時はいろんなことに焦っていたと思います。何に焦っていたのかといえば、K氏から逃げたい一心です、。
だから具体的に「なにが変と感じるのか」を、確かめる気持ちの余裕がありませんでした。

さて。
打合せはどんどん進みます。続く内容はコンサルの募集要項についてです。
サトウさんは手慣れた様子で言いました。

「コンサルタント募集要項を、これら5件の組織に送ってください。募集要項のフォーマットはこれ。データを送りますので、必要なところは手直しして使ってくれたらいいです」

てきぱきとことを進め、私たちに何をすればよいかを説明すると、サトウさんたちは帰っていきました。
なんだかスッキリしないモヤモヤを心の中に残したまま、私たちは「大規模改修工事設計監理コンサルタント募集要項」と書かれた書類を真ん中に、黙り込んでしまいました。

この日はサトウさんたちと新しい理事の人たちの、顔合わせだけでよかったのかも、と今になって後悔します。

新しく理事長に就いたカワベ夫妻や副理事のコヤマ姉妹は、昨年のいきさつを全く知りません(会計のイドさんもね)。
カワベ夫妻は大規模修繕を考える勉強会にも出てくれましたが、コヤマ姉妹は、確かマン管ネットのサトウさん・ニシカワさんとも初対面です。

この日の打ち合わせではいきおい、過去のいきさつをすべて把握している私が前面に立ってことを進めてしまいました。
人のよい理事長のカワベさんは、「わからないからただ、ここにいただけだけど…」と、サトウさんたちが帰った後も困惑した様子でしたが、ご自身の役割や段取りとして次にすべきことはよく理解していました。

サトウさんたちが残していったフォーマットを、私がうちのマンション仕様に手直しすると、翌日、カワベ夫妻はサトウさん選んだ5件のコンサル候補リストにファクスで募集要項を送るところまで立ち会ってくれました。

総会でも可決して、コンサルタント候補も適切に選んでもらい、前に進んでいるはずなのに、どこかスッキリしない。
モヤモヤした気持ちは消えませんでした。
そのモヤモヤの対象が、もやもやのなかから徐々に姿を現し始めました。

K氏がこの頃まで沈黙を守っていた理由。

それはK氏は自分に対して逆らった私をいったんは好き勝手に歩かせ、
自分の意向とはっきり違う方向に行き、あきらかに私の非と指させるミスを犯すところを見極めたかったのだと思います。

叩きのめせることが確実なところまで歩かせておいて、叩く。
これぞ戦略。

K氏の逆襲が、始まりました。


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