コンサル導入に向けた根回し。の、つもり。
2017年1月末の理事会で、マンションの大規模改修をいったん白紙に戻すことを決めました。これは結果として、管理会社主導の大規模改修を覆すという意思表示にもなっていました。
すでに2年も遅れているマンションの大規模改修をどうするのか。
コンサル導入にむけて、区分所有者らの意見をどう調整するのか。
考えなくてはならないことは山積みでした。
もちろん一番の懸念はK氏です。
ところが昨年10月のわたしの宣戦布告以降、K氏は沈黙したままでした。
それは不気味な沈黙でしたが、相手が何も仕掛けてこないのでは、かかわりようがありません。こちらも全面激突は避けたいと思っていましたし、現状は幸いでした。
できたらこのままスルーし続けてほしい。
それはわたしの切なる内の声でした。
コンサル導入に向けてマンション内の意見をまとめていく。
喫緊の課題はこれでした。
しかし平日の朝は出勤するより自宅で過ごす人の方が多いような、高齢化の進んだマンションです。
管理会社ではなく、ぽっと出のコンサルを入れることに前向きな理解を示してくれる人が果たしてどのくらいいるのか、わたしは私なりに何か手を打たなくてはと思っていました。
そこで考えたのが、勉強会です。
この頃、年明けの会合以来、親しくなっていたマン管ネットのサトウさんに相談し、3月に一度、「大規模改修に向けた勉強会」の実施に協力してほしいと依頼しました。
場所を設け、私が1月にマン管ネットで聞いたのと同様の内容を、マンションの区分所有者の前で話してもらおうと思ったのです。
理事会に勉強会の件を持ちかけたところ、みなさん快く賛同してくれました。それからのわたしは、会議室を予約したりチラシを作ったりと、いま思えばホントよくやるよ、というくらい精力的に動き回っていました。
サトウさんもまた、私が持ちかけたこの勉強会を快く引き受けてくれました。
開催約1か月前の2017年2月16日にチラシが完成し、3月12日に勉強会を実施しました。
3月12日。
当日、蓋を開けてみるとこの勉強会に参加してくれたのは、ここ5年以内にこのマンションに入居してきた区分の方が中心でした。
古くからの住人の大半は、ほとんど出席しませんでした。
それでも私はサトウさんの話の内容を一人でも多くの方に知ってほしくて、当日の資料を勉強会終了後に各戸に配布したりもしました。
これは本当にどのマンションでも悩ましい話だと思います。
わたしは一戸建てで育ったので、マンションのこうした懸念をこれまで想像だにできませんでした。
自分の住まいなのに、関心がないー。
こんな悩みがあることも。
分譲マンションの難しいところは、課題が提示されたとき、各自の当事者意識はとても希薄であることです。
「誰かがやってくれる」、「理事会が対応すればいい」、「自動的に解決する(!)」、そんな感じです。
もしこれが自分が苦労して買った土地、自分が設計し、大枚はたいて建てた上物、自分が管理しているインフラ、となると思いや執着はまた異なるだろうと思います。
さらにマンションの住人が高齢化すると「こういうことは若い人が」という勝手なシルバー感で、等しく当事者だという意識も薄れてしまいます(
だからと言って老人扱いすると、めっぽう叱られます)。
そしてわたしは私で、物事を、仕事のようにビジネスライクに考えすぎていました。
物ごとのエモーショナルな面、高齢者の方の考え方・感じ方、仕事だからと割り切れない面など、自分の人生でこれまで直面したことない諸々の事柄について、想像力がすっぽり抜け落ちていたのです。
「大規模修繕のための勉強会」
正直言って、これは成功ではありませんでした。
敢えて言うなら、失敗でした。
マンションに長く住む区分所有者たちをうまく巻き込めなかったこと。
これが私の失敗の始まりでした。
嵐が来ます。
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