見出し画像

針の筵(5000本)~臨時総会1~

登場人物については、こちらの記事ら辺を見てね♡

     *

※お読みになる前にご注意※ 
この章は、かなりわたし目線で書いており、表現が非常に乱暴なところがございます。お気に障る場合、気分が悪くなった場合、直ちに読むのをおやめください。

     *

2017年8月6日は朝から快晴。臨時総会は10時から始まりました。
いつもと違う会議室は、普段は上階の老人介護施設のおばあちゃんたちがサークルなどに使っているオープンなスペースでした。

会議用の長机ではなく円卓と椅子を人数分並べました。
廊下を行く人にチラチラこちらを見られながらの会議です。出席者数や委任状の数から、私たちが有利であることは間違いありませんでしたが、会議そのものが荒れないか、心の中はずっとザワザワしていました。

会議開始の直前、これまでの会議には出てきたことのない人物が入り口に立ちました。
「どうも、Kです。父が代わりに出席しろというので…」

なんと現れたのは、K氏のご子息でした。
予告に違わずK氏は自分が出た後の区分に「親類の者」、つまり息子さんのご家族を住まわせたのでした。
生活時間の違いから、この日までこの方と会うことは殆どありませんでした。
キヨタさんが、
「お父さんから委任状出てますけど…」
おずおず聞くと、
「それも、私の判断でやっていいということなので」
小声ではありましたが、きっぱりと仰ったのでした。

K氏ご子息、名前を仮にユウトさんとします。
ユウトさんの登場で、甘い期待を抱いて私は少し元気を回復しました。
“K氏はもう横やりを入れてこないかも”
文字どおり甘ちゃんだったということは、後で思い知らされるのですが。

そんな新顔のユウトさんを入れて、臨時総会が始まりました。
最初に管理会社から、管理会社と同じグループのデベロッパーからやってきた人物が、「大規模修繕工事の進め方のポイント」や「コンサルタントを導入した場合の方法(設計管理方式)と、管理会社として出来うる方式(管理会社主導方式)」について、6ページにわたる資料を用いて説明しました。

彼らのセールスポイントは、自分たちが業務を行う場合、業者選定まで業務は無償で行う、とのこと。
そして、工事業者選定の際には、自分たち管理会社のグループ企業のデベロッパーも見積もりに参加させてほしいと言いました(利益相反だっつーの!)

続いてわたしが管理会社からの説明に加え、画用紙(註:自腹w)を使った紙芝居方式で、コンサルタント導入のメリット・デメリットについて、さらに説明をしました。
仕事で日々、お客様に企画提案のプレゼンテーションを行っているわたしにとって、わかりにくいことをわかりやすく伝える。
そんなことは朝飯前です。

内容はこんな感じ。

1)当管理組合に専門知識を持った一級建築士がいないこと
2)マンションの資産を維持していくために大規模修繕は絶対必要であること
3)修繕を進めていくプロセスは、透明性を維持し、公平でなくてはならないこと
4)コンサルは1)~3)のために入れること

何より設計管理方式でコンサルタントを導入すれば、業者選定や工事を進めていく中で疑問や問題が発生した場合、コンサルが明確に説明をしてくれます。
何度も言いますが、コンサルタントは私たち管理組合の味方なのです。(そうでない状況もありますが、それはこのストーリーが終わるとき、話しますね。)

わたしのプレゼンを一番熱い反応で聞いてくれたのはK氏のご子息、ユウトさんでした。
紙芝居(正確には画用紙)をめくるたび、うんうんと頷いてくれているのがわかりました。嬉しかったです。

わたしのプレゼンが終わると、予想通りの人物から質問がありました。例の仮名も付けたくない奴です。
臨時総会記録から少し抜粋して紹介しましょう。そのままだとNGなので、一部は変更します。
「これまでも理事会は透明性を確保してやってきたと思っている。また管理会社とも厳しく交渉してきた。いまの真行(敬称略)のはなしだと、過去、透明性がなかったように聞こえる」

そんなことは一言も言っていませんが?
まずもってそう言いたかったのですが、この人物が責任をもって役員を行ったことなどないと私は断言できます。
この人は常にK氏の後ろに隠れ、責任を逃れ続けてきました(ちなみに、例の裁判の時の理事長がこいつです)
「今までもできたのだから、自分たちで努力すればできないことではないのかと思う」

(わたしの心の声)だったらあんたがやってみろ。まずできないから。

「私は前回の通常総会でもコンサルタント導入には反対した。なぜ、修繕積立金残高の一割もの金額をコンサルに支払う必要があるのか素朴な疑問。(以下一部改)その金があれば他の工事ができる。金額の透明性担保は、あなたたちでもできる。コンサルは味方と言うが、お金を取ってやる人によい味方はいない。話がきれいすぎる」

(わたしの心の声)では絶対に味方でないと言い切れる根拠をきかせろ。

時間もお金もかけて吟味して雇った人物を、そこまで疑う理由を逆に知りたい。
しかも無料でこんなしんどいことを請け負ってくれる人がいたら、そりゃ、神か一級建築士免許保有の、現に居住する区分所有者だ。

(声に出した)わたしの反論。

「なぜ管理会社を選ばないのか? それは管理会社と施工会社が同じグループ企業で近い関係にあるから。管理会社は当然、我々の修繕積立金残高を知っている。意見はありがたく頂戴するが、理事会・修繕委員会では複数の方に会って決めています」

“利益相反”という言葉を、この人は知らんのですよ。w

すると次にこの人が出してきたのは、やっぱりコレwww。想定内過ぎる。
水道問題キター wwwww!!

水道の出が悪くて困っているのでこれを修繕してほしい。その上コンサルなんか入れたら、いったい大規模改修に使える金がいくら残ると思っているのか。

この人物はさらにぐずぐずと言い重ねました。
正直、こいつを殴り倒せたらどんなにスカっとするだろうと思いましたよ。(しかしまた出ました。こいつデブなのでわたしには無理め問題w

わたしは給水方式変更工事について、調べてきた資料の原本を提示し、現状ではいくらかかるのかわからない、ということをこの場でも伝えました。そのためには本格的な調査(有料)が必要であることも。

他の出席者からも声が上がりました。

「お湯の出がよくないので、優先的に解決してほしい。同じ管理費・修繕積立金を支払っていても、各戸で違いがあるならそれは不公平では?」

いやいやいやいや。
それはあなたがマンションを購入するときにキチンを自分で調べてないからでしょ? 中古マンションの上階を購入するなら、そういうことこそ自分で調べなきゃ。
しかも最新のマンションと事情を同じに考えていませんか?

この発言をした区分所有者は、とかく自分の問題をわあわあ言い立てる傾向にあり、総会では要注意人物でした(しかも同じことを何度も何度も何度も何度も!、繰り返す)。
これ以上聞いても同じことしか言わなそうだなーと思っていたところに、議長を務めていたカワベ理事長が言いました。

「給水方式変更の件は、調査を徹底的に行ってから実施しないと無駄な工事になる可能性があるので、まずは原因を究明する必要がありますね。この工事を大規模に含めるか、やめるかは、それから判断しませんか」

管理会社が被せるように、水道の出具合についてもアンケートをしてみましょう、と言ってくれたこともあり、この場での水の出の話(給水方式変更の話)は収まりました。

大分時間をロスしました。
さあ、いよいよコンサル導入と、NPO法人のサポートについての決議です。

決議の前に修繕委員のOさんが、理事会の立場を援護するように言いました。
「管理会社に頼むとコンサル費は払わなくてよいが、一つ一つの(工事)項目にはコンサル料同様のプラスアルファが加算され、結果割高になるように思いますね」

ありがたいOさんの発言でしたが、それを無にするかのように、ニカイドウさんという区分所有者(この人もコンサル導入には反対の立場。K氏派)が、この期に及んで突拍子もないことを言い出しました。

「(大規模修繕工事は)2020年の東京オリンピックが終わってからでもよいとの意見があったと思う。甘いかもしれないが管理会社を信用して行うのも、長い付き合いなのでよいのでは?」

わたしは本当に叫ぼうかと思いました。
あんたは、私がこの会社から受けた仕打ちを知らんからそんなことが言えるんだよ。

2020年というのは、K氏が発言していたことでした。
この時期、オリンピックとインバウンドで沸き返る日本は建築ラッシュでした。そのため、材料費や人件費はぐんぐん上がっており、噂では足場を立てる職人が東京にひっぱられて、関西にはいないに等しい、とまで言われていました。

ニカイドウ氏に対しては、寝言は寝てから言ってほしい気分でした。
そもそも前回の長期修繕計画を立てた段階では最初の大規模から12年後を目安に設定していました。いま今日、この時点でもう2年遅れているというのにあと3年も遅らせられるのか。

そして採決ー

カワベ理事長の発声で挙手を求めたところ、賛成多数で承認となりました。
ほっと一息の瞬間でした。

少し緩んだ雰囲気の中、今後の進捗は、適宜区分所有者に報告することや、コンサルタントの紹介を兼ねた説明会を催すことなどを告知しました。

情報をオープンにすること、
誰でも話し合いに参加してもらえること、

そんなことを約束して臨時総会は終了しました。

が、
この総会の翌日。
カワベ理事長のところに、臨時総会には欠席し、委任状を提出したはずの監事のI氏が怒鳴りこんできました。

「私の票は無効にしてくれ! 棄権だ! 棄権する!!」

すでに承認されたことなのに何を言い出すのかと、カワベさんは面食らったと言います。
どこの世に、採決の終わった後に自分の票を「やっぱり入れなかったことにする!」という人がいるでしょうか。バカも休み休み言ってほしい。
I氏が述べた理由はいくつかありますが、ここに紹介するほどのものではないでしょう(恐らく背後にK氏がいるので)。

I氏が決定したことを無理に捻じ曲げても、賛成が覆るものではありませんでした。なのでカワベ理事長は大人の対応でI氏を宥めました。
が、なぜかI氏はこ日を境にカワベ理事長を目の敵として振舞うようになります。これも恐らくK氏の手回しということが、これから明るみに出ます。

何一つ自分の意思で決められない。
険高い奴に付和雷同な人。
どいつもこいつもまったく、大人げないったりゃ、ありゃあしません。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?