メリークリスマス! 裁判を始めます
大荒れに荒れた臨時総会の翌週。早くも給水管・給湯管更新工事の進め方が協議されました。工事は粛々と準備が進んでいきます。
住民の混乱を避けるため、当初年内に着手予定だったスケジュールは、年明けからに調整されました。
また、今月一部住戸(実はK氏の区分!)を先行改修し、他の区分所有者や賃貸入居者に、改修後の状態を見てもらえるモデルルームにして公開する、ということも周知されました。
若干パフォーマンスじみているなあとうっすら感じたものの、まだまだ傍観者だった私は、先行改修→モデルルームという流れにも「そうなのか」と思っただけでした。
そして2013年も押し詰まったある日。
帰宅してロビーのポストを確認すると、ひんやりと無機質な匣(はこ)の内側に、グリーンの封筒がひっそりと投函されていました。
封筒の表面に印字されていたのは上から順に、
(マンション名)
区分所有者の皆様
お知らせ
〇〇号室区分所有者
T氏の本名
何だろうと思い、自分の部屋に戻って封を開けると、“区分所有者の皆様” という書き出しとともに、そこだけ黒々と太い文字で「裁判を始めます」とありました。日付は12月25日。
恐らくすべての区分所有者宅に投函したこの封書の中で、T氏はまず臨時総会での自身の態度を詫び、そして「総会決議無効確認請求」裁判を起こすに至った疑問を列挙しました。
いま、この書面を見返しても、当時の給水・給湯管の状態がT氏の指摘する状態だったのかはわかりません。
ただ私がこのマンションの部屋を買う直前に読み漁った、数冊の中古マンション購入に関する指南書には「給水(・給湯)管は20~30年で劣化するものであり、これを取り換えていない場合は要注意」と書いてあったことを覚えています。
なぜ覚えているかというと、購入前に仲介の不動産屋さんに、給水管を取り換えているかどうかを確認してほしいと依頼したからです。当然、回答は「していないようです」でしたが。
あくまで私的な見解ですが、漏水騒動で揺れた2013年がうちのマンションの給水・給湯管を取り換えるタイミングであったことは間違いないと思います。ただ区分所有者間の合意形成の方法や業者選定の方法については、今なお首をかしげる人がいるのも事実で、実際のところT氏もそのことが最も引っかかったことだったのではと思います。
自分の部屋の給水・給湯管を先行して改修し、こんな風になるよと他の区分所有者に自室を見せたK氏。
給水・給湯管の劣化そのものに疑問を感じ、業者の選定方法に疑問を投げかけたT氏。
本当に誠実だったのはどちらなのか。それとも二人とも、実は工事をサカナに最終決戦を行っただけなのか。私にその判断はできそうにありません。
こののち私は、K氏の本性むき出しの態度にぶち当たることになります。
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