何もできずにそばにいる
僕は乃木坂ファンを4、5年ぐらい続けてる。ただ、ハマり始めた頃のように生写真を買い集めたり、雑誌を逐一チェックしたりというような情熱は今は無く、たまにYouTubeを眺めたり、レギュラー番組をぼんやり見るぐらいだ。
その例に漏れず、楽曲もそこまで聞かなくなってたんだけど、最近シャッフル再生でたまたま聴いて刺さったのが「何もできずにそばにいる」という曲。
「夏のFree&Easy」という8枚目シングルのカップリング曲だ。
アップテンポではあるものの、爽快な王道の夏のアイドルソングである表題曲とは真逆で、切なく儚いメロディとアレンジが特徴だ。
歌詞の内容としてはざっくり言えば、涙を流して苦しんでる大事な人のそばにいてあげる事しかできないもどかしさを表現してるんだけど、今のコロナ禍において乃木坂のメンバー達からのメッセージとも取れるように感じたのだ。
乃木坂に限らないけどエンタメ業界に携わる人たちは、例えば死を選ぶぐらいに追い込まれてるAさんがいるとして、そのAさんの問題を解決する事なんか出来ないし、直接、命を救う事も出来ない。
去年の4月なんかは「不要不急の業界」とレッテルを貼られたりもした。
本当は紛い物なのかもしれない。無意味な存在なのかもしれない。
「それでも、力になりたい」
この言葉は楽曲のラストを飾っている。
命は救えなくても、心を救うことはできるかもしれない。
心に明かりを灯す事も出来るし、ハンカチを差し出すかのように涙を拭ってあげる事も出来る。
この曲には、そんなもどかしさ、儚さ、心強さが、メッセージが込められているように感じるのだ。
名曲。
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