よりよい人生

20歳になる時、19、20という本を読んだ。成人するまでにやり残すことがないようにしなくてはと焦っていた。30になる時、近所のうどん屋で女が30までにやっておくべきことという本を読んだ。結婚相手を見つけるために行動しようと決心した。40になる時は日々の暮らしでいっぱいいっぱいで本を読む余裕はなかった。
そして今、今年、四捨五入したら50になる、45歳になる。
私は欲張りだから、良い人生があるのなら、そうなる選択肢を選択したいと思ってきた。昔読んだ絵本みたいに、その絵本は上下二つにページが分かれていて、どちらかを選ぶと違う道に行くというような内容だった。間違った方は選びたくない、そのために今やるべきことは何か、ずっとそうやって考えてきた気がする。
でも、結局、より良い人生なんてなくて、正解なんてなくて、ずっと足掻かなくてはいけなくて、ずっと不安で、ずっと苦しくて、そういう日々の積み重ねの中に、足掻いているから辿り着く山頂があって、ずっと不安だから頑張るしかなくて、苦しいからこそたまに飲む水が美味しくて、そうやって歩く道が人生なのか、と、ようやく諦めというか、ずっと先ではなく目の前を見なくてはいけないと最近思うようになった。
もっと肩の力を抜いてもいいのかもしれない。もっと自分を認めてもいいのかもしれない。人を羨む必要なんてない。
頑張ってきたよ、自分。

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