ステイゴールド それから

秀良子さんのステイゴールドそれから2巻が発売となった。ステイゴールドシリーズにどハマりして、続きが出ることに歓喜して、始めはオンブルーを読んでリアルタイムで続きを追いかけていた。駿人と優士編は子宮にズドンときて良かったのだけど、1話だけで終わってしまい、その後はコウと日高編となった。コウと日高編はすぐにハッピーエンドになるわけではなく、もしかしたらハッピーエンドじゃないかもとなってきたので結末が出るまで読むのはよしておこうとなり本誌を追いかけるのはやめた。
昨年それから一巻が発売されたけど、まだ先が見えないとの皆の感想を読み、先が見えてから読もう、そうでないとずっと悶々としてしまうと思いスルーしていた。最近2巻が出て、どうやら先が見えそうだというネタバレ感想を見たから、一二巻同時に購入した。
ただ。2巻でも先が見えなくて、2人が性欲を含む人生のパートナーとなるのか、それとも性欲は含まない家族のような関係となるのか、どんな結末になるのか検討がつかなくて頭の中がステイゴールド一色でパンクしそうなのでnoteを書いている。
私がBLにハマる理由を考えた結果、ミソジニーを克服すること、自分がこれまで良しと考えさせられてきた、女性が男性に守られる代わりに、女性は男性の支え役で人生の主役じゃないという形とは違う愛の形を見つけたいというのが理由ではないかという結論に達した。
日高はコウにごめんと振られてから、コウと一緒だった大学を卒業して離島に教員として就職し物理的にもコウと離れて新しい環境に身をおいた。そこでの人間関係で結局島を離れて再びコウのいる東京に戻ることになり、偶然コウと再開した。再開しても学生の時のように日常的に日高とコウが接する機会はない。再開して別れる時、コウは日高にまたなと言ったけど、日高は自分からは連絡しないと宣言した。
そして島で日高と親しくなった吉田さんが、日高がゲイだと聞いて、自分の日高への好意を振り返った時に、自分の日高への好意も恋愛としての好意だと思い、島から日高の元へ駆けつけて猛アタックを開始する。日高は小さい頃から恋愛対象が同性であると感じていて、コウに一目惚れしたことで自分はゲイだと自覚した。だけど一般的には恋愛は異性間で生じるものなので、自分の想いは叶うはずがない、だからせめて1番の友人としてコウのそばにいたいと思ってきた。吉田さんからの猛アタックは自分が諦めてきたことを叶えるもので、嬉しかったのだろう。日高は吉田さんの想いを受け止めてパートナーとして生きていくことを真剣に考え始めた。
一方のコウは、日高と離れて、日高を恋愛対象として好きではなかったけれど、日高は自分の一部であり日高とのつながりが全くないのは寂しいと自覚する。性欲を抜きにして日高を好きな気持ちはどこに行けばよかったのか、そして日高をごめんと振った理由がなんだったのか考え続ける。
日高に猛アタックをしている吉田さんは、日高が島に来たばかりの時に1人で号泣しているところに遭遇して、日高が何かで傷ついていることを知っていた。そしてその原因がコウであることを把握して、コウにこれ以上日高につきまとわないでくれと主張する。
日高は吉田さんと生きていく未来を見据えて、吉田さんのおばあさんのお見舞いをするために島に赴く。しかし、吉田さんには末永く同性の自分と恋人として生きていくという世の中の常識から外れる覚悟はないと思い知らされる。一方でコウは自分と日高のつながりは、吉田さんと日高がパートナーとなることで、完全に切れてしまうと思ったのか、吉田さんと島で過ごすと言ってきた日高を追いかけて島にやってきた。
島で再開した日高とコウ。日高はコウが自分のために島に来たと言われ号泣する。コウは日高に、自分は男女間でしか恋愛関係は成り立たないと思っていたけど自分が無知なだけであって世の中には色々な形があったと気がついた、そして自分の方が日高のことが好きだと伝える。これに対して日高は何を言っているのか分からないけど、自分の方が好きだったと返した。この後、2人の関係はどうなるのだろう。コウはこれって俺の方がお前のこと好きじゃね、という現在形だったのに対して、日高は俺の方が絶対好きだったし、と過去形で返してて、これからすれ違いが起きるのではと感想を書いている人がいて、私もそうか、と思っていた。でもカバー裏にはお前のことが本当に好きだったよと書いてあって、2巻で好きだと気がつくのはコウなので、コウの気持ちも過去形なのかもと分からなくなった。
このお話のテーマが、性別を超えた恋愛が成り立つのか、なのかなと考えて、そうすると水城せとなの窮鼠はチーズの夢を見俎上の鯉は二度跳ねるのようになるのかなと連想した。窮鼠と俎上では、ゲイではないプレイボーイの主人公、大伴に大学のサークルの後輩のゲイの今ヶ瀬が執着愛で言いよるお話で、最終的に大伴はゲイではないけれど同性の今ヶ瀬を受け入れて共に人生を生きていく覚悟をする。大伴が最後に言う、恋愛よりも大事なことが人生には沢山あると言う言葉がささった。よく恋愛と結婚は別だといわれるけれど、この作品では恋愛は業だと描かれていた。ずっともがき続けなければ続いていかないもの。
それと連想されるのが、吾妻香夜の親愛なるジーンへ。トレヴァーとジーンは共に暮らし一度恋人関係になった後で、ジーンが外の世界知るために羽ばたいて行くのをトレヴァーは見送る。2人はそこで離れ離れになり音信も途絶えたけれど、十数年後に再開して再び一緒に暮らすことになる。番外編でジーンが、自分とトレヴァーはこれからどういう関係になればいいのか、悩んでいるというエピソードが出てくる。それに対して、ジーンとトレヴァーの関係はジーンとトレヴァーのもので、こうなるべきという決まりはないのだという答えが提示された。
つまり、私が探したい答えについても、これまでにはなかった、一般的なものでないから、納得のいくものを自分で探すしかないということか。BLから抜けられるかと思ったけど、答えは一つではないかもしれないので、当分まだBLから抜けられそうにない。

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