バイバイ、青い鳥

Twitter（現X）のアプリを消した。衝動的なものと言われればそうだが、今までのように日常的にTwitterを開く生活には戻らないつもりだ。

私には、向いていなかった。

そもそもTwitterをしていた理由はなんだったのか。
日々の楽しみ、悲しみ、苦しみ。そういったものに反応がつくのが楽しかった。
なんとなく考え方が合う人と話すのが楽しかった。
色々な人の考え方に触れられて楽しかった。

匿名のアカウントでは、知っているけど知らない人、一方的にみてる人、一方的にみられている人、そんなつながっていてもいつの間にかいなくなるかもしれない、不安定で気軽な関係を楽しんでいた。
友達しかつながっていないアカウントの方は、会っていなくてもみんながどんなことをしているのかわかる、いつ誰がログインしているかはわからないチャットとして楽しんでいた。

アプリを消すに至ったきっかけは、「おすすめ」機能。
自分の趣味に合ったツイートが表示されるようになった。
知り合いの見逃していたツイートも表示されたりするし、面白いと思うツイートが表示されることが増えた。まあ便利だとは思う。
でもそれまでは、フォローしている人がツイートまたはリツイートして表示されていたものが、私の閲覧履歴に合わせてカスタマイズされる。

みんなが喋っている広場。会話を聞くだけでも楽しいし、自分の話を聞いてくれることもある。みんなの広場を見ていたはずなのに、「お前こういう話が好きなんだろ？」と勝手に届いてくる声にフィルターをかけられた、と言えば伝わるだろうか。

自分にカスタマイズされていなくて良かったのだ。興味ないものが目に入ってくるのもまた良さだったのに。

次の大きな変化は、収益化だ。インプレッションを稼ぐためには色々な方法がある。
人の神経を逆撫でするような内容のツイート、物議をかもすような発言、芸能人のゴシップ、インプレゾンビ、そういうものも全然不快なのだが、私が嫌なのは、

愛される人間の特徴！
垢抜けるために！
モテる女になるためには！

みたいなやつ。人間なのでそれなりに愛されたいと思っている私はそういうのをクリックしてしまう。するとどんどんそういうツイートばかり表示されるように。

みんなで好き勝手話す場だと思っていたのに急にそいつらが私の方を見ながら「ああしろ」「こうしろ」といってくるような。そんな感じ。

現実から離れた場所だったはずなのに、「こうあるべき」に溢れた場所になっていてとても息苦しいのだ。

しかもそういうものばかり目に入るもんだから。

素直に思いを伝えた方がいい？
明るくて元気、ちょっと奔放なくらいの女が愛される？
落ち着いた色気も大事？
不満は笑顔で伝えたらうまくいく？

気がつけば、明るくて元気で奔放かと思ったら笑顔で不満をぶちまけて、その後に好きとかいったかと思えば、急に落ち着いて色気出してくる、恋愛テク見せびらかしマン、人格キメラになってしまっていた。恋人からは「一緒にいて疲れる」とのお言葉を頂戴した。

私のような影響されやすい人間には今のTwitterは向いていない。
アマゾンのおすすめ商品機能とかは便利なのはわかるのだけど、おすすめのツイート、という機能の良さについて、誰か教えてくれ、と思う。

イーロンマスクが悪いのか、何が悪いのかは知らないが、昔のTwitterを前力懐古厨しながら、アプリを消す。