お化け屋敷は大事な文化 2.5
こんばんは! お元気ですか?
今日は豊島園のミステリーゾーンの思い出話をしたいと思います。
ある日私は幼馴染のあーちゃんとミステリ―ゾーンに入りました。小学生だった私達は殆ど毎日のように豊島園で遊んでいたので乗り物はすべて知り尽くしていると思っていました。
恐ろしいぞい、恐ろしいぞい、フフフ、、、。
そんなのも、はい、はい!って感じで聞き流し髪をとかしながら乗り物に座っていました。 ところが途中で動きがいつもと違うことに気が付いたんです。 ガタガタ、、ガクガク、、、。 何度か止まりかけてまた動く。そんなのを繰り返して、そしてついに例の生首のカーブでガタンっと止まってしまいました。
私達は笑いながら、
ちょっとすいませーん! 止まっちゃったんですけどー! 誰か来てー!
と叫んでふざけていました。 ところが全く反応なし。 真っ暗の中つるされている死体とカラスのそばでだんだん背中のあたりの空気が冷たくなっていく感じがして声も出なくなっていきました。 遠くで南無阿弥陀仏を唱えるおばあさんの声。 ちり~ん、ちり~ん、、、。
もうすっかりそこが自分たちが存在する現実の世界にかわっていき私は息が苦しくなるほどの恐怖を味わいました。 となりであーちゃんが泣いているのが分かりました。 こんな広い山の中で生首のそばから動けない、一晩こんな恐ろしいところで血を流した死体と共に置き去りにされた、、、そんな気持ちになり私も泣き出しました。
だいぶだって、
後ろから懐中電灯をもった従業員の人がやっときてくれました。
あ、だれか来た!!!
すると
すみません、故障したので乗り物から降りて歩いてください。
という。
えー?! ぜったい嫌だ嫌だ嫌だよー!!
もう二人で力いっぱい大声で泣きました。 するとその従業員は磔にされた女の人の後ろに歩いていき、
なんと 、、、、電気をつけてくれました。
その瞬間、あの恐ろしい死霊の世界がただの倉庫のような場所にかわったのです。 みると、大きなスピーカーがそのまま置いてあって、太い線があちこちはられ、明るいところでみると生肉を食べていたカラスもただの人形に見えました。 広い山の中も実はすぐ後ろに黒い壁があり全然狭いです。 あんなに激しく泣いた自分達が恥ずかしくなりました。
そして仕方ないので乗り物から降り、気まずい思いを隠しながらソロソロ歩いてミステリ―ゾーンを出たのです。