冬 フェリーの旅
12月の写真を整理していると クリスマス以外は変わり映えのしない雪景色ばかり 数も少ないのですが その中にフェリーに乗った時の写真があり
さらにその中の2019年12月 この時は今思うと特別な旅になりました
この時まで私達夫婦は孫の住む街に行くために 何度かフェリーを利用していました
夏休みなどで孫と一緒の時以外はほとんど写真を撮ることはなかったのですが このとき2019年12月の写真は「行き」も「帰り」もありました
でもこれがフェリーの最後の旅となりました この後すぐコロナ禍が始まり
フェリーの旅行どころか 行動さえ制限されてしまいましたから
まだ乗船時刻前なので 乗船口のドアは開いていません
冬休みやクリスマスお正月を控えた この時期は乗客数が少ないからでしょうか 誰も写っていません
出航時刻になるとドラが鳴ってゆっくりと船が動き出します
船が港から離れると 窓の外に見える灯りがだんだんと少なくなり 少し移動しただけでも随分と遠くまで来たような気分になります
映画の「旅情」は明るい光あふれるベニスが舞台ですが 私はなぜかフェリーが港を離れる時 よくこの映画を思い出しました
ここまでの写真に人物がほとんど写っていないことに 気が付きました
船員の方が挨拶の時 「今日は乗客の人数より乗務員のほうが多い」と話していたことを覚えているのですが この時かもしれません
夕食後大きなホールでは毎晩 様々なジャンルのアーティストによるコンサートが開催されます また大型スクリーンによる映画も見ることができます
夜遅くまで 軽食やドリンクも提供されているので 団体客と一緒になるとかなりにぎやかです
大浴場もあります 波の高い時は湯船のお湯が斜めになり こぼれ出すこともありました
孫と最初に乗ったころは 2人の孫と一緒でしたので かなりの広さのある ホテルとほぼ同じ様式の 4人部屋を利用していました 孫にはその部屋が揺れる以外はホテルと変わらない ということが不満だったらしく フェリーの案内で見た上の写真の部屋が良いと希望したので 以後ほとんど4人部屋は利用しなくなりました
この2段ベットは料金も安く 満室の心配もないので利用しやすいです
波が穏やかな日は良いのですが 波が高い時は 食事はセルフなのでお盆をもってお料理を取るのも大変 そしてあまり食べすぎると船酔いします 空腹でもダメです 酔い止めの薬を飲んでもダメです (私だけですが) どこに移動するにもエチケット袋を忘れないようにしていました
もちろん荒天の時は運航中止になります 台風で帰りが2日遅くなったこともありました
大浴場は入港30分前までと荒天の時以外は いつでも利用できます
朝 湯船に入って大きな窓から 目の前に広がる太平洋を眺めるのはとても気持ちが良いものです
目的地に到着後は娘夫婦の家で孫たちと楽しく過ごします
そして帰路もフェリーを利用します
ここからは帰りのフェリーのことです
行きと帰りは 違う船舶になります このフェリー会社は3種類の船舶があり 行きと帰りは同じ船舶になりません
長い滞在を終え 孫たちに別れを告げる時は夕方 暗くなっていますから
寂しさが倍増します
そのためか この日の写真はゼロ
食欲もなくレストランは利用せず 夕食は軽食で済ませました
映画を観ても お風呂に入っても 窓から暗い外を見ると 寂しさがよみがえります
朝になると少し寂しさも薄れ 帰ることが実感できます
このレストランで朝食を終え 午前10時ころ入港予定ですので 下船の
準備をします
フェりーの旅もおわりに近づいてきました
下船の準備を終えると 窓から港の空模様を見ながら時を過ごします
家までの道中の天気が気になりますから
そして下船
下船してフェリー乗り場に入り 天気が良いと一安心
出発した時とは違い 明るい時にフェリー乗り場に着きますから 窓から
下船した船が見えます
今乗って来た船を写真におさめ 私達は家路へと向かいましたが
これが最後のフェリーの旅になるとは思ってもいませんでした
この数日後 コロナ第1例目の感染者が報告され 世の中が一変しました
あれから5年たち フェリーの思い出もだんだんと遠くなりました
私達は真冬の間は旅行はしません
冬場は家に戻ると 玄関が雪で埋もれて家の中に入るのが大変になることがあるからです これに近いような事が一度ありました
やはり12月にフェリー旅行した時のことです
その時のこともnoteで記録しておきたいと思います