劣化ではなく経年変化するということ
まずはじめに、ずっと音楽にしがみついてきてようやくわかってきたこと。
しがみつかなくても音楽は離れないし、自分で歌わずとも流れない日なんてないし、場末のスナックだろうが(しかも客として)結局、私は歌ってます。
名誉欲が強過ぎる性格もあり、平成時代のほとんどは絶対に音楽で売れたい!と思っていました。
その割に結果も残せていなくて四苦八苦しつつも、「今の私を認め応援してくれている人たちに、もっと大きなステージで歌う私を見せ喜んで欲しい」と。
でも、結局どれもこれも自分の欲求であり、音楽を続ける理由を正当化したかっただけのような気もします。若さというより青臭さに近いような。
もちろん、ナミナゾ(1)を続けるという意味では多くの人に聴いていただけるに越したことはないのですが(何するにもお金は必要ですからね)、
前と少し変わってきたのかな?と思うことは自分を正当化するのではなく肯定するようになったということ。
今までは「なんで私はあの子みたいになれないのか?」と成功していった友人たちに対しての羨望と、自分に対しての力無さや間抜けさを嘆くようなことも多々あったのですが、
最近は「これも人生、結果はともあれ私はなかなかよく頑張ってる」と思えることの方が増えました。
側から見れば甘いと思われるかもしれませんが、夢(音楽)に向き合う自分を認めることって私にはそう簡単じゃなかったんです。
そもそも、普段は何かと「私、もってるな(2)」って思うことの多い人生を歩んできたはずなのに、なぜか音楽のこととなると「私だけうまくいかない」みたいな見えない神様に対して被害妄想抱くような気持ちになってしまうことが度々ありました。
音楽やってきたことの派生で良い思いしたり笑えたことのほうが圧倒的に多いはずなのに、なぜか。
それは薄々感じていたことですが「現状に満足しちゃう自分はいけない。そんなんじゃ応援してもらう価値ない」みたいな強迫観念みたいなものもあって…。がむしゃらに見えないことは罪、みたいな。
しかし、そもそも「私、本当に売れたいのか?」と立ち返った時に、確かにやり始めたころは「売れたい!」と思っていましたが、その更新の気持ちでここまで引っ張ってきてしまった気がして、なんだかそこに答えはないな、と。
そしてそのあたりの肩の力がスーッと抜けてきて、正直べつに超有名にならなくてもいいや、というか局地的にプチ有名なくらいのほうが私の性格には合っているからこのほうがいいな、と思うようになってきたのはここ1、2年の話です。
(こんな正直に書いたのナミナゾメンバーが見たら怒られちゃうかな…笑)
この心境の変化に気付けたのも、2年前に思い切って大好きだった生まれ育った東京を出て、手探りでベトナムに住むことにしたことがきっかけなんだと思います。
渡越(3)前も音楽を辞める気はなかったけれど、飛行機の距離になってしまえば物理的に今までのように毎月4.5本のライブやアングラ劇団の舞台で歌うこともできなくなりました。
しかし、毎月繰り返しのようになっていたことが出来なくなることで、その分短い一時帰国の度に自分のやりたい音楽と集中して向き合うことができ、さらに通常は住み働くだけでも新たなことに挑戦できているという環境。
これは結果的に雁字搦めになっていた私の音楽への捉え方を大きく変えてくれました。
もちろん「すべてを諦めて捨てたい」とかそういうことではなく目標は目標として今まで通り掲げつつも、そのプロセスにより楽しみを見つけて、今の私にできる限りの精一杯でいこう!という感じです。
それはべつに手を抜くというわけでもなく、結局今までとは表面上変わりませんが、
私の心の内としては大きな変化なので新元号に向けて心機一転ではじめたnoteの募集テーマに合わせて綴らせていただきました。
私が「令和元年にやりたいこと」はより肩の力を抜いて表現活動を続けることです。
あまり志高いものとは呼べないかもしれませんが、「続けること」というのがミソ。誰もが振り返るような美人ではない、物凄い歌唱力や持って生まれた音感の良さもないけれど、「続けること」これにはなかなかの自信があります。
あとはベトナム語をもう少し喋れるようになること。
そして、これはただの願望ですが、「こいつ面白いな」って思ってくれる人があと20人くらい増えますように。笑
というわけで長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
こんな私なので、次が最後のワンマンライブになる可能性も高いです。
ぜひ、興味あれば足をお運びください。▽▽
(1)ナミナゾ・・・三上ナミと謎カンパニー。自身の歌う楽団名
(2)もってるな・・・運がいいな、的な意味です
(3)渡越・・・ベトナムのことを越南と書くため
【三上ナミと謎カンパニー】がお送りするまぼろしの見世物小屋へようこそ。
約2年半ぶり、これを見逃すと次はいつになるかわかりません!
ナミナゾ大事件簿
2019年7月7日(日)
場所 三軒茶屋ヘブンスドア
開場16:00 開演17:00
前売り3,000円 当日3,500円 (+1d)
(チケット、ただ今e+で準備中です)
▲▲その他6.7月の公演予定は下記。▲▲
出演時間など現時点で詳細不明ですが、分かり次第追記します。
6月22日 三軒茶屋ヘブンスドア
6月23日 小岩サーキットイベント
※三ヶ所同時開催のフェスなので、出演会場は告知解禁になり次第載せます。
7月3日 下北沢BREATH
※この日は歌とピアノのクラシカルな二人編成です。