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【発達障害の子ども達】〜音楽を通しての絆
こんにちは!ボイスコーディネーターの日高です。
私は、知り合いの方の紹介で、5年ほど前に放課後等デイサービスの臨時音楽講師として一年半程、勤務していた事がありました。
放課後等デイサービス(略して放デイ)とは、障害のある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービス』で、主に発達障害、自閉症、ダウン症などの障害を抱えた子どもさん達が登園していました。
こちらの園(A園)に勤務する前に、別の放デイ(B園)で勤務した経験がありました。その時の経験も踏まえ、綿密に打ち合わせをさせて頂き、事前に音に過敏な子や個々のこだわりなどの確認をはじめ、丁寧にヒアリングした上で、週一回程のペースで取り組んでいました。
B園にいた頃は、比較的、重い自閉症や知的障害の子どもさんがおり、特に自閉症の子は音に過敏で、その日の体調や周囲の状況などによって、「わぁぁぁぁっっ」と大きな声で叫びながら、必死に耳を塞いでパニックになってしまう事もありました。
そこでほぼ毎日、その子はヘッドホンのような形状の『イヤーマフ(耳全体を覆うタイプの防音保護具)』を装着していたのです。
音楽が大好きでピアノを出しただけで嬉しそうに鍵盤を触りにくる子どもや、身体でリズムを取りながらノリノリで歌う子どももいたのですが、そのような子どもであっても、その日の体調や、ちょっとした学校での出来事などがきっかけで意欲を消失していたり、酷い時にはパニックを起こしてしまったり。。
ですから、全体的な活動計画としては、音楽を用いた遊びを計画する事が大変難しかったのを思い出し、A園で音楽講師を始める際は前出のように打ち合わせをする中で、ヒアリングをしっかり行う必要がありました。
その上で、まずは下記のように、大まかな『ねらい、目標』を立てました。
【音楽レクリエーション】
◎音楽やリズムと身体の動きを合わせる
◎五感への刺激
音楽✖️触覚
音楽✖️視覚
↓
感覚統合へ繋げる
◎創造性、発想力を養う
◎自己表現の実現を目指す
◎社会性自立を促す→ソーシャルスキルを
高める
◎自主性を育てる
このような『ねらい、目標』へ向けて具体的なプログラムを作成し提供していました。
いつ、どういったプログラムを提供するかは、季節や天候、その日の午前中の活動や学校での行事、子ども達の人数や体調、また、登園している子の状態(機嫌はどうか、いつもと違った様子があるか、など)を確認して、変更したり内容をプラスしたり。。
出来る限り臨機応変に対応できるよう、上記の『ねらい、目標』の項目に沿った短いプログラムを、それぞれ複数用意し、組み合わせや変更がしやすいように作成していました。
幸いA園の子ども達は、毎週とても楽しみにしてくれていたようで、『先生の事、待ってたよー❗️』『私ね、先生のこと大好きなの❤️』とキラキラした目で伝えてくれるのです。
それも毎週のように。。(*´∀`*) こんなにハッキリしっかり、熱心に好意を伝えられるなんて人生で何回あるんでしょう(笑)‼️
真っ直ぐでピュアな表現に私の方が癒されていました。
しかし実際、プログラムの実践は正直なところ、日によっては思うように進まず、子ども達が不完全燃焼のまま終了時間になってしまったり、子ども同士のいざこざが始まってしまう事もあり、もっと違うアプローチがあったかもしれないと悩むことも多々ありました。
また、雨の日や天候が不安定な日が続くと、必然と学校や自宅でも室内で過ごすことが多くなり、身体を動かす時間が少ないので、特に多動傾向の子どもはイライラを募らせ、怒りを爆発させてしまう事もあります。
そういう日は出来るだけ、身体を動かす事に重点を置いたプログラムを用いるのですが、室内で複数人での活動ではやはり限度があります。また、激しい動きだけの活動にしてしまうと、テンションが上がり過ぎてしまい、落ち着いて流れに沿った活動を行う余裕が無くなってしまうのです。
更にそのテンションのまま、なかなか自制が効かなくなり、レク後の活動や帰宅後の過ごし方にも支障をきたす事があるので、そのようにテンションが上がり続けてしまうような傾向が見られた場合は、先生方にも協力頂きながら静と動のバランスを整える必要がありました。
ですが、とにかく何をするにもピュアで繊細で真っ直ぐな子ども達。。そんな子ども達と接する度に思い掛けない気付きも多く、たくさんの学びを頂いた事に今でも感謝でいっぱいです。
活動中、必ず一人ずつ前で発表する機会を設けていました。言葉がなかなか出てこなかったり恥ずかしがったりする事で、多少時間が掛かったとしても、自分の言葉で伝える事の大切さや、他者への思いやり、聴く姿勢などの学びになると思ったからです。
みんなから拍手をもらったり褒められたりした時の、とっても嬉しそうな、誇らしげな表情‼︎ 『よっしゃ‼︎ じゃぁ、今度は〇〇ちゃんの好きなアレをやってみようかな』とモチベーションが沸々と湧いてきたものです。
皆、障害も含め個性は全く違いますが、『褒められたい』、『認められたい』という思いは、私たちと全く同じ。大人だって何歳になってもそう。ましてや一辺倒で本当に正しいのかわからないような価値観の中、窮屈な思いをしている事の多い子ども達。自己肯定感が低い子が多いのも頷けます。
私が徹底的に明る〜く、しつこ〜く(笑)褒め続けたおかげか、日が経つにつれ、その日あった嫌なこと、普通なら心にしまっておきたいような事も話してくれるようになった子が多くなり、『あぁ、信頼してくれてるのかな』と絆が深まっていったのを実感できた経験でした。
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