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子ども達が大好きな声〜これぞ天職❣️印象的な声のT先生



こんにちは
❗️ボイスコーディネーターの日高です。


 時々、個性的な声を耳にして思わず振り返ったり、印象に残る声の方にお会いすることって、皆さんも経験があるのではないでしょうか。


 ある保育園で一緒に勤務していた、当時20代半ばの『T先生』はまさに印象に残る声の先生でした。いわゆる『キャラ声』、アニメの声優さんのような。。それも感高い少女アニメの主人公のような。。良く言えば女の子らしい可愛い声、悪く言うと昔流行った『ぶりっ子』という言葉がピッタリの声でした。


 実際、仲良くなっていろいろと話すようになってから、『正直、最初、声作ってんのかと思ったよ(笑)』と言うと、『そうなんですよねぇ、ホント
、よく言われるんですよ(^^;; 』と、本人はサラッと笑いながら答え、さほど気にする様子もありませんでした。むしろその声がキッカケで人との距離感が近くなる事も多いそうで、確かに『可愛がられキャラ』として、彼女の周りはいつも明るい雰囲気に包まれていました。


 しかし、良いことばかりではありません。その保育園はどちらかというと厳格な、規律の厳しい園だった事もあり、彼女の天真爛漫さと、その声がかえって仇になるような出来事もあったようでした。


 特に、上の立場の先生方から、彼女の声を通して伝えられる謝罪に『真剣さが感じられない』と言われたり、また、困った事や悩みを打ち明けても軽く流されてしまう事も多かったと言います。更に保護者からフレンドリーな接し方をされる事は喜ばしい事であっても、しっかりとした深い信頼関係を築き上げるのが難しいようでした。


 もちろん、声だけが原因なのではなく、20代半ばという年齢や彼女のほわ〜っとした雰囲気など、他の要素も相まっての事なのでしょう。しかし彼女の声から受ける情報は、内容が重ければ重いほど、何となく違和感を覚えてしまうのも事実でした。


 ですので、その当時、いくらか経験を重ねて、40代を過ぎていた私は、彼女の長所を出来るだけ活かして欲しいと思い、次のようにアドバイスしたのです。


 ※ センシティブな内容、重い案件ほど、声を出来るだけ低めに、ゆっくりと丁寧に話す。

 ※困り事などは内容を話す前置きとして、『実はこれからお話しする事は、私が長い間真剣に困っている事で。。』と先に言葉でアピールしておく。

 ※保護者の方には『頼りないと不安に感じることも多々あるかと思いますが、子どもさんをはじめ、保護者の皆様ともしっかりと向き合わせて頂きますので、どんなに小さな事でも遠慮なくご相談下さいね。』と丁寧に伝えておき、深い部分でのコミュニケーションを図れるように。 


 上記以外にも、いくつか細かいアドバイスも加えながら伝えました。


 彼女は真剣に聞き入れて表情なども含め実践を重ねていくうちに、とある保護者の方との関係性に変化が見られ、友達のように軽口でのやり取りばかりだったのがある日、真剣な相談を受け、しかも大変信頼できる先生と、園長を通してお褒めの言葉を頂いたとの報告をもらい、本当に嬉しかったのを覚えています。 


 そして、彼女の長所である素直で明るい性格は、子ども達からも大人気でした。彼女と子ども達の、可愛い声同士のやり取りは微笑ましく、さらに彼女の大らかで前向きな声掛けのおかげで、日々、バタバタと目まぐるしく過ぎていく中、ほっこりとした気持ちになったり笑いに繋がったり。。とっても楽しく仕事ができました。


 また、子どもを叱らなくてはならない時、特に彼女の声は素晴らしいと感じました。恐怖感を与える事なく、子どもの心にすぅーっと染み入るような、とても自然な形で子どもの理解に繋がっているようでした。



 叱ることは難しく、ともすると『何が悪かったのか、どうしたらいいのか』という、伝えるべきことは伝わらず、『怒られた』という事象のみが心に残ってしまうこともあるので、大人の太い声で上からカミナリを落としてしまうことの無いよう、私自身も声色も含め常に意識していたことなのです。




 彼女と出会って3年後、彼女はその園を退職し現在は疎遠になっていますが、素直な彼女はきっとその後も、その個性溢れる声を活かしながら多くの人と幸せな関わりを続けていることと思います。




 声の印象って強いものですよね。例えば恋愛でも男女問わず、相手の声は少なからず、その人の個性として決定づけてしまうことがあるようです。


 ✨次回はそんなところも深掘りしていこうと思いますので、あんな声、こんな声、声にまつわるエピソードがありましたら、ぜひコメント欄から教えて下さいね( ^_^)/~~~

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