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君がひとりで勝手に助かるだけだよ
『化物語』より忍野メメの言葉。
私がこのアニメを見たのは大学生のとき。
そのときは、この言葉の意味を深く考えることはなかったけど、6年前に身をもって体験したのです。
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阿良々木くんのように怪異に出会ったのではなく、私は人の裏切りにあいました。
自分でも驚くほどの"憎悪"の感情に、毎日苛まされて、どうすることもできなかった。
怒りでもなく、悲しみでもなく、虚しさでもなく、"憎しみ"。
当時も「言葉にするのが難しい」と友人に打ち明けたくらい、表現のしようがない感情で。
仕事をしたり遊んだりスポーツをしたりして、気を紛らわせても、油断すると黒いもやもやが出てきて、どうにもできなかった。
家族や友人が心配して、話を聞いてくれたり、遊びに誘ってくれたりした。
感情を紙に書いたりして、自分なりに心の整理を試みたりもした。
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結局、3年くらいかけて克服をしたのだけれど、そのきっかけとなったのは婚活。
初めて会った人と話すことはそんなに苦ではなくて、だいたいは楽しく話して終わるのだけれど、その人には「プロフィールを見て面白そうな人だと思ったんだけどな・・・」と言われてしまった。
そのとき、とても傷ついたけれど、「確かに、私って魅力的な人間ではないかも」とハッとした。
「私ってなんでこんなに薄っぺらいんだろう?」
そう気づいてからも試行錯誤を繰り返して、時間がかかった。
そして、いつのまにか、黒いもやもやがなくなっていった・・・。
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人の"助け"を借りながらも、最終的に自分を"助け"られるのは自分自身なのだと思う。
辛いときは忍野さんの言葉を思い出す。
そろそろ「助」という漢字がゲシュタルト崩壊してきた。