急性虫垂炎で3回も入院②|1回目の入院は9日間の保存的治療
こんにちは、皆さん。
この記事は、私が経験した急性虫垂炎について書いています。
今回は、前回の続き。
ひどい便秘だと思っていたお腹の張りで、紹介状を持って受診した大学病院で急性虫垂炎と診断され、緊急入院を告げられた後からのお話になります。
突然の緊急入院
急性虫垂炎で、緊急入院が必要だと言われて誘導されたのが、ナースステーションのすぐ隣の処置室のような場所。
入院の予定をしていない患者が突然入院するのだから、臨時でベッドを設えてくれたのだと思いますが、広い部屋をひとりで使っていたのが何とも申し訳ない感じがしていました。
治療の方法としては、点滴の針を刺され、数日間抗菌剤を投与されるとのこと。
しかも、お腹の炎症が落ち着くまで絶食だと告げられました。
普段は食いしん坊を自負する私ですので、絶食という突然の事態に驚きと不安が入り混じり、頭の中は真っ白でした。
絶食生活の始まり
入院する前の日から食事が喉を通らなくなっていたため、この時点で既に丸1日以上何も食べていない状態でした。
「人間、こんなに何も食べなくても大丈夫なのかな」という不安と、「ダイエットのチャンス、到来?」という不謹慎な考えが交錯し、「しょうがない!やってやるか」という不思議な覚悟が芽生えていました。
ただ絶食生活が始まり「食べられない」となった途端、余計に食べ物が恋しくなるものですし、ひもじさも感じるようになってくるのが困りものでした。
9日間の入院生活
結局、1回目の入院は9日間に及びました。
入院して5日目にようやく口にすることが許されたのは、200mlの栄養ドリンク。
食事があまりできない人でもしっかりとタンパク質が摂れるように作られている製品だとは思うし、ネットで調べてみたら非常にユーザー評価の高いもの。
ですが、私にとってはかなり苦手なものでしたから、早く普通の食事がとれるようになりたかったです。
なんとか頑張って栄養ドリンクを飲み干して、翌日から予定されている普通の経口食を心待ちにしていました。
退屈な入院生活
絶食の辛さを助長したのが、退屈すぎることでした。
入院2日目に6人部屋の病室に移ったものの、感染症予防のためにベッド周囲はカーテンで囲まれ、話し相手もなし。
抗菌剤のおかげでお腹の痛みは治まってきたことと反比例するように、やることのない退屈が苦痛に感じられるようになりました。
周囲の患者の様子や看護師さんとのやりとりが耳に入ってくる中で、リハビリに出かけていく患者さんが以外に多く、行くと1時間くらいは戻ってこないのです。
「イベントがあっていいな」と思う自分と、そう思うことが不謹慎だと戒める自分がいて、毎回せめぎあいをしているかのようでした。
ただ、この時代、スマホさえあれば何でもできるということをしみじみ実感。
仕事のメールも返信できれば、クラウドに保存されているファイルの編集もできる
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スマホがなかった時代は、確かに病室のテレビをイヤホンをさして見たり、本や雑誌を売店で購入して読んでみたりしていたはず。
入院したばかりの頃はお腹の痛みもまだ強くてウトウトしてはすぐ目が覚めることを繰り返しており、寝返りの音を立てるのも憚られるような長い夜でしたが、Amazonミュージックをワイヤレスイヤホンで聞きながら、布団の中でやりすごすことができました。
食事再開と退院の喜び
入院7日目にしてようやく食事が始まり、退院の予定日が決まったときには本当に嬉しかったです。
と同時に、9日間の入院で退院できるというのは他の患者に比べると短い方だとも思い、入院するということが大変なことであると改めて実感しました。健康イチバンです。
食事が再開されたときの喜びは言葉に尽くせません。
ご飯は全粥だけれども、おかずは牛肉に甘辛い醤油の味がぎゅっとしみた肉じゃが。
最初の一口を口に運んだ瞬間、「生きてるなぁ」だなんてしみじみ生を感じました。
戻ってきた腸の動き
食事をした直後から、お腹がグルグルし始めました。
それまで、毎日2回「便通はありましたか」と尋ねられていて、そのたび心の中で「食べてないのに便が出たらビックリだわ」だなんて苦笑いしていたのですが、人間の体というのは正直なものなんですね。
仰向けになってお腹に手を当てると、やたらグルグルいってる。
そのときようやく、入院前に「ひどい便秘になってしまった」と思っていたときは「すでに腸が動かなくなっていたということだったんだ」と合点がいきました。
退院の日
退院の日は、朝食を食べた後、着替えをして待っているように言われました。
病棟の事務の方から会計の金額が書かれた紙を受け取り、病院の1階にある入院手続窓口でクレジットカードで支払いを済ませました。
病棟に戻ると、入院中ずっとしていたリストバンドを看護師さんがハサミで切ってくれて、晴れて退院。
久々に外に出たときの瞬間は、自由を取り戻したような気分でした。
ドライな退院の瞬間
感染症予防のため面会ができない病院だったので、見舞いもなく、初診から退院まですべてひとりで行うことができました。
生命保険会社のCMで見るような家族が病院に迎えに来ている感動的なシーンとは程遠く、なんともドライな雰囲気の現実に、思わず苦笑いしてしまいました。
入院時に病院から支給されたティッシュや歯ブラシなどの洗面道具は増えたけれども、それでも入院するとは思わず受診したときの身軽な恰好で、何事もなかったように公共交通機関で9日ぶりに帰宅です。
次回の記事では、突然の入院でかかった費用や、生命保険、健康保険組合の給付金など、お金に関することについて書いていきます。
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