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わてノート 能登半島・青森・埼玉 被災・復興状況などまとめ(25年1月31日)
1月最終週ですが東北や北陸で雪の影響があったようです。本日31日にかけて落ち着いてきているようですが、それぞれの地域の方はお気を付けください。また関東では2日に南岸低気圧の影響で雪の予報が出ており、JR東日本でも運休の可能性がでています。日曜となりますが、お出かけなどには注意しましょう。
また、埼玉県の八潮市で道路陥没事故がありました。下水道管の破損に伴うものということで、前に書いた水道管の老朽化問題に関する事故が起きてしまいました。穴に転落したとみられるトラック運転手の安否はいまも不明とのことで心配です。
また、下水管の破損にともなって下水道の制限もされているようです。対象は120万人と伝わっています。こちらについても合わせて状況を確認していきたいと思います。
能登半島被害復興状況まとめ(1/31)
人的・住家被害
人的被害・地震 死者515名 重傷416名(1/28)
人的被害・大雨 死者17名(石川県16名 熊本県1名)重傷2名(1/28)
住家被害
地震 全壊6461棟(新潟、富山、石川) 半壊23336棟(新潟 富山 石川 福井)(1/28)
大雨 全壊82棟(石川)半壊597棟(1/28)
避難者数:地震 22→14名、(大雨)131→124名(1/28)
応急仮設住宅:地震 6882戸完成完了(1/28)
ライフライン
上水:(地震)5月末で立入困難な地域等の一部地域(約700戸)を除き水道本管が復旧(8/27)、(大雨)132戸が断水(11/26)
電力:(地震)安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等を除き 復旧(4/2)、(大雨)石川県内の停電は、安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等(※)を除き復旧(11/01)
都市ガス:大雨による被害なし
LPガス:(地震)2月末に応急復旧完了、通常出荷体制に移行。(大雨)土砂崩れや、家屋倒壊によるボンベ流出が発生所在確認済(10/18)
通信:(地震)固定回線 インターネット・アナログ電話150回線に影響、携帯電話基地局、KDDIで1局 ソフトバンクで2局影響(1/28)
(大雨)固定回線 復旧、 携帯電話基地局、NTTドコモで4局、KDDIで8局 ソフトバンクで4局、楽天モバイルで3局影響(12/24)地上波:(大雨)(地上波テレビ)(ラジオ)すべて復旧済み(ケーブルテレビ)幹線は復旧済み(1/28)
交通インフラ
能越道:(のと里山空港 IC~徳田大津IC)対面通行可(9/10)
補助国道: (地震)40 区間通行止めのうち 36区間(約 9 割)復旧 現在 1路線 4区間で通行止め、(大雨)1路線5区間通行止め(1/28)
都道府県道等 :(地震)3 県 145 区間通行止めのうち 137区間(約 9割)復旧 現在 8区間で通行止め(大雨)13区間通行止め(1/28)
鉄道:(地震)JR七尾線 2/15 から全線運転再開、のと鉄道 4/6全線開通(7月20日より通常ダイヤ)(大雨)羽越線10/5夜再開
航空:(地震)のと空港 民航機運航再開(1/27)(4/15から毎日運航)(12/25から1日2往復)
砂防土木
河川:(地震)応急対策実施済み(大雨)最上川で農地浸水発生(解消)、石川県28河川で浸水被害発生しほぼ解消、町野川で2か所堤防決壊し緊急応急復旧工事を完了、河原田川緊急応急復旧工事を完了、その他5河川で権限代行による応急復旧工事を実施中(1/28)
土砂災害:(地震)456 件(新潟県 18、富山県 14、石川県 424)、(大雨)272 件(宮城県 1、山形県 1、新潟県 2、石川県 267、熊本県 1)(1/28)港湾 七尾港:(地震)8岸壁中3岸壁が利用可能、輪島港:1岸壁が利用可能、飯田港:2岸壁中1岸壁が利用可能、小木港:5岸壁中5岸壁が利用可能、輪島港は大雨影響で土砂流入(1/28)
住宅・医療
住宅仮設:(地震)6882戸着工、6824戸完成(12/24)
下水:(地震)下水道本管は立入困難な地域等の一部地域を除き確保済み(珠洲市の立ち入り困難な一部地域を除き)(5/28)(大雨)輪島市と珠洲市の一部で被害あったが機能確保済み(10/10)
宿泊施設:(地震)石川、新潟、富山、福井、岐阜の宿泊施設で被害
医療機関:(地震)石川県の医療機関において全施設断水解消(4/5)(大雨)3施設で被害があったが復旧済み(9/23)
社会福祉施設:(地震)高齢者施設断水9か所、障がい者施設断水3か所停電1か所(7/30)(大雨)障がい者施設の断水解消(11/01)児童福祉施設で停電解消、134施設の断水復旧済み、64施設で建物被害復旧済み(12/24)
農林水産
農林水産:(地震)長野、石川、新潟、富山、福井、岐阜で被害、(大雨)秋田、山形、新潟、石川、福岡、広島、佐賀、長崎、熊本、大分で被害
防災重点農業用ため池:(地震)新潟県1か所、富山県11か所、石川県 280か所、福井県1か所で堤体に損傷、(大雨)石川県 73か所(11/01)
農業集落排水施設:(地震)被害あり新潟県11か所、富山県20か所、石川県72か所
廃棄物処理施設関係:(地震)石川県、し尿処理施設2施設仮復旧、焼却施設など全復旧、最終処分場7施設停止し2施設復旧、新潟県焼却施設すべて復旧
内閣府
内閣府より能登半島地震の被害状況について更新がありました。
人的被害では死者515名、重傷者416名と増加しました。災害関連死などによるものと思われます。住家被害は全壊6461棟、半壊23336棟とこちらも少し増えました。引き続き被害の調査確認が完了していない模様です。
また避難者数は14名となりました。応急仮設住宅は6882戸完成となり完了しました。
国土交通省(北陸)
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北陸地方整備局からは2月4日から6日にかけて大雪のおそれを呼び掛けています。大雪の場合は外出を控えるようお願いします。また、雪道情報もありますので出発前などに確認しましょう。
国土交通省(関東)
国土交通省からは八潮市で発生した道路陥没にともなう体制が発表されています。
1月30日に第1回「埼玉県八潮市道路陥没事故に対する交通マネジメント検討会」が開かれて通行止めや渋滞状況、路線バスの迂回情報などについて関係機関と情報の共有、広域迂回や協力要請、通行止めの実施などについて情報発信など行われる旨が発表されていました。
またすでに報道にあるように下水道の放流が発表されています。取水施設には連絡を行い汚水には応急措置(塩素投入)のうえ放流されるとのことです。今後の続報にも注意が必要かもしれません。
道路の迂回情報などは埼玉県HPが最新となりそうですのでそちらを確認してください。
青森県
青森県では豪雪を受けて令和7年青森県豪雪対策本部が設置されています。
31日朝時点で情報が更新されています。
人的被害の死亡者は先週から1名増えて9名、重傷も1名増加の39名、軽傷96名となっています。死亡原因は屋根の雪下ろしと落雪に伴うもの、除雪作業中と発表されています。
住家(じゅうか)の被害は全壊3件、半壊5件、一部損壊76件と増えました。被害確認が進んでいるものかと思います。引き続き調査中となっている市町村もまだあるようです。
ライフラインではフェリーで点検による運休があるようです。
農林水産被害額は増えて、総額4200万円となっています。学校や文化財の被害も一部あるようです。
他に、青森県の方で行った措置が発表されています。本部会議や農業被害の巡回調査、「除排雪機械の市町村支援マッチング」の実施、知事の視察などとなっています。
それから29日時点で現状の課題点も報告されています。
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県税等の減免措置、災害ボランティアセンターの設置、災害救助法の適用、排雪作業の緊急実施などが発表されていました。詳しくはHPをご確認ください
埼玉県
埼玉県では八潮市の道路陥没に関する交通規制の情報が発表されています。
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陥没地域は八潮市の県道松戸草加線中央一丁目交差点内と発表が出ています。近隣を通行される方はう回路をご確認ください。
また、下水道の使用制限についてお知らせが出ています。関係各所で調査対応をおこなっているようですが、救助活動が難航しており復旧まで時間を要する見込みです。汚水があふれる可能性がありますので、下水の使用をお控えくださいとのことです。
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使用制限対象となるのは中川流域下水道のようです。範囲が広いので近隣の方はそれぞれご確認ください。対象地域が更新されていることもあります。(1月31日現在)
・さいたま市緑区、岩槻区
・川口市東部
・春日部市
・宮代町
・草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、杉戸町は下記のリンクにまとまっています。
なお、浄化槽を使用中の方は、使用制限の対象ではありません。とありますのでそちらもご確認ください。
2 下水道の使用制限
八潮市内で発生した中川流域下水道での管渠の閉塞について、救助活動が難航し ており、復旧まで時間を要することが見込まれます。 汚水が溢れる可能性がありますので、下水の使用を控えてくださいますよう改め てお願いします。
該当地域は、さいたま市緑区、岩槻区、川口市東部、春日部市(旧庄和町を除く)、 草加市、越谷市、八潮市、蓮田市、幸手市、白岡市、伊奈町、宮代町、杉戸町で、 お風呂、洗濯等の排水を控えてくださるようお願いします。 詳細は、埼玉県ホームページ「中川流域下水道管に起因する道路陥没事故の発生及 び下水道の使用制限について」からご確認ください。
石川県
石川県では記者会見がありました。能登半島地震に伴う公費解体加速化プランの改定ということで、公費解体数の増加にともなう見直しというような内容となっています。
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公費解体が2000棟ほど増加し、それにともなうスケジュールの調整と解体の処理体制の拡充などが報告されていました。また、和倉温泉の護岸整備について2月3日より県で工事に着手とのことで報告されていたようです。
また、豪雨被害の状況報告が発表されていました。全壊82棟と減少し半壊は597棟と増加しました。避難者は124名と少し減少しました。
各市町
輪島市からは豪雨被害に伴う上下水道の特別減免措置や被災家屋の解体撤去等についてのお知らせと、市税の納付に係る期限の延長、お住まい四阿健などの補助金についてのお知らせが出ています
珠洲市からは第3回の地区住民意見交換会の議事が公開されています
穴水町からは給水情報のお知らせと町議会だよりが更新されています。
能登町からは国民健保などの負担金免除のお知らせと、営業再開支援補助金、なりわい再建支援補助金のご案内がでています。
その他ニュース
今回の八潮市の道路陥没のニュースを見ながら2019年の房総台風での停電と武蔵小杉の浸水を思い出しました。普段便利なインフラも災害にあえば止まることがあります。しかも2,3日とかであれば想定ができますが超えてくると結構困ったことになります。停電の時は夏場で水道なんかもポンプだと止まったり、水害だと排水ができないという問題が起きました。
そして今回の下水管の破裂はついこないだといっても1年前の能登半島地震でも起きていたことで復旧に半年以上かかってたところもありました。こういう時に井戸水や浄化槽だと大丈夫だったりすることがあります。とはいえ上水道や下水道であれば復旧もまとめて行えますが、井戸や浄化槽が被災した場合は個別対応となるので時間がかかることもありえます。都市ガスとプロパンガスもそうですね。
それぞれあれば緊急時も対応しあっていけますが、都会のように人が多いとそうもいきません。電気だけであれば発電設備でまかなえますが、水道となると物理的にも難しい気がします。密集地域での災害リスクについて考えさせられるものがあります。今後の進展についても気になるところですね。