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ことのね(5)面白い

面白きこともなき世をおもしろく-すみなすものは心なりけり

「面白きこともなき世をおもしろく」は、おおむね「もともと面白くも何ともない《この世》を面白く生きるかどうかは心の在りよう次第だ」という趣旨と理解される句。高杉晋作の辞世の歌として一般に知られる。

実用日本語表現辞典

高杉晋作氏の辞世の句として知られる言葉ですが、上の句で済んでしまうと意味が変わりますね。面白くない世の中を変えてやろうみたいな

この「面白きこともなき世をおもしろく」は、通俗的には「このつまらない世の中を、私が面白くしてみせる!」という野心的な標語・スローガンとして用いられることがある。一般的には、こうした解釈は曲解・翻案・パロディ・二次創作の類と捉えられ、作者高杉の作意とは切り離して扱われる。

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上の句だけ印象に残りやすいので仕方ないんですが、書いてる自分が実はそう勘違いしていました。今調べながら書いててそうだっけと反省中です・・

「面白きこともなき世をおもしろく」は、「面白きこともなき世をおもしろく / すみなすものは心なりけり」という短歌の上の句である。高杉が上の句を作り、それを受けて歌人・野村望東尼が下の句を詠んだ(連歌である)とされる。

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選挙

それで今10月26日で衆院選の最中ですが、ちょっとふわっと感じたことがあったのでまとめておこうかと思ってこのノートとなりました。書いていくうちに言葉の語源を探ることになったので、ことのねシリーズにすることにしました。
さて、衆院選ですが選挙に興味がある人がどの程度いるのでしょうか。調べてみると総務省発表では

国政選挙の投票率は、令和3年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では、55.93%、令和4年7月に行われた第26回参議院議員通常選挙では52.05%となっています。

国政選挙における投票率の推移

ということで有権者のうち半分くらいの人は投票に行くようです。地方選挙だと令和6年の東京都知事選挙は投票率60%、同日の鹿児島県知事選は45%、また令和の統一地方選挙は集計中のようなので平成31年の統一地方選挙を見ますと、以下のとおりで50%弱という感じのようですね

今回の統一選挙における全国平均投票率は道府県議会議員選挙44.02%、知事選挙47.72%、指定 市議会議員選挙43.28%、指定市長選挙50.61%、市区町村議会議員選挙46.07%、市区町村長選挙 47.25%である。 女性の平均投票率は、すべての選挙において男性を上回った。

ということで有権者のうち半分くらいの人は選挙に行かないということですね。そこの是非は今回は主題でないので触れませんが、興味がある人は半分くらいもしくはそれ以下だということかなと思います。

それでこの前、社内で選挙について雑談しているのが聞こえてきたんですね。
今回面白そうなところがないんだよねという会話でした。○○党と△△党と□□党しか自分の選挙区出てなくて面白くないとか、かといって別のアレはやばいらしいよとかそういう会話です。もう一人は選挙行くのも面倒だし、投票しても何も変わらないしなーみたいな感じで。

それで投票についてはざっと見てもなぜ投票率が上がらないのかとか上げるにはどうするかとか活動だったり調査されているところも多いです

突き詰めていくとまた違うのかもしれませんが、ただ見ていくと投票しても変わらないというのが一つ理由としてあるんだろうなというのが個人的な理解です

また、小泉旋風と呼ばれた郵政解散以降からはポピュリズム的な要素も増えてきました。アメリカのオバマ政権の時にも出てきましたが、チェンジや改革、というワードで今だと若さや新しいなんかもワードとして出てきますね。これはつまり、変わりそうという期待感があるんだろうという気がします。

それでこの変わりそうというのが「面白そう」ということでもあり、変わらないというのが「面白くない」ということでもあるんじゃないのかなと。

面白く

それで面白いってなんだろうなと思い、ちょっと辞書で調べてみました

面白いは英語ではこの場合interestingになりますね。interestingは形容詞で元は名詞のinterestになります。名詞interestは興味・関心をあらわす言葉ですが、中世では利益をあらわしていたようです。

ラテン語のinterest(「重要である、違いが生じる」を意味する、関心を持つ、差をつける、重要であるという動詞interresseの三人称単数現在形)が名詞として用いられたものです。
このラテン語は文字通り「間にあるもの」を意味し、inter(「間」、関連語参照:inter-)とesse(「存在する」、語源参照:*es-)で構成されています。

interestの意味

それをさらにさかのぼると、重要である、違いが生じるとなり、そのもとはinter-とesseで間に存在するという意味だったようですね

それから日本語「面白い」についても見てみます。さいわい「言の葉」のときに解説してくれていたこちらのサイトに「面白い」の記載があります。

「面白い」には有名な語源説があります。9世紀の「古語拾遺」に載っている、天岩戸の物語がそれです。

 天照大神が岩戸に隠れ、世界が暗くなった時、神々が岩戸の前で歌舞音曲を催しました。無事に天照大神を岩戸から誘い出すと、天が晴れてお互いの顔が見え、〈面、皆明し白ろし〉という状態になりました。一同は〈手を伸べて歌舞〉しました。

分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明

いわゆる天岩戸伝説から来ているという話ですね。

大野の言うとおり、「面白い」は、もともと、ものや景色の様子をプラス評価する形容詞でした。「万葉集」では、縫った袋、夜空を渡る月、旅先の山、野原、人の様子などに「面白し」が使われています。今でも「この庭は面白い」と言います。このようなプラスの評価性形容詞が、後にプラスの感情も表すようになったのです。

 大野説は、なかなか説得力があります。ただ、〈目の前がパッと明るくなる〉のであれば、「面白い」ではなくて「面前(おもまえ?)白い」とでもなるはずです。「前」という要素はどこからやって来たのでしょう。

分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明

ただこの説については疑問も書いています。

私としては、「面白い」の「面」は「顔」、「白い」は「パッと明るくなる」と解して差し支えないと考えます。つまり、きれいな景色などを見て、顔がぱっと輝く感じがする、ということです。

 現代語では、「顔を輝かせる」と言えば「うれしさを顔に表す」という意味です。

分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明

それで筆者としては、目の前が明るくなったのではなく、顔(の表情)がパッと明るくなる様子から来たと推定しています。

違い

日本語の面白いと英語のinterestingは語源からの流れてとしては異なっていますが、それが意味していたところは似ています。また、古語の「をかし」は興味深い、面白いですし、意味や状態としては近いことをあらわしているんだろうと思います。英語funnyなんかも訳すると面白い、おかしいとなるので似ていますね。

私はもともと関西育ちで大学生の時まで関西にいて、そのあと就職難民で東京に出てきたようなクチですが、千葉の地元民だけの中に混ざると感じるのは笑いに対する感覚というかそういうところが違うなと感じるんですね
その時に、笑いに厳しいみたいなことを言われたことがあって、ちょっと笑いに対する哲学ではないですが本を読んだり考えたことがあります

それで簡潔に言えば、笑いとは違うから笑ってしまうんですね。たとえば自分の思っていたこととか。ある日に父親が誕生日プレゼント買ってきた。でも誕生日は今日じゃなくて来週だよみたいな。違って、気が付いて、安心すると笑うというのが一つのパターンなんですね。聞き間違いとかで起きる笑いとかもそういうものの一つです。

それで面白いも同じようなものなんじゃないかなと。興味が引かれるから面白いなんですが、これは違うから生じているんでしょう。inter-esseは間に生じるからきています。
そして違うときに関心を持つ。何だろう?なんでだろう?これが利益を生んだりプラス要素になりそうだとinteresting!面白いと感じるってことかなと語源からは思いますし、日本語の面白いも、顔がパッと白くなるですから、同じ状況をあらわしているのではないのかなと。

つまり、違わないと面白くないし、違いそうであれば面白そうということになります。
でも中には変わったら困ることもありますね。今日は晴天、明日は大雪、あさっては熱波では死んでしまいます。株価は明日暴落、あさって暴騰も部外者は面白いですが、その人たちは面白いどころではありません。

つまり、面白なくないものはつまらないと思われたりしますが、大事なことや続いてほしいことは面白くないということでもあります。仕事で毎日やらないといけないことは面倒ですけどやらないわけにもいきませんね。なので面白くないからたまにはやり方を変えてみるかというのは正しいかもしれません

違わないものも必要だけど、違うものも必要。書いてしまえば当たり前です。名コンビというのはそれぞれが違うから成り立っていて、でもずっと違うままだからいつまでも面白い。選挙が面白くないのは変わらないと思っているからですが、色んな意見があって同じところと違うところがあるなと思えば面白いなと思えるんじゃないのかな。演歌とロック、水彩画と切り絵、和食と中華、着物とスーツ。

変わったら面白くなくなるものと、変わらないと面白くないもの。バツイチだと書いてて耳が痛くなってきましたが、変わらないことも必要だけど、違うということもまた必要なことだなと思いました。

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