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わてノート 能登半島 被災・復興状況などまとめ(12月28日)

年の瀬、年末寒波のニュースが出ていますね。忘年会シーズン、今年は9連休のようで帰省や旅行など交通機関を利用される方も多いかと思いますが気を付けて過ごしたいところです。
それでは年内最後の状況確認をしていきます。

能登半島被害復興状況まとめ(12/27)

  • 人的・住家被害

    • 人的被害・地震 死者483名 重傷378名(12/24)

    • 人的被害・大雨 死者17名(石川県16名 熊本県1名)重傷2名(12/24)

    • 住家被害

      • 地震 全壊6445棟(新潟、富山、石川) 半壊23225棟(新潟 富山 石川 福井)(12/24)

      • 大雨 全壊110棟(石川)半壊576棟(12/24)

    • 避難者数:地震 53→41名、(大雨)389→244名(12/24)

  • ライフライン

    • 上水:(地震)5月末で立入困難な地域等の一部地域(約700戸)を除き水道本管が復旧(8/27)、(大雨)132戸が断水(11/26)

    • 電力:(地震)安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等を除き 復旧(4/2)、(大雨)石川県内の停電は、安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等(※)を除き復旧(11/01)

    • 都市ガス:大雨による被害なし

    • LPガス:(地震)2月末に応急復旧完了、通常出荷体制に移行。(大雨)土砂崩れや、家屋倒壊によるボンベ流出が発生所在確認済(10/18)

    • 通信:(地震)固定回線 インターネット・アナログ電話150回線に影響、携帯電話基地局、KDDIで1局 ソフトバンクで2局影響(12/24)
      (大雨)固定回線 復旧、 携帯電話基地局、NTTドコモで4局、KDDIで8局 ソフトバンクで4局、楽天モバイルで3局影響(12/24)

    • 地上波:(大雨)(地上波テレビ)(ラジオ)すべて復旧済み(ケーブルテレビ)1490世帯が断線などの被害(11/26)

  • 交通インフラ

    • 能越道:(のと里山空港 IC~徳田大津IC)対面通行可(9/10)

    • 補助国道: (地震)40 区間通行止めのうち 36区間(約 9 割)復旧 現在 1路線 4区間で通行止め、(大雨)1路線5区間通行止め(11/26)

    • 都道府県道等 :(地震)3 県 145 区間通行止めのうち 137区間(約 9割)復旧 現在 8区間で通行止め(大雨)13区間通行止め(12/24)

    • 鉄道:(地震)JR七尾線 2/15 から全線運転再開、のと鉄道 4/6全線開通(7月20日より通常ダイヤ)(大雨)羽越線10/5夜再開

    • 航空:(地震)のと空港 民航機運航再開(1/27)(4/15から毎日運航)(12/25から1日2往復)

  • 砂防土木

    • 河川:(地震)応急対策実施済み(大雨)最上川で農地浸水発生(解消)、石川県28河川で浸水被害発生しほぼ解消、町野川で2か所堤防決壊し緊急応急復旧工事を完了、河原田川緊急応急復旧工事を完了、その他5河川で権限代行による応急復旧工事を実施中(12/24)
      土砂災害:(地震)456 件(新潟県 18、富山県 14、石川県 424)、(大雨)272 件(宮城県 1、山形県 1、新潟県 2、石川県 267、熊本県 1)(12/24)

    • 港湾 七尾港:(地震)8岸壁中3岸壁が利用可能、輪島港:1岸壁が利用可能、飯田港:2岸壁中1岸壁が利用可能、小木港:5岸壁中5岸壁が利用可能、輪島港は大雨影響で土砂流入(12/24)

  • 住宅・医療

    • 住宅仮設:(地震)6882戸着工、6824戸完成(12/24)

    • 下水:(地震)下水道本管は立入困難な地域等の一部地域を除き確保済み(珠洲市の立ち入り困難な一部地域を除き)(5/28)(大雨)輪島市と珠洲市の一部で被害あったが機能確保済み(10/10)

    • 宿泊施設:(地震)石川、新潟、富山、福井、岐阜の宿泊施設で被害

    • 医療機関:(地震)石川県の医療機関において全施設断水解消(4/5)(大雨)3施設で被害があったが復旧済み(9/23)

    • 社会福祉施設:(地震)高齢者施設断水9か所、障がい者施設断水3か所停電1か所(7/30)(大雨)障がい者施設の断水解消(11/01)児童福祉施設で停電解消、134施設の断水復旧済み、64施設で建物被害復旧済み(12/24)

  • 農林水産

    • 農林水産:(地震)長野、石川、新潟、富山、福井、岐阜で被害、(大雨)秋田、山形、新潟、石川、福岡、広島、佐賀、長崎、熊本、大分で被害

    • 防災重点農業用ため池:(地震)新潟県1か所、富山県11か所、石川県 280か所、福井県1か所で堤体に損傷、(大雨)石川県 73か所(11/01)

    • 農業集落排水施設:(地震)被害あり新潟県11か所、富山県20か所、石川県72か所

    • 廃棄物処理施設関係:(地震)石川県、し尿処理施設2施設仮復旧、焼却施設など全復旧、最終処分場7施設停止し2施設復旧、新潟県焼却施設すべて復旧

内閣府

内閣府からは被害状況の更新がありました。

地震による被害状況から見ていきます。
人的被害は災害関連死が増えて483名となりました。重傷者も増えて403名です。全壊は6445戸半壊は23225戸でまだ変動があります。

避難者は減少しましたが41名、応急仮設住宅は着工済み6882戸に対して完成が6824戸です。年内めどとなっていましたが一部は来年となり避難所で年越しの方も居られそうです。

その他に変化があったのは都道府県道で4区間復旧し残り8区間が通行止めです。補助国道は国道249号の4区間が通行止めです。
航空では12/25より能登空港で1日2往復となりました。これで震災前と同じとなります。港湾関係では七尾港、和倉港、宇出津港で本格的な復旧工事が始まりました。

大雨による被害状況はあまり変化ありませんでした。
全壊戸数は110戸半壊戸数は576戸で少し減少しました。避難者は244名と減少しました。あと、携帯電話回線でいくつか改善がありました。

国土交通省(北陸)

国交省からは地震発生から1年間の取り組みのとりまとめが発表されていました。


北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)

輪島港の浚渫や隆起した海岸に仮設道路を設置、能越道のと里山海道の復旧などですね。

あまり出てないデータとしては小木港の水揚げ量の推移やバス輸送人員の推移で復旧には向かっているのは分かりますね。災害復旧工事は7月から増加し始めたようです。それとともにボランティアの累計数も落ち着いていましたが9月の大雨を受けてまた増えています。

北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)
北陸地方整備局の取り組み 発生から1年の取り組みのとりまとめ(R6.12.24)

雪はレーダーを見るとやや落ち着いたようにも見えますが、引き続きご注意ください

石川県

県からは記者会見がありました。

1年ということで復旧復興の進捗状況についての発表ですね。

(石川県)知事記者会見(令和6年12月26日)
(石川県)知事記者会見(令和6年12月26日)
(石川県)知事記者会見(令和6年12月26日)
(石川県)知事記者会見(令和6年12月26日)
(石川県)知事記者会見(令和6年12月26日)

避難者はだいぶ減りましたがその解消に向けての取り組みと、応急仮設住宅については地震向けは完成済みで大雨被害向けについては着工済みで完成は3月末までとなっています。

公費解体や豪雨の泥出しボランティアは予定通りのようです。またなりわい再建や雇用調整助成金等については継続延長を求めていくとありますね。農地関係では豪雨で400haの農地に被害がありましたが、冬をまたいで来年5月までに約170haの農地復旧を目指すとあります。

各市町

輪島市からは豪雨災害に伴う上下水道の申請による減免措置が実施される旨がでています。また、復興まちづくり計画についてのパブリックコメントの募集も出ていますね

珠洲市からは地震と豪雨によるお住まいの修繕の助成の案内がでています。また珠洲市復興計画(案)に関するパブリックコメントの募集もでています

志賀町からは被災された方の医療機関での減免措置についてのお知らせが出ています

穴水町からは寺社等の地域コミュニティのための施設の復旧のための補助金制度のお知らせがあります。また被災した方の国民健保や後期高齢者医療などの一部免除のお知らせと穴水町復興計画についてのお知らせが出ています。復興計画のドキュメントは70ページくらいありますね。

能登町からは固定資産税の減免措置についてのお知らせと復興推進委員会が行われ能登町復興計画(最終案)が発表されています。こちらも本編90ページくらいあります。また事業者支援で街の補助金制度のご案内もでています。

七尾市からは広報ななおが公開されています。また復興プラン(案)もでています。

その他ニュース

被害の大きかった輪島市や珠洲市では復興計画のパブリックコメントの募集が行われ、穴水町や能登町では復興計画の最終案がでてきました。1年たって緊急復旧から本格復旧、今後の復興計画へと進んでいく段階になっていくようです。

日本は災害国でありながらも大きい国で大規模な災害でも3,4か月で緊急復旧が行われるくらいの国です。しかしそのあとの復旧はゆっくりと進んでいくので変化が分かりにくくなるので次第に情報が衰えがちです。ただそれは前を進んでいくには必要なことでもあります。

変化するものは人の注目を集めやすくショート動画などが流行するのも当然の流れですが、そうした流れについていけない事やゆっくりとしか進まないものもありますね。大事なのはそれでも着実に進むことや少しずつでも成長、変化していくことに気が付いたり実感することなのかなとも思います。

正直今年の正月にニュースを見た時にここまで大きな被害で時間がかかるとも思っていませんでした。それは見た目の死者数や災害戸数が思ったより少なかったことによります。阪神淡路や東日本ではインパクトのある映像が多かったですからね。見た目にだけとらわれてはいけませんね。

作ったものはいずれ無くなりますが、失った代わりに得るものもあるかもしれません。進んでいないように見えても別の角度からは進んでいることが分かることもあります。新しい来年は今より能登が復興し前に進んでいることを引き続き願っています。

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