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わてノート 能登半島 被災・復興状況などまとめ(25年1月4日)
新年あけました。今年はなんか暖かい正月ですが、青森・北海道から北陸地方などで豪雪となっているところもあるようです。これだけ雪が降ると屋根に積もった雪を下ろさないといけないのですが、雪下ろし中の事故も相次いでいるようです。
来週の7日から9日にかけて寒波も到来する予報がでていますので引き続き気をつけたいですね
年末年始で復興情報の更新はありません。震災から1年ということで先週取り上げきれなかったものをとりあげています。また新聞社でも社説がでていましたのでそれらをまとめました。
能登半島被害復興状況まとめ(12/27)
人的・住家被害
人的被害・地震 死者483名 重傷378名(12/24)
人的被害・大雨 死者17名(石川県16名 熊本県1名)重傷2名(12/24)
住家被害
地震 全壊6445棟(新潟、富山、石川) 半壊23225棟(新潟 富山 石川 福井)(12/24)
大雨 全壊110棟(石川)半壊576棟(12/24)
避難者数:地震 53→41名、(大雨)389→244名(12/24)
ライフライン
上水:(地震)5月末で立入困難な地域等の一部地域(約700戸)を除き水道本管が復旧(8/27)、(大雨)132戸が断水(11/26)
電力:(地震)安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等を除き 復旧(4/2)、(大雨)石川県内の停電は、安全確保等の観点から電気の利用ができない家屋等(※)を除き復旧(11/01)
都市ガス:大雨による被害なし
LPガス:(地震)2月末に応急復旧完了、通常出荷体制に移行。(大雨)土砂崩れや、家屋倒壊によるボンベ流出が発生所在確認済(10/18)
通信:(地震)固定回線 インターネット・アナログ電話150回線に影響、携帯電話基地局、KDDIで1局 ソフトバンクで2局影響(12/24)
(大雨)固定回線 復旧、 携帯電話基地局、NTTドコモで4局、KDDIで8局 ソフトバンクで4局、楽天モバイルで3局影響(12/24)地上波:(大雨)(地上波テレビ)(ラジオ)すべて復旧済み(ケーブルテレビ)1490世帯が断線などの被害(11/26)
交通インフラ
能越道:(のと里山空港 IC~徳田大津IC)対面通行可(9/10)
補助国道: (地震)40 区間通行止めのうち 36区間(約 9 割)復旧 現在 1路線 4区間で通行止め、(大雨)1路線5区間通行止め(11/26)
都道府県道等 :(地震)3 県 145 区間通行止めのうち 137区間(約 9割)復旧 現在 8区間で通行止め(大雨)13区間通行止め(12/24)
鉄道:(地震)JR七尾線 2/15 から全線運転再開、のと鉄道 4/6全線開通(7月20日より通常ダイヤ)(大雨)羽越線10/5夜再開
航空:(地震)のと空港 民航機運航再開(1/27)(4/15から毎日運航)(12/25から1日2往復)
砂防土木
河川:(地震)応急対策実施済み(大雨)最上川で農地浸水発生(解消)、石川県28河川で浸水被害発生しほぼ解消、町野川で2か所堤防決壊し緊急応急復旧工事を完了、河原田川緊急応急復旧工事を完了、その他5河川で権限代行による応急復旧工事を実施中(12/24)
土砂災害:(地震)456 件(新潟県 18、富山県 14、石川県 424)、(大雨)272 件(宮城県 1、山形県 1、新潟県 2、石川県 267、熊本県 1)(12/24)港湾 七尾港:(地震)8岸壁中3岸壁が利用可能、輪島港:1岸壁が利用可能、飯田港:2岸壁中1岸壁が利用可能、小木港:5岸壁中5岸壁が利用可能、輪島港は大雨影響で土砂流入(12/24)
住宅・医療
住宅仮設:(地震)6882戸着工、6824戸完成(12/24)
下水:(地震)下水道本管は立入困難な地域等の一部地域を除き確保済み(珠洲市の立ち入り困難な一部地域を除き)(5/28)(大雨)輪島市と珠洲市の一部で被害あったが機能確保済み(10/10)
宿泊施設:(地震)石川、新潟、富山、福井、岐阜の宿泊施設で被害
医療機関:(地震)石川県の医療機関において全施設断水解消(4/5)(大雨)3施設で被害があったが復旧済み(9/23)
社会福祉施設:(地震)高齢者施設断水9か所、障がい者施設断水3か所停電1か所(7/30)(大雨)障がい者施設の断水解消(11/01)児童福祉施設で停電解消、134施設の断水復旧済み、64施設で建物被害復旧済み(12/24)
農林水産
農林水産:(地震)長野、石川、新潟、富山、福井、岐阜で被害、(大雨)秋田、山形、新潟、石川、福岡、広島、佐賀、長崎、熊本、大分で被害
防災重点農業用ため池:(地震)新潟県1か所、富山県11か所、石川県 280か所、福井県1か所で堤体に損傷、(大雨)石川県 73か所(11/01)
農業集落排水施設:(地震)被害あり新潟県11か所、富山県20か所、石川県72か所
廃棄物処理施設関係:(地震)石川県、し尿処理施設2施設仮復旧、焼却施設など全復旧、最終処分場7施設停止し2施設復旧、新潟県焼却施設すべて復旧
国土交通省(北陸)
国交省からは地震発生から1年間の取り組みのとりまとめが発表されていました。これを見ると復興作業の進みが分かりやすいですね。こういう風になんらか見えるかするのが大事かなと思いましたが、詳細情報は入手できないのでそこが個人で行うには限界がありそうです
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港や道路は先週取り上げました。それ以外として、復旧作業従事者への宿泊場所の確保の推移です。1月時点は14施設だったものが3月に59施設、10月に119施設と拡大しました。宿泊者数を見ると5月にへこんでいるのはその時点である程度応急復旧が終わっていたものと思われます。予算の関係もあるかもしれません。そのあとの山は豪雨被害に伴うものと本格復旧の関係したものかと思われます。
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結構気にしてみていた水道です。上水道に関しては5月末時点で立ち入りが難しい地域を除いて復旧となりました。断水解消区域は上図の青色部分ですね。ただ今でもニュースなどで水道が使えないということが聞き漏れてきますので、それは復旧困難地域に当たっているところでまだ解消されていないのかなと思います。
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各自治体の復興まちづくり計画です。穴水町や能登町、七尾市は先週に案が公開されていましたが、輪島市、珠洲市もこれから案が出てくるようです。公開タウンミーティングなど行っていましたが、時間的には今年度で終了して案の作成となるようですね。
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和倉温泉の状況です。和倉温泉では護岸が被災し応急復旧は終わっていますが、12月20日から本格復旧に入っています。ただ、その影響で営業再開しているのは4軒にとどまっているようです。
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9月の豪雨被害で被災した河川です。これらは権限代行で復旧工事が行われます。輪島市や珠洲市が主ですね・・
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避難者の推移や応急仮設住宅の着工数です。避難者はだいぶ減りましたが大雨などもあり避難所で年を越された方もいるようです。仮設住宅は先週に全戸完成済みと発表がありました。熊本地震の時を見ても発生から4か月から6か月はかかるものと思っていた方がよさそうです
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インフラ関連で道路の通行止めの箇所の推移です。緊急輸送に使う道などは3月までに解消されて、そのあとは夏に向かって通行止めが解除されてますね。解体は7月くらいから始まって進んでいますがこちらは2年計画だったと思うのでまだかかりそうです。
新聞各紙
大手新聞社では能登半島地震1年について社説が書かれていました。
日経新聞は災害関連死を踏まえて書かれていました。避難生活の質を上げる取り組みとして遠隔地避難の制度の重要性。インフラが寸断されて地域が孤立したことで井戸水や衛星通信、再生可能エネルギーなどを活用した地域循環型システムについても触れられています。
読売新聞は応急仮設住宅が原則2年しか住めないことを踏まえて、家を失った住民がどこで暮らしていくかについて書かれています。災害公営住宅の整備はこれからですが、場所や住宅のタイプが決まらないと自宅の再建か公営住宅に入居するかも判断できないので急がれるとしています。
産経新聞は能登半島地震は今後の日本で起こりえる震災の縮図と捉えるべきとしています。特に今回の能登のように津波を引き起こす活断層の調査を急ぐべきとしつつも、自治体のハザードマップの確認や避難場所を実際に確認しておくのも重要だと書かれています。
毎日新聞は高齢化を背景に耐震化が進まずまた人手不足により復旧に時間がかかることを取り上げています。その対策のカギとして関係人口の創出と拡大が挙げられていて奥能登出身者による被災地支援の団体を紹介しています。
朝日新聞も高齢化と過疎化が進む課題があった地域としつつも立て直しを図る人々に焦点をあてています。それらは復興を支えるNPO法人や、情報通信関係の民間企業から集まった人々、福祉サービスなどを担う福祉法人などで災害法制に福祉と民間も加える必要性について述べられています。
それぞれ角度は違いますが、1年たって緊急対応から復興へ向かう途中での避難生活や今後の住宅についての「住」や、復興に関する人々の協力が必要という「人」について書かれていてまだ復興途上ということかなと思います。
年末に新聞記事を読んでいて気になったのは日経新聞のこちらの特集記事。奥能登の集落について震災前と比べると半数近くが地区外に離れているということが分かりました。これらは一時的な避難なども含んでいるので人口台帳にはでてこないとのこと。
記事内にもありますが、実際石川県では「創造的復興」という復興計画案を発表しています。これは2地域居住など関係人口の拡大に重点を置いたものでしたが、震災前から進んでいた過疎化の流れも踏まえてのことなのかなと思います。
そして今後、復興してきたと感じられるのはいつになるのか。これは人それぞれだと思いますが、一つは文化的な生活を送れた時になるのかなと思いました。
細かいところは年末年始になんとなく考えていたことなので別稿としますが、のとじまの水族館に行くとか、金沢の映画館にいくとか、桜の季節に花を見るとか、そういう贅沢でもないけど文化的なことができた時に復興を感じられるのかなと。文芸や漫画やアニメでもありですけど日常に近いのでこれらは日常的文化かもしれません。
そういう意味では能登半島では「キリコ」という伝統の灯篭が練り歩く祭りがあるそうです。昨年も行われたところがありますが、今年もしくは来年以降に祭りを催して、その時に今は離れている人々も戻ってきて一緒に夏祭りや神楽太鼓を行うときに、復興した「生活」だと感じられるのかもしれませんね。