ゆる不妊治療144 帝王切開当日3
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※手術中のリアルな描写が気持ち悪いかもしれません。すみません。※
手術台に上がると、助産師さん看護師さん3名くらいがテキパキと準備を進めてくれる。
先ほどの男性医師が来て、麻酔の体勢を取るように言われる。これがめちゃくちゃキツい。
横向きでぽんぽこのお腹を抱えるように卵形に体を丸めてなるべく腰を突き出す。それを看護師さんが動かないように固定してくれる。突き出せば突き出すほど麻酔がやりやすいみたいだから出来れば突き出したい。でもお腹をこれ以上潰せない。べびちゃんも苦しそうだし、わたしも苦しいー!
ずっとキツい体勢をしていて汗がツーッと流れてきた。「一旦元に戻していいですよ。」と言われて元に戻る。だけど何もされてない。確認だけだったようだ。
そしてまた麻酔の体勢をとる。同じように何度も確認され「はい、いきますよ。動かないでくださいね。」と言われ、プスッと打たれる。やっと終わったと思ったら「一旦元に戻していいですよ。今のは麻酔が切れた後に使う麻酔です。無痛分娩の時にも使うものですね。次は本番の麻酔をいきます。また体勢取ってください。」と言われ、また麻酔の体勢を取る。
もうこれだけでクタクタだ...。
無事に麻酔が終わり仰向けになる。すぐに胸から下の感覚がぼや〜っとしてきて冷たいガーゼのようなものを当てられ「ここは冷たい?ここは?ここはどう?」と確認される。
ん?早くてよく分からない部分があるけど淡々と進められて怖い!もうちょっとちゃんと確認して!術中に痛いとか無理ー!
とか思ってる間に足の感覚が全くなくなる。お股の消毒をされてるらしいけど全然わからない。
体が揺れるから何かされてる感覚はあるけどどこが触られてるか全く分からない。
この辺りから、半身麻痺ってこんな感じかな。自分の体が半分ないみたい。怖い。眠らせて欲しい。すごい怖い。という気持ちでいっぱいになる。
準備はどんどん進み、首のところの衝立に布が被せられ向こうは全く見えない。
わたしの顔の左隣におばあちゃんの助産師さんが居ることしか見えない。
このおばあちゃんは手を握ってくれたり、頭を撫でてくれたり、「大丈夫?」と様子を聞いてくれたりしながら指示通りに点滴の管理をしてくれてる様子。指示されても何回も聞き直しているし、失礼だけどかなりおばあちゃん過ぎて不安になる。
そして先生が衝立からひょこっと顔を出し「始めていきますね」と言ってきて、「お願いします」と答えると手術が始まった。
正直、お腹を切られてる感覚は全くない。だけどずっと体がぐらぐら揺れてる。両腕は固定されてるけど、下半身は固定されてるんだろうか?固定されてないと落ちそうなくらいぐらぐら揺れる。怖い。何をされてるか全く分からない。体が揺れて怖い。
この産休中にコウノドリの漫画を読んだり、コードブルーの再放送を見たりしていたから術中に飛び交っている専門用語がよく分かる。
何かを吸ってる音もよく聞こえる。怖い。
看護師さん同士が、ガーゼの使った枚数と回収した枚数に誤差がないか確認してる。体内に置き忘れがないかという事なんだろう。だけど枚数が合わなくて何回も数え直してる。先生にも「体内にないですよね?」とか聞いてて怖い。
あとどのくらいで出てくるんだろう。会話のやり取りでは全く進捗は分からない。
すると急に「ほわわ。ほわわっ〜。」と、何とも拍子抜けな声が聞こえて来た。べびちゃんだ。
おぎゃ〜!みたいな泣き声を想像してたのに何その声と少しニヤニヤしまった後に涙が出てきた。あぁ、産まれたんだなぁ。ちゃんと息してるんだなぁ。
身長、体重が測られ別の人が記録してる様子が分かる。また先生がひょこっと顔を出して「聞こえました?」と声をかけてくれ「ありがとうございます」と答えた。