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ゆる不妊治療143 帝王切開当日2

※当日1はこちら



2人で診察室に入ると、最後のエコー検査が始まった。最初の頃に診てもらったことのある、男性医師だ。

「今日はもう大きさは確認しません。逆子のままかの確認だけです。うん、逆子のままですね。羊水の量は...少ないですね。ではあちらで説明をします。」と言われて、身支度を整えて椅子に座る。

先生「まず、どこまでお話聞いているか分かりませんが注意事項をお話しします。38週前の出産はまだ全ての器官が問題なく出来上がっているレベルではない事があります。胎児を取り出して、問題があった場合は治療が必要になります。」
夫「じゃあなぜ37週での帝王切開なんですか?」
先生「それは張り止めを飲んでいるということもあります。また、出来るだけ長くお腹で育ててる間に破水してしまって先に臍の緒が出てしまうと逆子で帝王切開の予定だった場合に助けられる確率はグンとさがります。様々な状況を踏まえて院長判断によるスケジュールとなっています。」
夫「わかりました。」
先生「あと、羊水が少ないですね。お腹を横に切って開きます。さらに子宮を開ける時に羊水が少ないと胎児に傷が付くことがあります。もちろん付かないように進めますし、直接切ってしまうことはないですが、押された跡のようなものが残る事があります。」
夫「わかりました。」
先生「他に何か心配な点はありますか?」
夫「血液型がRHマイナスと言うのが心配なのですが。」
先生「当院では輸血の準備はありません。なので特殊な血液型で心配がある方は総合病院での出産を選ばれます。基本的に帝王切開で輸血が必要になる事はあまりないですが、万が一大量に出血して輸血が必要になった場合は高次医療機関に搬送になります。」
夫「わかりました。」
先生「奥さんは何かありますか?」
わたし「緊張してますし、怖いですし...。特に...大丈夫です。」
先生「まあ、緊張するなっていう方が無理ですからね笑」
こんな感じで最後の診察は終了。わたしは緊張で頭が真っ白だったから旦那が色々聞いてくれてよかった〜。頼りになる。

旦那はここで一旦帰り、10:30ごろ戻るように言われる。わたしは入院部屋に案内され、術前準備に入る。パンツだけ履いたまま手術着に着替える。NSTをし、べびちゃんの元気を確認。点滴を入れ、切開する部分にかかるところだけ剃毛をしてもらう。
動けなくなる前に荷物を広げておこうかと思ったけどここは明日の日中までの仮入院部屋らしいのでスマホの充電器だけセットした。

10:30になり旦那が入院部屋に入ってきた。背中だけが少し開いてるビニールガウンみたいなものを着せられている。
わたし達夫婦は元々立ち会い出産は希望していない。でもビニールガウンを着せられた旦那は「えっ。俺、立ち会わないよね!?」と慌てている。さっきの診察室ではあんなに積極的に質問してくれたんだから着せられる時に聞けばいいのにと笑ってしまったが、べびちゃんを抱っこするために着てるんじゃない?となだめる。慌てる旦那を見て緊張が少し落ち着いた。

心ここに在らずのまましばらく旦那と世間話をしていると助産師さんからトイレに行くように言われ、トイレから出るとそのまま手術室に入るように言われる。え?このまま始まるの?

ぬるっと手術スタートって感じになり、慌てて旦那と最後の挨拶をする。
「リ、リラックスだよ!頑張ってね!」「う、う、うん!行ってくる〜!」

ついに、人生初の出産が始まる。

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