アメリカの注目すべきトレンド From the Alley - 8/25/20
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ロー コード・ノー コード
ロー コード、ノー コードとは最小限のコード又はコードを必要としないソフトウェア開発を行えるプラットフォームのことを指す。同プラットフォームを利用することにより、誰でも簡単にソフト開発ができるようになり、商品やサービスを迅速に提供できるようになる。
上記の通り2018年以降世界中で同プラットフォームに対する人気が急騰している。アメリカではGoogle(AppSheet)、Microsoft(Power Apps)、Salesforce(Lightning)などの大手企業をはじめ、Kissflow、Webflow、Bubbleなどののアーリーステージ企業も提供しているサービスである。デジタルトランスフォーメーション(DX)の深化に連れて、テック以外の業界でも最先端の技術に触れる必要が増えており、「ロー コード・ノー コード」に対する需要増が予期されている。
「ロー コード・ノー コード」の導入は企業だけではなく、起業エコシステムにおける進化も見込められている。なぜならコーディングの知識を持たない起業家でも技術者を雇用せずにSaaSなどのサービス・商品を自ら提供できるようになるからである。これにより、副業者も含んだ起業家数は今後更に増えるだろう。
特にIT業界の人材不足問題に直面している日本では同プラットフォームに対するニーズが強いと考える。日本でDXや起業家支援をいくら進めたとしても、最先端のソフト開発を実現できる人が不足すればイノベーションは成り立たない。日本ではWagby、Web Performer、OutSystemsなどのプラットフォームが多く使われているが、日本発のプラットフォームはまだ少ない。
<参考企業>Google(AppSheet)、Webflow、Wagby
アルコール宅配
アルコール宅配サービスを提供するDrizly社の人気度は、コロナ感染初期時に急増し現在はトレンドが下落しているものの、過去水準に比べると人気を集めており、全体的には上昇傾向にある。
宅配サービスの分野の需要が伸びている中、アルコール販売の宅配サービスは特に注目を集めている。Drizlyは酒屋とユーザーを繋げるマーケットプレイスを提供しており、「Amazonのアルコール版」と言われている。しかし同社はAmazonなどの宅配サービスとは異なり、裏にはユニークなビジネスモデルを活用している。
ユニークな点とは、Drizlyはアルコールを実際に保有せず注文の受領から配達まで一切商品に触れない点である。それを可能としているのはアルコールを販売するお店と提携であり、配達や在庫管理は全て提携先のアルコール販売店に任せている。尚、ユーザーの所在地に近いお店と提携するため、注文の受領から数時間以内でのオンデマンド配達を可能としている。更にユーザーは複数のお店から注文する販売店を選べるため、飲みたいお酒を最安値で購入する事ができる。
日本では酒類販売制度がアメリカと異なるものの、Drizly同様のアルコールのオンデマンド式の配達サービスは存在しない。尚、日本でも上記の通りコロナ状況下でアルコール配達に対する需要が伸びている。更に、日本では10月から酒税が変わり、今後のアルコールに対する需要動向がどう変わるか興味深い。
<参考企業>Drizly
お寿司
アメリカで日本食レストラン(ローカライズされた日本食も含める)は20年以上前から普及している。特にラーメン、お寿司、抹茶、蕎麦、うどんの料理店に対する需要は全米で伸びている。面白いことに、お寿司に対する人気度は引き続き今でも急増している。
アメリカではアジア人が経営する寿司レストランが多く、本格的な握りが食べられるお店はまだ数少ない。尚、「ロール」(巻き寿司)のことをお寿司だと認識しているアメリカ人は多く、どのレストランのメニューでも「ロールセット」が主流である。更に、「カリフォルニアロール」、「ボストンロール」などアボカド、キュウリ、マヨネーズなど様々な具材を組み合わせたロールはアメリカ人に好まれ、大変人気である。
アメリカへ進出を検討する日系企業はこのトレンドを有効活用する方法はいくつかあると考える。例えば、新たなロールの開発やヴィーガン向けの寿司屋(ニューヨーク発のBeyond Sushiが良い参考例)など、色々なアイデアが思い付く。尚、お寿司に特化するクラウドキッチンも今後流行りそうなトレンドだと思う。
<参考企業>Beyond Sushi