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アメリカの注目すべきトレンド From the Alley - 8/18/20
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法律相談サービス
アメリカでも日本でもコロナの影響でオンライン法律相談サービスを求める人が増えている。(オンライン法律相談サービスとは、ユーザーと弁護士がオンラインでマッチングされ、自宅からWeb会議にて弁護士に直接相談できる便利なサービスである。)
アメリカでは、オンライン法律相談サービスを提供する大手のLegalZoomの人気度が過去数年に比べて急増している。人気度の背景にはコロナが原因で労働、遺産相続、不動産などに関連する悩みの増加がある。現在ではLegalZoomが同市場をほぼ支配し、成熟化された分野である。
日本でも国内最大級の法律相談サービス「弁護士ドットコム」に対する人気度がコロナで増加している。
このようなサービスは日本でも以前から存在しており新規性は低いものの、アメリカ同様に同サービスに対するニーズは間違いなくある。法律相談に関連する事業は今後もビジネスチャンスなのだろうか。
プレハブ住宅
アメリカでプレハブ住宅(又はモジュラー住宅)に対する人気度はここ数ヶ月で急増している。面白いことにパンデミック初期は人気度が激落していたものの、3月中旬以降にリバウンドし、現在では過去5年のなかでピークに達している。
驚くこともないが、このトレンドはコロナ感染ピーク時以降の住宅市場の回復に並行している。在宅勤務に伴う都心から郊外への引っ越しによる需要や、ローン金利低下の追い風により、住宅ローン申請件数は前年同期比で33%増えた。一方で経済不振への不安が高まっているため、一般の住宅よりも安いプレハブ住宅への注目が高まっている。
この恩恵を受けるのはプレハブ住宅の設計やデザインを行うKaterra、Plant Prefab、FactoryOSなどのプレハブ関連スタートアップである。これらの企業はSoftbank Vision Fund、Amazon、Autodeskなど、大手テック企業から資金調達を実現しており、同分野で最も注目されているスタートアップである。
日本でもプレハブ住宅に対する注目度が伸びているように見える。全着工新設住宅に占めるプレハブ住宅の割合はここ数年で低下してきたものの、4月よりリバウンド傾向にある。このトレンドがどのくらい続くかは見込みにくいが、アメリカ同様に低価格の住宅物件に対するニーズは日本でも今後増加すると考える。
<参考企業>Katerra、Plant Prefab、FactoryOS
電子署名サービス
電子署名サービスを提供する上場企業のDocuSignに対する人気度がアメリカ、及び日本で急増している。コロナの影響で電子契約の普及が加速しており、DocuSignはこのトレンドの恩恵を大きく受けている。同社の第1四半期の売上高は前年比39%増加し、今四半期で約68,000の新規顧客を追加しており、好調な業績を叩き出している。
パンデミック中に様々な国で電子署名サービスは認められるようになっている。例えばアメリカの労働省(Department of Labor)はDocuSignのサービスを利用してコロナにおける失業給付の支給プロセスを改善した。一方日本では、今年7月から「電子的な印鑑証明にあたる電子証明書のない電子署名も法的に有効」となり契約のオンライン化が進んでいる。
この分野はDocuSign、Adobe、HelloSignなどの複数のプレイヤーが存在し、アメリカでも日本でも参入しにくい分野であるが、両国でのデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進される中で同サービスに対するニーズは今後も増えると考える。