あいまい母音をマスターすること。これが、リスニング上達への道。
こんにちは!なみのリズムのアサコです。
英語の発音を習っても、イマイチ正体がつかめない存在。それが「あいまい母音」ではないでしょうか?
なんて言っているのか「あいまい」なだけに、よく聞こえないし、学校でも教えてもらった記憶がないし…。そんな風に思っている人は少なくないかもしれません。
でも、あいまい母音は、英語の中で一番多く出てくる母音なんです。だから、絶対マスターしておきたい発音です。
学校教材のようなきれいな発音なら聞き取れるけど、カジュアルな日常会話になると、聞き取れなくなってしまう…
そんな人は多いですよね?
その悩みを解決する大きなカギが、このあいまい母音にあるのです。
では、一体あいまい母音とは何なのか?
どうすれば、マスターできるのか?
私なりの説明をしてみます!
1. あいまい母音とは何か
あいまい母音とは、一言で言えば、母音を弱く発音したものを指します。
発音記号で表すと”ə”。
eをひっくり返したような記号です。
次の音声は、あいまい母音の聞こえ方のひとつの例です(わかりやすく、はっきりめに発音されています)。聞いてみてください。
(noteに音声を埋め込む方法がよくわからず、ダウンロード方式になっております…。初心者にてすみません💦)
曖昧母音の発音
実際の発音の仕方についてですが、口をリラックスさせて、どこも動かさずに、のどの奥からつぶやくように発音します(ちなみに、舌の位置を日本語の「ア」を発音するときよりも、下あごの方によせることがポイント)。
ネイティブスピーカーの人たちは、あいまい母音は全てひとくくりの発音として、短母音のʌ「ア」と同じ音としてとらえているような雰囲気ですが…
母音を弱く発音したものですから、「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」のどの音にも聞こえるような響きがある、と私は感じております。
ハッキリめの発音だと「ア」と聞こえるあいまい母音が、カジュアル発音で更に弱い音になると、今度は「イ」に近い音にも聞こえるようになります。
例えば、"but it was too late."という文があるとして、
出だしの"but it"は、「ビディッ」のような音になります。
↓こちらは丁寧な発音バージョンです。
実際はいろんな音に聞こえるのに、発音記号ではひとつで表されてしまってるんですよね。発音記号がひとつだと、まるで「ただひとつの発音」があるような気がしてしまいます。ここが、非常にややこしい。
繰り返しますが、あいまい母音は母音を弱く読んだものですから、様々な音に聞こえることがあるし、はっきりめの発音から弱めの発音まで、結構な幅があるということを覚えておいてください。
2. あいまい母音はどこに現れる?
「あいまい母音は、英語で一番多く使われる母音だ」ということを先ほどお話ししました。
そこで、疑問に感じることはありませんか?
あいまい母音って、一体どこに現れるのかなって。
もちろん、辞書で発音記号を調べたらいいのですが、
それって面倒ですよね^^;
発音を習ったことのある人はわかると思いますが、最初の方で習う「短母音」というやつがあります。
いわゆる "a, i, u, e, o"
例えば、catの”a”(発音記号は”ӕ”)や、hotの”o”(発音記号は”ɑ”)などです。
前者は「エ」と「ア」の中間音、後者は「ア」に近い「オ」のような音で、口を大きく縦に開けて発音するということを習ったかもしれません。
大事なことなので、ぜひ覚えておいていただきたいのですが、
この短母音の発音は、基本的にアクセントがつく場所で使います。
逆に言うと、アクセントのない母音には短母音の発音は用いません。代わりに使うのが、あいまい母音なんです。
たとえば、fam-i-ly。
familyは最初の”a”にアクセントがありますよね。けれども、”i”にはアクセントがありません。
したがって、これを短母音の”i”としてはっきりと発音してはいけないわけです。代わりに、弱ーく、かるーく、発音します。つまり、あいまい母音として発音しなければなりません(もしくは音が脱落します)。
ここまでを一言でまとめると、
アクセントがある所以外の母音は、ほぼすべてあいまい母音に変化するということです(それか、音そのものがなくなりますが、話がややこしくなるのでここでは説明を割愛します)。
あいまい母音化するのは、単語の中の、アクセントのない母音だけではありません。
単語だけで読んだ場合にはアクセントがある場合でも、英文の中で読まれると曖昧母音化してしまう場合があります。
例えば、”ask him"
“him”はこの単語単体で読む場合には、”i”にアクセントがありますよね。
でも、”ask him”とフレーズになった場合、"ask"のaにアクセントが置かれ、一方の”him”は弱く読まれます。
himのiが弱く読まれる結果として、“ask him”の”him”は聞き取りづらくなります。カタカナであらわすと、「アースクム」というような発音になります。
ここまでが基本です。
実は、カジュアルな会話に使われる省エネ発音になると、このあいまい母音が文章中でどんどんと増えていきます。この変化が、多くの人が英語を聞き取れない原因になっているのです。
3. あいまい母音の見分け方~英語のリズムであいまい母音をとらえよう!
文章中に、あいまい母音がどんどん現れてくる。ほぼ全てがあいまいな音になる結果、何を言っているのかわからない…!
こうなってしまうと、状況はより複雑に見えます。
では、どうしたらいいのでしょうか?
実はその最大のヒントに、英語のリズムがあります。
英語は強弱のリズムでできています。
英文の中には、強く読む部分と、弱く読む部分があることはみなさん知っていますよね。文レベルで言えば、重要な単語は強く読まれ、それほど重要でない単語は弱く読まれます。
例えば、Nice to meet you.
このフレーズでは、Niceとmeetが強く読まれます。一方、to とyouは弱く読まれますよね(もちろん、状況にもよりますが)。
この強弱のリズムのうち、弱のリズムのところで現れるのがあいまい母音なのです。
Nice to meet you.
ア あ ア あ (ア…アクセント。あ…曖昧母音)
強のリズムはもちろん、アクセントのある部分です。
ということは、ものすごくおおざっぱに言えば、単語にしろ、フレーズ単位にしろ、アクセントがあるところ以外の母音は、全てあいまい母音になると考えてもらって構いません。
(もちろん、第2アクセントとかありますし、アクセントのない所でも多少強めに母音を発音したりしますから、100%ではないです。でも、それくらいの感覚で支障はありません)
リズムで発音をとらえれば、あいまい母音の変化もバッチリ解決しちゃうんです!
大切なこと。繰り返しますが、それは、発音はリズムによって変化するということです。
あいまい母音は、リズムによって変化した発音の産物なんです。
だから、発音の練習とリズムの練習は、
セットで行わなければなりません!!
リズムを意識した上であいまい母音をマスターすれば、リスニング力も上がりますし、あなたの英語がすごくナチュラルになりますよ。
お役に立てれば幸いです。それでは、また。
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