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英語リスニングが上達しない原因とその対処法

こんにちは。なみのリズムのアサコです。

英語がなかなか聞き取れず、苦労している人は多いのではないでしょうか。

学校教育でもリスニングが重視されるようになり、仕事で英会話が必要な人も増えていると思います。趣味で海外ドラマを字幕なしで見てみたいという人にとっても、リスニングは重要ですよね。

でも、ずっと勉強を続けているのに、なかなか聞き取れるようにならない…。リスニングって難しい!そんな声をよく聞きます。

かくいう私も、10年ほど前までは、英語が全然聞き取れませんでした。けれど、試行錯誤して聞き取れない原因を突き止めた結果、リスニングに自信が持てるようになりました。英語を聞くのが今ではとても楽しいです^^

この記事では、リスニングができない原因とその対処法について説明しています。ほかにも記事を書いていますが、これさえ読めば、何をすればいいかがわかるように書いた保存版です。ぜひ参考にしてください。

<目次>

  1. 1. リスニングができない原因は何か
    1-1. 原因①日本語の感覚で英語を聞いているから
    発音の問題
    メロディーの問題
    リズムの問題
    1-2. 原因②文字情報に頼った学習ばかりしているから
    1-3. 理解スピードが遅すぎる

  2. 2. リスニング、間違った学習法と正しい学習法
    2-1.自己流の読み方による音読練習はNG
    2-2.英文スクリプトに頼ったリスニング学習はNG
    2-3.英語を聞いて日本語訳を思い浮かべるのはダメ

  3. 3.正しい学習法とまとめ

1. リスニングができない原因は何か

リスニングができない原因は大きく分けて3つあります。ひとつは、日本語の感覚で英語を聞いているから。2つめは、視覚(文字情報)に頼った勉強ばかりをしていて、耳から直接英語を理解することに慣れていないから。もうひとつは、英語を理解するスピードが圧倒的に足りていないからです。

それぞれの原因は相互に関連していますが、ふたつめのような状況になってしまうのは、

日本語の感覚で英語を聞くために、英語の音が聞き取れない
→聞き取れないので、文字情報に頼って英語を理解せざるをえなくなる
→リスニングにますます苦手意識を持つようになる(悪循環)

という流れがあるからだと思います。それではひとつずつ説明していきます。

1-1.原因①日本語の感覚で英語を聞いているから。

英語の音が聞き取れないのは、日本語を聞く感覚で英語を聞いているからだと言いました。では、なぜ日本語を聞く感覚で英語を聞いてはいけないのでしょうか?

言語にはそれぞれ独自の特徴があります。言語の特徴として、大ざっぱに発音メロディーの2つがあると考えてください。同じ言語とは言え、英語と日本語の発音とメロディーは大きく異なります。ここで、日本語の感覚で英語を聞いたらおかしなことになるわけです。

例えば、同じ音楽であっても、演歌とジャズとでは全く曲調が違いますよね。リズムにしても、3拍子と4拍子では随分と違います。3拍子の曲を4拍子で聞こうとすれば、ズレズレになってしまいます。日本語の感覚で英語を聞くというのは、それと似たようなものだと考えてください。

ここで、英語と日本語の発音とメロディーのちがいについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

発音の問題

日本語の発音しか知らない状態で英語の発音を聞けば、英語の発音を聞き分けるのに苦労します。例えば、LとRや、BとVが聞き分けられないとか。これはみなさんも経験があることではないでしょうか。

これらを日本語の感覚で聞くとちがいがわからないのは、日本語のほうが英語のほうが音の種類が少ないからです。

これは、母音の数で考えてみるとわかりやすいです。日本語の母音は「あいうえお」の5つですが、IPAの発音記号の分類によれば、英語は母音が26個もあります。

例えば、日本語の「ア」に置き換えられる英語の母音は3つあります。日本語の発音しか知らなければ、この3つの聞き分けは難しくなってしまいます。

リスニングを上達させるためには、発音練習が効果的だという話は聞いたことがあるのではないでしょうか。これは、その通りであり、理由は上記のためです。

しかし、発音練習だけでは十分ではありません。

発音というのは言語のひとつの特徴に過ぎません。もうひとつ大事な言語の特徴があります。それはメロディーです。

メロディーの問題

言語学では「プロソディ」といいますが、ここではわかりやすく「メロディー」という言葉で紹介します。

ここで言うメロディーとは、「リズム」「アクセント」「イントネーション」のことです。言い換えれば、「拍」「強弱」「音の高低」。この3つのコンビネーションで構成されるものがメロディーです。

発音練習をしっかり行ったとしましょう。それで個々の音は聞き取れるようになります。しかし、メロディーを無視していたらどうでしょう?

「私は日本語を勉強しています」という文章を、
「わ・たーしは、にい、ほん、ごーをーべんきょ、うしていまーす」
なんて言われたら、いくらひとつひとつのひらがなの発音がよかったとしても、「?????」となるはずです^^;

下の動画を聞いてみてください、内容(マニアックで恐縮です^^)はこの記事とは関係ありません。
https://youtu.be/JuhqV_D7EmY

日本語の発音は完璧ですが、すっごい聞き取りにくいですよね。

イントネーションがすごく変ですし、メロディーはぐちゃぐちゃです。

これを聞いてみると痛感すると思うのですが、メロディーって、発音に負けず劣らずとっても大事ではないでしょうか?

でも、英語の正しいメロディーって習ったことがあるでしょうか?なんとなく、強弱のリズムがあるということは習った気がする。イントネーションの上げ下げについてはちょっと習ったとは思いますが、その程度ですよね。文法をあれだけ勉強するのに比べれば、メロディーについてはほとんど習っていないと言って過言ではありません。そして、ここがリスニング学習の盲点なのです。

私たちは英語のメロディーについてほとんど習っていないので、日本語のメロディーで英語を音読し、その感覚で英語を聞いています。ですから、自分の発音が通じないとか、聞き取れないというのは当然のことなのです。

リズムの問題

先ほど、メロディーの構成要素はリズム(拍)と強弱・音の高低だと言いました。メロディーの一番の基盤となるものはリズムではないかと思います。リズムがあり、そこをベースとして強弱・音の高低を伴ったメロディーが生まれると考えて差し支えないと思います。ですので、私は特にリズムが重要であると考えています。

リズムが音の根幹をなす部分であることは、人間の聴覚の仕組みを調べてみても納得がいきます。音が耳から入り、その情報が脳に伝わるとき、一番先に通過するのが脳幹です。この脳幹ではまさに、「音のリズムを認識する」という作業が行われているのです。その後、各神経で音が分析され、最終的には前頭葉で意味として理解されます。

考えてみてください。音が一番初めに分析される脳幹で、正しい処理がなされなかったら、その後、脳に音情報が正しく伝わらないことは明白ではないでしょうか。ですから、根幹的な原因として、リズムが正しく認識できていないことが、英語のリスニングを難しくさせているのではないかと思うのです。

英語を聞いていて苦しく感じるのは――リズムが合っていないからです。4拍子とも3拍子ともつかない、何拍子なのかわからないリズムを聞けば、なんとなく居心地の悪さを、違和感を持ちますよね。

日本語のリズムで英語を聞くと、そのような感覚に陥ります。しかし、英語のリズムを知っていれば、英語は実に軽快で小気味よく感じられるのです。
聴覚の仕組みについて、少し専門的になりますが、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ここまでのまとめ

英語が聞き取れない原因は、日本語の発音とメロディーで英語を聞こうとしているから。英語の発音練習と正しいメロディー(特にリズム)を意識した練習を行えば、英語の音は聞き取れるようになる。

1-2.原因②文字情報に頼った学習ばかりをしているから

音だけでは理解ができない。聞き取った英語のスペルを書かないと、意味がわからない。

リスニングのレッスンを行っていると、時々こんな状況を目にします。生徒さんが、聞き取った英語を一生懸命、指で書いて文字に起こそうとしている――そしてようやく、言っていることの意味を理解する。

これは、聞いた音から直接意味を理解するのではなく、いったん文字にしてからでないと理解できないことの証拠です。

ここまで行かなくても、リスニングをしながら単語のスペルを思い浮かべている人は割といるのではないかと思います。かくいう私も、そんな一人でした。

これは悪いことだとは一概には言えないのですが、こうした状況がリスニングの足を引っ張っていることは大いに考えられます。というのも、音声情報をいったん文字情報にしてから理解しようとすると、その分理解が遅くなってしまいますよね。日本語を話すときに、いちいちひらがなを文字として思い浮かべて理解している人はいないと思うのです。もちろん、漢字は別ですが。

日本語には漢字があるので、言語を理解しようとするときに、音からではなく文字から意味を理解しようとする習性が日本人には備わっているように思えます。書く、欠く、描く。同じ「かく」と言っても、何種類もありますよね。欧米語には漢字がないので、彼らは文字よりも、音から意味を理解しようとする傾向が強い。そういう脳の働き方の違いがある、と何か本かで読んだことがあります。

そして何より、学校教育が文字情報重視の教育です。発音できるかどうかよりも、単語のスペルが書けることのほうが重視されます。英語が話せるかどうかよりも、英文が読めることのほうが英語の成績に大きく影響します。リスニングテストもありますが、比重としては文字情報に触れている時間のほうが圧倒的に多いので、自然と文字を媒体として英語を理解することに慣れていきます。

このように、もともとの漢字文化と学校教育のあり方とがあいまって、英語の音を聞く耳を鍛えることができていないこと。音声情報→視覚情報→理解という流れができてしまっている人が多く、耳から直接英語を理解することに慣れていないこと。このことが、リスニングが苦手な大きな原因のひとつになっているのではないかと私は考えます。

1-3.理解スピードが遅すぎる

もうひとつ、聞き取りを阻害している大きな原因があります。それはとにかく、英文を理解するスピードが遅すぎるということです。

目安として、高3生が受験するセンター試験の英語を例に挙げます。センター試験の英語は量が多く、制限時間内に問題をすべて解けるかどうかが、高得点を取れるかどうかの要です。中学・高校と6年間英語を勉強していて、更に国立大学や難関大学を目指そうと受験勉強で英語に力を入れてきた学生ですら、センター試験を時間内に解くのに苦労します。

そのセンター試験ですが、全部解ききるには、1分間に100~120語で英文を読むことが必要だと言われています。リスニングテストに関しては、読み上げ速度が1分間に140語~160語。それも、二度繰り返して読まれます。

しかし、現実はどうでしょうか。TOEICのリスニング速度は標準速度の160語ほどで、一度しか読まれません。しかも、ネイティブは早口な人は1分間に200語くらいのスピードで話します。センター試験の英語を全部解けるくらいのレベルの人でも、ネイティブの会話スピードはとてつもなく速く感じるわけです。

しかし、悲観する必要はありません。センター試験の英語には難しい単語や構文が含まれますが、会話は中学で習うやさしい単語が大部分を占めています。

高校の英語の授業は、難しく長い英文を読む練習が大部分を占めています。やさしい英文をたくさんスピーディーに読むという練習は、あまりやってきていないので、こういう状態になってしまうのは当然のことです。つまり、リスニングに必要なのは、やさしい英語を速く読めるようにするトレーニングです。

2.リスニング、間違った勉強法と正しい勉強法

それでは、上記で話してきたことを踏まえて、やってはいけない勉強法についてまずお伝えします。

2-1.自己流の読み方で音読練習を続けてはいけない

自己流の読み方ですと、間違った発音やメロディーで音読練習をすることになります。そうなると当然、間違った発音やメロディーを頭に刷り込んでしまうことになります。間違った状態でフレーズや単語を覚えてしまえば、本物の発音を聞いたときに認識できなくなってしまいます。ですので、自己流の音読練習はしないほうがよいでしょう。

もちろん、最初から完璧な発音やメロディーで英文を読めるわけではありません。ですので、正しい発音・メロディーを最初にある程度さらうこと。そして、音読練習をするときは、CDなどのお手本を聞いた上でリピート練習をすること。そして、ボイスレコーダーなどで自分の発音・メロディーを客観的に聞いてネイティブスピーカーとの違いを分析するようにしましょう。

耳が慣れてくると、自分の発音・メロディーをどう修正すればいいかがわかります。その段階で耳が鍛えられます。

2-2.英文スクリプトに頼ったリスニング学習もNG

リスニングのレッスンをしていると、音声を聞いた後、すぐに英文スクリプトを見たがる人がいます。確かに、今聞いたばかりの音声が理解できなかったら、どういう英文だったのか知りたい、という気持ちに駆られますよね。けれど、そこで我慢し、なるべく音声だけを聞いて理解できるように練習することが大事です。

一度だけ音声を聞いて、英文スクリプトを確認する。英文を見ながら音声を聞く。そこで英文を読んで理解したら、終わり。このような練習をしているとしたら、いつまで経っても耳は鍛えられません。

一度英文を(目から)読むと、理解した気分になります。その上でもう一度音声を聞くと、今度はちゃんと聞こえるような気がするのです。――しかし、それは多くの場合、錯覚です。

音の「置き換え現象」というものがあるのですが、脳は、日本語にない英語の発音を、日本語に近い音に置き換えて聞くということをやってしまいます。これは、聞けた気になっているだけで、英語の音をありのままに聞けているわけではありません。ですので、このような学習では、耳は鍛えられないのです。

このような状況を避けるためには、発音とメロディー(特にリズム)を学習することが大事です。この過程で、日本語に慣れた耳では聞き逃しがちな発音やリズムを頭にたたきこみます。そうすれば、聞き取れなかった部分がなぜ自分の耳には聞こえなかったのかが理解できるため、音の変化を分析し、効率よく学習することができます。

2-3.英語を聞いて日本語訳を思い浮かべるのはダメ

みなさんは、「英語を聞いた後、日本語を思い浮かべて意味を理解する」ということをやってはいないでしょうか?

これは一概に悪いとは言えないのですが、あまり望ましい方法ではありません。初心者ならこうしたやり方でも問題ないですが、英語をある程度勉強してきており、スピーキングを向上させたいと思っているなら、このやり方はストップしてください。

聞いた英語を日本語に置き換えると、英文が頭に残りません。思い浮かべた日本語のほうが頭に強く残ってしまいます。試しに、最近外国人と会話したときのことを思い出してください。教材のCDでもいいです。「あのとき、こう言ってたな」と日本語で意味は思い浮かぶと思います。でも、彼/彼女が言っていたフレーズは思い出せるでしょうか。

理想としては、聞こえてきた英語をそのまま覚えていられることが大事です。聞こえた英文をそのまま覚えていることができれば、その聞いたフレーズを自分の英会話に生かせます。その意味で、英語を英語のままで覚えておいたほうが、日本語に置き換えるよりはるかに学習効率がよいのです。

英会話を学ぼうと、本を読んで文字媒体でフレーズを覚えようとする人も多いと思います。しかし、人間の脳の仕組みから言えば、文字から文章を覚えるというのは、脳の負担が大きいのです。本来、耳から覚えるほうがはるかに楽です(日本語の会話も、大部分は耳から吸収したはずです)。

先に述べた、教育の影響で文字から文章を理解することに慣れすぎているあまりに、耳で英語を取り入れることに慣れていないせいだと思いますが、音で情報をインプットできるように切り替えていきましょう。

3.正しい学習法とまとめ

以上、英語が聞き取れない原因とやってはいけない学習法、そして正しい学習法についてお伝えしてきました。

まとめ

★日本語の感覚で英語を聞かないこと。
自己流発音による音読練習は避けること。
→英語の発音とメロディー(特にリズム)を学び、日本語にはない英語の特徴を頭に叩き込むことが大事。

★リスニング学習では、音声スクリプトに頼り過ぎないこと。
文字で英語を理解せず、音から英語を理解しようとすること。
日本語訳はなるべく思い浮かべず、聞こえた英語をそのまま覚えるようにすること。
→文字情報ではなく、音情報から英語をINPUTできるようになると学習効率がはるかによくなる。

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