英語力はあるのに、話せない人のためのスピーキング練習法
こんにちは、なみのリズムのアサコです。
TOEICではある程度の点を取れるようになったけど、スピーキングが全然できない!という時期がかつてありました。
英語圏に留学した経験がなく、話すという練習を国内でどう練習すればいいのか、わからなかったんですね。
ただ、「留学して、ある程度話せるようになる」というプロセスは、他言語で経験してはいました。大学時代ポーランドに留学して、強制的にポーランド語を話さなければならない環境にいたのですが、結果として、日常会話はパターンとしてこなせるようにはなっていました。ですが、留学したからといって、自動的に流暢になれるわけでもないんですよね…。
特に英語の場合は、読むことや文法だけはやたら勉強してきてるから、知識はそこそこあるのに、話すとなると幼児にも劣るレベルになってしまうという次第でした。
(ヨーロッパ旅行中に、偶然知り合ったイタリア人のおじさんの家に泊めてもらったことがありますが、私の英語のあまりのひどさに「子どもの英語か!」と言われたことは今でも忘れられませんね、あはは。。。)
中1レベルの3人称単数すら付け忘れたり、簡単な時制を間違えたり。読み書きはそこそこできるだけに、初歩レベルのミスをするのが恥ずかしいやら情けないやらで、「こんなに英語勉強してるのに、英語が話せないなんておかしい!」なんて思っていました(笑)。今思うと、音読練習すら真面目にしてなかったですし、話す練習をそもそもしてないのだから、話せなくて当然だったんですけどね^^;
しかし、今では英会話レッスンをこなせるまでのレベルになれたんですよ^^
ということで今日は、「英語力はそこそこあるのにスピーキングは苦手」という人のための練習法についてお伝えしていきます。
1.「自分の英語は幼児にも劣るレベルである」ということを受け入れる。
まず、英語を読んで意味がわかる能力と、自分から英語を言える能力は、ほとんど別物だと考えてください。
なので、これまで英語を話す練習をほぼほぼしてこなかった人は、
・英文を読むことがどれほど得意であろうとも、
・単語の知識がどんなにあろうとも、
・文法がどんなに得意であろうとも、
会話に関しては幼稚園レベルから始めるのだ、
ということを受け入れる必要があります。
大前提として、 このことが大事だと思います。
テストとかで英語ができてたりすると、プライドの方が大きくなっちゃうんですよね。幼児レベルの英語しか言えない、自分が恥ずかしくて、そんな自分を受け入れることが難しいんです。だから、英会話の練習がますます億劫になっちゃうんです。
そういう人、いませんか?
(私がそうだったのですがね^^;)
でも、英語を勉強しているのに話せないって、全然恥ずかしい事じゃないです。だって、話す練習をしてきていないんですから。練習していないことは、できなくて当たり前です。練習せずにできてたら、びっくりです。「天才ですか?」って感じです。
ちなみに、最近の若い人たちは、結構小さなころから英語に触れていることが多くて、リスニングや簡単なスピーキングを苦労せずにできちゃう人も多いんですよね。そういう人たちを見ると、私みたいな、おじさん、おばさん、アラフォー以上の世代にはつらく感じたりもしますが、それはそれ。
学校でそもそも、リスニングを習っていない世代です。学生時代にはネットだってなかった!!今みたいに便利な学習アプリとか、やたら親切な参考書とか、Youtubeとかなかったし!!
いいんです。今から、頑張れば。大人になってからだって、スピーキングは十分上達させられます。何歳になっても遅いなんてことはありません。
2.場面別に定型フレーズを覚える
英会話が全くできない自分。
そんな自分を受け入れられたら、後は勉強あるのみです。どんな初歩的な事だって、イチからやり直すつもりでプライドを捨てて練習していく事ができますから。
最初にお勧めの学習法は、簡単でよく使われる短いフレーズを場面別に覚えことです。これが、「らしく」話せるようになるための第一歩です。
例えば、“Thank you!”って言われたら“My pleasure.(どういたしまして)”と答える。久しぶりに会ったら“Long time no see! ”、週明けに知人に会ったら“How was your weekend? ”とたずねる、などなど、会話にはパターンがあります。そこで使われる定番フレーズってありますよね。
こういうお決まりのフレーズを、まずは覚えちゃってください。ただし、覚えるだけではダメです。当然、言えるようにする練習が必要です。これはひとりでできます。
むちゃくちゃ簡単なフレーズがすっと言えるようになるだけでも、全然話せない人からすると、「ちゃんと英語でコミュニケーションしてる!すごい!」って思われたりするものです。
ここで大事なのは、場面とパターンでフレーズを覚えておくということです。日本語から英語を作ってはダメ。なんでかというと、意味がズレてしまう場合が多いから。
これは「英語→日本語」の逆パターンになりますが、日本語勉強したての外国人とチャットしていて、夜終わり際に「甘い夢!」と言われたことがあります。
「甘い夢」ってナニ・・・!?
「どういう意味だろう?」と瞬間考えてしまったのですが、「あ、そっか、“Sweet dreams!”のことね!」、と納得いきました。“Sweet dreams!”は「よい夢を」と訳されたりしますが、実際このセリフを日本語で言われたらすごく違和感ありますよね^^;
日本語では寝る前「おやすみ」というのであって、「よい夢を」と言う人はいないはず…。
これが、翻訳・直訳で英語フレーズを覚えることの怖いところです^^;
ということで、場面とパターンでフレーズを覚えるのにお勧めのテキストは以下です。
Spoken English in Dialogues: 833 common English sentences used by native speakers in everyday life situations (English Edition)
場面別に会話が紹介されていて、フォーマルとインフォーマルの区別も注釈があります。日本語訳だとこうした区別がつきにくかったりするので、役に立ちます。
(※ただし、全て英語なので、英語だけの書籍に取り組むのに自信がない方にはオススメしません)
3. 外国人になりきることが大事!
さて、お決まりのフレーズを覚えてくださいね、という話をしましたが、「そんなことわかってるよ!」という人も多いかもしれません。
そこで、次に大切なヒントをお伝えします。
ただ、フレーズを覚えるだけではダメです。
自分の部屋で、そばに外国人がいると想像し、俳優のように英語をセリフとして覚えて演じるのです。
「自分は外国人!」となりきるのがポイント。
なりきると、話せるようになるんですよ。これホントです!
私自身の経験ですが、英会話ができなかったときって、「日本人モード」だったんです。日本人である自分が、自信なさそうに英語をためらいながら話している。こういう感覚が続いている間は、英会話が全然上達しませんでした。
「日本人モード」だと、
「えーっと、Can I アイ。。ask you….えー…」
という感じになっていました。
「私は外国人!」「今から外人モードで行くぞ!」という暗示を自分にかけ、その切り替えに成功し、英語を話し始めたら、なんだかうまくゆくのです。
そうなると、話す言葉だけでなく、表情も身振り手振りも、外国人モードになります。
こういう臨場感が大事なんですよね。これ、実は結構奥深い話なんですけど。
英語を話せるかどうかって、臨場感をいかに持てるかにかかっている、と思っています。そのためには、他記事で紹介していますが、リスニング力を鍛え、聞いた音をそのまま真似できるようにすることが近道になります。
私の場合ですが、英語のリズムをマスターできたことで、「日本人モード」を脱することができ、違和感なく外人モードに切り替えられるようになりました。
このことは、また機会があればどこかで記事に書きたいと思います。
4.型を使う→出だしだけ覚えよう!
定番フレーズが言えるようになったら、次はある程度中身のある会話もできるようになりたいですよね。
中学で習う文法を、自由自在に使えるようになりましょう。全部覚える必要はありません。よく使うものだけ覚えればOKです。
使う教材は中学の教科書や文法問題集で十分。各項目には必ず例文が載っています。これを使って練習をしていきます。
文をいきなり全部言えるようにするのって大変です。そこで、出だしの部分だけを先に言えるよう練習します。
例えば、“Is he a new worker?”という文があったら、“Is he? ”だけを覚えるんです。hはよく省略されるので、「イズィ?」と発音して覚えるようにすると実践的です。同じように、“Does he like Italian food?”という文があったら、“Does he”だけを「ダズィ、ダズィ、ダズィ、ダズィ…」
と練習します。
慣れてきたら、続きの部分を覚えます。“Is he a new worker?”の“a new worker”を言えるように何回も練習してから、文全体を言えるようにします。分割すると結構覚えやすいですよ。
ただ、学校の教材だとカジュアルな発音は学べません。より実践に近づけるために、カジュアル発音で練習しておきたいという人は下記の教材がオススメです。
(音声スピードが速く、文法は高校レベルを含むので、発音・リスニングや文法力が十分でない人にはお勧めしません。)
上記の参考書が難しく感じる人で、初歩の初歩レベルから練習したい方はこちらをどうぞ。
99パターンでわかる中学英語文型の総整理
5.イメージで表現を覚える
それでは、次のステップです。一文まるまる言えるようになったら、パターン・プラクティスで、文を自分で作る練習をしていきましょう。
さっきの“Is he…”から始まる文の続きを変えてみます。
“Is he from America?” “Is he busy now?”
という風に。
「自分では文が作れない!」と言う人は、知識として定着している表現が少なすぎることが原因と考えられます。
読めば意味はわかるけど、自分からは言えない表現ってたくさんありませんか?筆記テストでは「読めばわかる」で点を取るに十分ですが、スピーキングには不十分。自分から言える表現を積極的に増やしていきましょう。
表現を増やし、定着させるのには、次の書籍がオススメです。ピクトグラムみたいなイメージとフレーズが場面別にセットになっているので、日本語を介す必要がなく、覚えやすいですよ^^
(※全て英語なので、英語だけの書籍に取り組むのに自信がない方にはオススメしません)
日常でよく使うような表現をたくさんストックして、パターンプラクティスで中学レベルの文法を使いこなせるようになれば、「英語が話せる感」がかなり出てきて、英語を話すことに自信が持てるようになります。
一朝一夕にとはいきませんが、練習してれば必ず成果が見えてきます。
今回の記事が参考になれば、幸いです。
私の英会話力もまだまだ不十分ですので、みなさんと同じように日々練習しております。一緒に頑張りましょう!