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Angels Crest 100

昨年、崩落によるHighwayの道路封鎖で中止となったAngels crest 100に2年越しに参加してきた。今年も山火事などで開催が危ぶまれたが、なんとか開催されるということだったので一安心。

Angels Crest 100とは

Angels crest 100は1986年から始まったアメリカでも6番目くらいに歴史のある大会で、カリフォルニア州のLA近郊にあるエンジェルス国立森林公園のトレイルを走る100milerだ。累積約5,300mほど(今年の新コースは手元のガーミンで6,000mほど)で割と走れるコースで、スタート地点はWrightwoodという小さなスキーリゾート(標高約2000m)で、ゴールはLAの北側にあるLoma Alta Park(標高約400m)へ1 wayで向かう、所謂、下り基調なPoint to point のコースである。最大の特徴としては、8月に開催されることもあり、昼間は最高で40℃位、夜間は20℃位とかなり気温の変化が激しいという所。完走バックルはサブ24(シルバーバックル)、24h-25h以内完走(セカンドサンライズ)、33時間以内完走(通常バックル)の3種類。参加者は約200名ほどで、殆どの参加者・運営・ボランティアは”連中”(と我々は呼んでいる)といわれるLAカウンティ周辺のジモティで構成される。
尚、今年はエイドポイントの一部閉鎖の影響で、後半少し変則的なコースになり、その部分がかなり厳しかった…

レース前のスケジュール

  • 7/31(水) 日本出国、LA着。現地在住のタローさんのお家に泊めて頂く。LAに行くと絶対寄ろうと心がけてるFarther’s officeでThe Office Burgerを食べる。多分世界で一番旨いと思ってるバーガー🍔。オススメ。

The Office Burger
北野さん、ニックさん、サクさんと
  • 8/1(木) タローさん、ニックさん(サンタ民)、北野さん(LA民)、サクさん(日本民)とBig bear の方に釣りに行く。あまり釣りやすい川でなく残念だったが、2匹ブラウントラウトを釣ったw しかし、ここでなんと地蜂に太腿を刺されてしまうアクシデント!(レース中終始痒くて困ったw)。その後、スタート地点のWrightwood に予約してたAirbnbに宿泊。Wrightwoodのスーパーは結構品揃えがよく、美味しそうなリブアイをみつけ、BBQで食べる。とても美味しかった。この日はよく寝られた。

ブラウントラウト(BBQで食べた)
Airbnb
BBQエリアも良い
ホストがすごい良くしてくれました
リブアイ
  • 8/2(金) シンヤさん(サンタ民)合流。ドロップバックを預け、レジストレーションの後、ブリーフィング参加。またもや、リブアイを食べて、21:00には就寝。だが、いつもの如く、前日は緊張や時差ボケからか全然寝られず、1hほど寝た感じで、起床時間を迎える…

ご一緒した方々 Photo by タローさん
ブリーフィング
  • 8/3(土) 3:00AM起床。ご飯を食べて4:15くらいにスタート地点へ。最終チェックインを済ませた。

スタート前 Photo by タローさん
行ってきます! Photo by タローさん

今回の目標

1st: サブ24(シルバーバックル)
2nd: 24-25h以内完走(セカンドサンライズバックル)
3rd: 完走(通常バックル)

装備

今回は日中は胃腸障害対策で水をこまめに摂るためにはじめてダブルハンドボトル(500mlずつ)を採用。また、ストレージとしてはマンタレイという昔ノースフェイスから出していた軽量でベロクロタイプのウエストベルトを採用(ベロクロだから時々巻き直せてチューブタイプのものより良い)。そのマンタレイに背面に500mlのソフトスラスクをいれて、計1.5ℓ持つようにした。

<その他>
帽子: サロモンのスピードボブ
アイスバンダナ: T8のアイスバンダナ
アームカバー: マウンテンハードウェアway2cool
ウェア: サロモン Sense Aeroシングレット
シューズ: サロモン slab ウルトラ
ソックス: Oleno アルティメットTNG

レース展開

  • Wrightwood(0mile)
    5:00スタート。最初はロードの坂を進み、シングルトラックに変わる。約800mほど登るので、2800mまで登ることになる。この辺はウエスタンステイツに似ていて、最初の25mileはPCTのルートになるのでとても景色が良い。朝日がとても綺麗でテンションが上がる。

綺麗な夜明け
PCTは気持ちが良い
  • Inspiration point(9.31mile)
    良い感じで到着。暑さもそれ程感じていなかったので、まだ氷は投入せず。

元気
  • Vincent Gap(13.79mile)
    最大の登りであるMt. Baden Powellへの登り(900mアップ)の前に頭、ネック、アームに氷を入れる。失敗したのは背面のソフトフラスクに氷を入れるのを忘れたこと。まあ、大丈夫かと思ったけど、結果的にIslip手前で水が切れてしまった。登りはだんだん暑くなってきたけど、氷のおかげで快適に進めた。でも、途中右に行くところを直登してしまい、結局ピークハントしてしまう(汗)。ハイカーのおばちゃんに指摘されて元に戻る。10分ほどロスしたか。

気持ち良い青空
帽子、アーム、ネックに氷
暑くなってきた
  • Islip Saddle(25.6mile)
    エイドの直前で水切れしたので、デポポイントでもあったしたくさん水分を補充する。
    サンドイッチも美味しい。ここから結構ロードが続く。氷をフルで入れて、暑さを警戒していたが、風がありそれほど暑くない。

  • Cloudburst(32.87mile) / Three Points(37.43mile) / Mt. Hilyer(41.18mile)
    次のChilaoまでドロップバックがないので、とにかくサクサクエイドを出ることを心がける。
    また胃を揺らさないように、小股でゆっくり下る。サブ24のタイムテーブルにはオンタイム。フィジカルもだいぶ余裕があった。
    でも、かなり暑くなってきて、氷が溶けてからは心拍数がすぐ140後半になるので、心拍数を下げるために歩きをちょくちょく入れる関係でペースは上げられない感じ。途中、寝不足で恐ろしく眠くなったのでカフェインを投入。その後眠気はなくなる。40mileくらいで少し胃がムカムカしだして、ガシンサンを投入したり、リキッドや麦茶を多めに取ったりした。登りですこし足攣り傾向があって、オシッコも色が濃かったので、少し脱水気味だと判断。
    挽回すべく、ヒガシマルのうどんスープの素を半分くらい直飲みして水を飲む。
    すると刺激が強すぎたのか、ものすごく気持ち悪くなり、4回ほどリバース。胃の中が空っぽになってしまった。
    “これはまずい!まだ50mile 前なのに。とにかく、これはアクシデントで吐いただけだ。落ち着いていこう。”
    と自分をなだめながら、補給を摂ってみると案外大丈夫。これなら大丈夫かもと先を急ぐ。

  • Chilao(45mile)
    Chilaoには予定通り到着。しかし、エイドでは既に固形が食べたくないなぁという感じに。やはり、さっきのヒガシマルショックは継続しているようだ。10分ほどじっくり10倍ジンジャーエール、Answer600などを補給して出発。15時を過ぎ、暑さは1番感じるようになってきた。とにかく西陽が強烈&ホコリっぽくて、下りでも相当体力が削られてきつい。WSERのキャニオンより全然暑くて、西陽が何というか暑いを通り越して痛い感じがした。そして、かなり胃腸がきてる感じで、リキッド摂取もキツくなってきた。おそらく血液が熱放散に周り、胃にあまり行ってないのだろう。

  • Shortcut Saddle(50.86mile)
    30分遅れでエイドに到着。夜間涼しくなってきた時に頑張るため思い切って、20分ほど休んで胃腸を回復させることに。サブ24のタイムテーブルからは50分遅れて出発。まだまだ暑かったが、峡谷を下るような感じで、時折り崖が日光を遮ってくれるので助かる。そういえば、ギャリーがブリーフィングでボトムに川があると言っていたのを思い出した。そこまで我慢して、ドボンしよう。そう思いながら下る。しかし、このShortcut からNewcombまでは新設されたコースになるのだが、めちゃくちゃ景色とかサーフェイスがオンタケみたいだった。行けども行けどもオンタケw
    8mileで600mほど下るので本当に胃に優しくない。なんとか川について、暑くてすぐにドボン!今考えると、靴と靴下は脱ぐべきであった…
    ドボンでクーリングできて回復したので、わりと気分よく進む。胃腸は相変わらずだが、ANDOはなんとかいける。ボトムから3mileほど登ると折り返し地点がある。テーブルの上に穴開けパンチがあるからゼッケンにパンチしろと言っていたところ。でも、テーブルはないし、パンチは木にぶら下がってるだけだったw
    とりあえずパンチして、すれ違うランナーとエール交換しながら来た道を戻る。

ぶら下がるパンチw
  • Newcomb Saddle(63.5mile)
    エイドに着いた頃はすっかり日が落ちて、タイムテーブルからは1時間半遅れで到着。ここで、メインライトをデポからゲットし、靴下を変えて、満を持してウエストベルトを交換。Answer4のNo limitにチェンジ。夜間は涼しいだろうから、腰ボトルオンリーにしてハンドボトルは置いていこうと思っていたが、夜でも案外暑いことに気がつき、ハンドボトルは一つもっていくことに。ここでも割と時間がかかってしまった。タイムテーブルから1時間50分遅れで出発。ここから涼しくなってくれればセカンドサンライズはまだいけるか?と思いながら走る。しかし、夜なのに全然涼しくならない。なんなら氷がまだ必要な感じでかなり暑い。あと、No limitが揺れて走るたびに胃を圧迫して、ますます気持ちが悪い…
    うーん、ウエストベルトを変えるべきではなかった…
    作戦ミスを悔やんだがもう賽は投げられている。

  • Red box(72.52mile)
    1時間40分オーバーで到着。少し巻いた感じだが、足裏がすこし痛くなっている。まあ、トレイルがドライならこれ以上悪化しないだろうと、いよいよMt.Wilsonへ向かう。ここからのトレイルは新設のコースだったが、予想以上に悪路だった。まず、藪で覆われて道が不明瞭な上にマーキングがすごいわかりづらい。あと、渡渉がかなりあり、確実に水に入らないと行けないところが多数。割と日本とトレイルレースにありそうな、無理やり切り開いたような道でかなり肉体的にも精神的にも消耗した。水に浸かったため、足裏の痛みがいよいよやばい感じになってきた。やっとMt.Wilsonの登りに取りついた時は、暑い&胃腸障害(補給があまりできない)&足裏痛でかなりゆっくりペースに。

  • Mt. Wilson(79.38mile)
    2時間20分遅れでなんとか到着。エイドに着いて靴下を脱いで足裏を確認していると、エイドの人がメディカルを呼んできてくれた。治療を受けた方が良いとのことで処置をしてもらうことに。ここでもう完全にセカンドサンライズも厳しく、目標を完走にスイッチした。
    ただ、ここで治療うけて本当によかった。ここで処置しなかったら、これ以降のセクションはもっと時間かかったかもしれない。結局、20分くらい滞在してエイドを後にする。ここからはオリジナルコースだ。

  • Sam Merrill(89.63mile)
    全体を通してここが1番きつかった。6mileで約1000mの下りのあと4mileで500mアップの登り。それにしても、行けども行けどもエイドにつかない感じがした。正直ほぼ記憶がないほど気持ちがボトムな区間。それでも何とか3時間20分ほどで走ったようだ。これで全体としては3時間遅れ。やっと最後の大きな登りが終わった!
    エイドでスイカを食べて出発したら、気持ちが悪くなり全てリバース。あと10mile下り基調だし水と(食べられたら)ANDOで押し切ることにする。No limitにボトルを入れておくと気持ち悪くなるので、結局普通のボトルも手に持って走るw マジで作戦ミスだ。LAの夜景が凄く綺麗で感動しつつも、本来ならもうゴールしてるんだよなぁ。と残念な気持ちで走る。夜が明けて、かなり良い景色で気分が上がってきた。

セカンドサンライズ
LAの街並みが見えてきた!
  • Millard(96.14mile)
    下りは楽かと思いきや、結構石がゴロゴロして、下り辛い。そして足裏が強烈に痛い。それでも心を貝にして淡々と走る。いよいよ公園?のようなトレイルに入る。

  • Finish(100.5mile)
    最後の登りを走り、街にでると案外すぐにゴールがあった。最後は芝生の上を走り、こじんまりとしたゴールへ!

結果と所感

ゴールタイム: 27:18:59(30位)

完走バックルと盾

結果は望んだものではなく、作戦ミスもかなりしたけど、その状況下でのベストは尽くせたかなと思う。胃腸障害がなければフィジカル的にはサブ24できるイメージはできたので、トレーニングの方向性は問題なかったと思う。それにしても、今回もたくさんのことを学べて本当に勉強になったというのが今の正直な気持ち。やはり、100milerは奥が深い。
レースとしては、CAの”連中による連中のための連中によるレース”と言った感じで、これぞThe Californiaという感じのレース。エイドはホスピタリティに溢れ、ランナーの事を本当によくわかってくれている連中エイドは最高だw
今回の反省点を生かしてまた是非参加したい。そんなレースであった。

ゴール後は芝生上でチル
バーガーも焼いてもらえます
こんなクラシックなシャツも売ってる!
Photo by タローさん

レース後のスケジュール

8/4(日)は14:00からバックル授与式があり、フィニッシュ時間が遅い人から表彰される(これもまた良い)。

Photo by タローさん

レース後はタローさんのお家にまたお世話になり、我慢していたビール🍺を飲む!

8/5(月)はIkasu Brewing → High land park → Homage とブリュワリーをめぐり、ドジャースの試合を観戦!レースがLAから近いというのもまた魅力かな。一緒にレースに参加したシンヤさん、北野さん、サクさん。お世話になったタローさん、和代さんありがとうございました!

ラガー by Ikasu Brewing
Gavaサワー by Ikasu Brewing
大谷翔平人気
7年ぶりのドジャーススタジアム
ワカモレ🥑たこ焼き🐙

引き出しにしまうTips

  • 昼のセクションは水分は2ℓくらいあってもよい(ハンドボトルを600mlのやつにすれば良かった)。

  • ウエストベルトはタンクトップの上とかに巻くと、氷が溶けて冷えた水がベルト部分に溜まりやすいので、ウエストベルトをお腹に直で巻いてから、タンクトップとかを着るようにするとお腹冷えない。

  • ヒガシマル直飲みは刺激強すぎなのでやめる(マジ戒め)。

  • 特に不便を感じてない時は装備を変えないという選択肢もあり。

  • ドボンは身体だけ(足を濡らさない)。

  • (コース変わらないなら)Newcombの他にMt.Wilsonにも靴下とワセリンをデポすること。

  • 後半(70mile)はANDOだけで良いかも。そういう補給の組み立てとする。

日本から参加する際の注意点

アメリカの1 Wayレースあるあるだが、スタート地点からゴールまでの荷物輸送をやってくれないのでロジが大変。今回はタローさんにスタート地点からゴール地点まで荷物を運んで頂いたが、その辺もよく考えてからエントリーした方が良い。FBのグループページで、スタート地点へ乗合で戻るとかを募集してたのでそれを使うという手もあり。

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