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家庭料理のおいしさの極みに触れたら、子どもにキレてた日々が終わった。

毎日のように日記を書くつもりなのに、先週は全然書けなかった。ワンオペの夜が続き、人生で一番イライラしていた週だったかもしれない。
3歳児の「ママ見て」と「なんで?」が永遠に続き、1歳児の激しい後追いと号泣も合わさり、私は常に眉間に皺を寄せて口調もずっと喧嘩腰…。
前半は子どもの鼻風邪も深刻で毎分ごとに鼻を拭く作業もあったり、私の花粉症も過去一ひどかったりして、とにかく絶不調だった。

そんな日々の中、いつか行きたい!と思っていた憧れの料理教室へ行ってきた。
それは料理研究家の植松良枝さんの料理教室「日々の飯事」。今回は、リボッリータとセイボリースコーン、冬のシンプルサラダのワークショップだった。約20種類の野菜を堪能した。

なかなかプロの方が料理する姿を見ることはないけれど、これが本当にいい時間だった。
驚いたのは、常に机の上が美しいこと。
野菜を切ったらまな板をふきんでサッと拭き、机にこぼれたくずもふきんで取って流しでパッと落とす。どの場面でも、机には水滴もくずも何もなく、すっきり清められていた。

そして、食材を余すことなく使うこと。私は捨てすぎだったんだ、とびっくりした。
玉ねぎの皮と食べられる部分の境目が曖昧な個体の場合、食べられる部分寄りのところ(おそらくあっても2センチ程度)はドレッシングに活かすという。
リッボリータに入れる野菜も、白菜やキャベツの外葉、ブロッコリーの葉や茎、カブの葉などもどんどん使う。ブロッコリーの茎の外側も、今回のスープには入れないけれど、細切りにしてきんぴらにすると硬い食感が活きておいしいという。
他にも、野菜や料理に関する豊富な説明も面白かった。

ちなみに、「リッボリータ」の「ボリータ」はイタリア語で「煮込む」という意味で、「再び」の意味の接頭語「リ」をつけた料理だそう。日本でいうと豚汁のような存在で、栄養満点のスープ。

完成間近のリッボリータ。おいしそう…!


じっくり煮込んだリッボリータは、単なるスープとしての熱さを超えて、心にまで届く温かさがあり、本当においしかった。

食べる直前にパルメザンチーズと、とびきりいいオリーブオイル(今回は搾りたてのザハラ)をかける。


料理店のおいしさとは違う家庭料理のおいしさの極みを味わった感じがした。こういうものを食べていたら心身元気だよ…としみじみ思った。

ワークショップでは、リッボリータを煮込みながら、甘くないスコーン作りも並行して行われた。
チェダーチーズを使ったこのスコーンが、わたし史上最もおいしいスコーンだった…!

焼きたてのスコーン!輝いている。


スコーンはボソボソしていて、口の中の水分を奪うスイーツのイメージで、時々おいしいものを食べて心惹かれることはあったけれど、決してときめく食べ物ではなかった。
でも、それは焼きたてを知らないだけだったみたい。焼きたてのスコーンを割ると、神々しい湯気が立ち上る。口に入れると、外側はしっかりした食感なのに内側はしっとりとしていて、ミルキーな湯気が口の中に満ちる。それがなんとも幸せな時間で。
スコーンはおいしさの賞味期限がとてつもなく短い物だったんだと知った。
このおいしさを味わうには、家で焼くしかない!

焼かれる前はケーキのような佇まい。うっとり。

ぜひ家族にも食べさせてあげたい、と強く思った。
あんなにイライラしていた日々が、この日を境に終わった。怒涛のワンオペがひと段落したこともあるけれど、たぶん心のこもったおいしい家庭料理の素晴らしさを実感したから。ものすごく感動したり、圧倒されたりすると、人は素直になるらしい。
情緒まで安定させてくれる料理の力ってすごい。そう思わせてくれた植松さん、料理教室に感謝!!

ああ、おいしかった。おいしい!の力を実感。

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