息苦しい日々に風穴をあける方法、それは寄り目!
なんとなく息苦しいこの日々に、風穴をあけるかもしれない方法を発見をしました。
それは、寄り目にすること!
この前、久しぶりに会社に行ったときに、人がまばらなオフィスで数秒だけやってみました。
ちょっと恥ずかしくて、ちょっと楽しい気分になりました。
きっかけは、ここ最近なぜか何度も思い出す文章。
「わたしはインディアンたちの服が回っている乾燥機を、目をちょっと寄り目にして眺めるのが好きだ。紫やオレンジや赤やピンクが一つに溶け合って、極彩色の渦巻きになる。」
(ルシア・ベルリン著『掃除婦のための手引き書』から「エンジェル・コインランドリー店」)
私は小学生低学年の頃、寄り目にはまっていました。
授業中や帰り道なんかになんとなく退屈になったら、そっと黒目を寄せる。ただそれだけで、妙に愉快な気分になるから。
悪態をついているわけじゃないのに、なんだか舌を出したような爽快感があるのでした。
あの文章に惹かれるのは、そういう心境を思い出したいからなのかと思っていたんですが、大事なのは「渦巻き」だったみたいなんです。
医療従事者やその家族、あるいは配送業者の人が差別されているというニュースを耳にするたびに胸が痛くなります。新型コロナウイルスに感染した人が謝罪したり、感染者がバッシングされたりしているのを目にするたびに本当につらくなります。
そのたびに、差別したり怒ったりする人たちは「なぜ自分は感染していないと断言できるんだろう」と不思議で仕方がないのです。
こんなに感染ルートがわからない人が多い今、自分だって無症状なだけでウイルスを保有しているかもしれないのに。
差別や偏見、バッシングは、自分はそちら側ではないという明確な線引きをしていないとできません。
怒りの核は、自分は正しい、という確信。
怒りを表すことは、相手と自分を隔てる透明な壁を建てることだと思います。
(これを書きながら私も怒っているんだと実感…)
街にあふれるそんな線引きに嫌気がさしているから、紫もオレンジも赤もピンクも溶け合って極彩色の渦巻きをつくる寄り目に心惹かれたんだと、合点がいきました。
というレポートです、これは。笑
線引きしたくなったら、いったん寄り目をしてみる。
いつのまにか力んでいた目と心がふっとほぐれていいと思います。
#日記 #読書 #読書感想文