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NT型がST型にキレるとき
発端 INTPの怒り
怒ったのは私(INTP-A)だった。
原因はしょうもないと言えばしょうもない。簡単に言うと、自分のことを蔑ろにされた。
体調不良になり弱った私が、友人(ISTP-T)に助けを求めたところ、「今忙しいから」とゲームを片手に笑いながらあしらわれた。
それに対し、まず私は理解を拒んだ。後から振り返ると、その瞬間とても傷付いたのだと思う。今自分がどれだけ酷い扱いを受けたのか、驚きすぎて、理解したくなくて、そのまま一旦ISTPもとを離れてしまった。これが良くなかったのだと思う。
そして、一人になってゆっくりと考えて、自分がされた扱いをきちんと理解した途端、ワンテンポ遅れて、怒りが込み上げてきた。
しかし、それをいち早く本人に言おうとはしなかった。なぜなら、ISTPに悪気がないのを分かっていたからだった。
話が逸れるが、このISTPの友人とINTPの私の価値観のはっきりとした違いは、「無自覚と自覚有り、どちらの方がタチが悪いか」という話になったとき、
ISTP(友人)→ 自覚有りの方がタチが悪い
INTP (私)→ 無自覚の方がタチが悪い
というように、綺麗に分かれるということだった。
それを知っているからこそ、悪気のないISTPを責めたとて、本人には全く響かないだろうと分かってしまった。だからこそ真っ先に本人に伝えに行くようなことはしなかった。
相談者 : ENTP
収まらない怒りに対する共感を求めて、私は友人(ENTP-T)に、ISTPのことを相談した。相談というか、半分愚痴だった。
同じNTP型なのもあり、ENTPにESTPの友人がいたこともあり、普段から私と同じような理由でストレスが溜まりやすいらしく、驚くほど意気投合した。
フラストレーションが溜まるESTPとISTPの共通点としては、
・デリカシーがない(何事もはっきり言い過ぎる)
・話を聞いていない
・返事が雑
・物事を深く考えない(ST型の長所でもある)
などがあげられた。
自分たちNTPは普段から気を回しながら対話をしようとしているのに、STPは対話に対する親切さが微塵も感じられない。
これらが怒りの根底にあるのだということが分かった。
ST型と人間関係を構築するにあたり、NT型が気をつけなければいけないのは、
自分が怒ったときや傷付いたとき、他にも大切な何かを伝えたいときに、言葉が長くなってしまうと伝わらない、ということだ。
ENTPの友人も私も、怒ったときや、相手の何かを注意するときは、言葉が長くなりがちになってしまうことが話していて分かった。
「それ、されると嫌だよ」ではなく、「〜っていう考え方が良くないから、だから〜〜」のように、悪く言うなれば説教臭くなってしまうのだ。
昔よくISTPの友人に「また説教?」と言われ腹立たったことがあるが、考え方がまるで違うのだから、仕方のないことだと受け止めていくべきだ。それに、何事も長く丁寧に説明することが何も偉いとは限らない。
短さ重視で、深く考えることを「考えすぎだ」と一蹴りしがちなST型には、NT型が合わせた方が人間関係が上手くいく。(私の友人が、典型的なS型である可能性もある)
相談者 : ESTP
ENTPの友人であるESTP(-T)にも相談したところ、やはり悪気は全くないようだった。
「ISTPに悪気はないけど、自分(ESTP)もあそこまで典型的なS型ではないから同じジャンル扱いされても困る」とも言っていたような気がする。
喧嘩の話とは逸れるが、ISTPに近いST型であるESTPの話を聞いたところ、
NT型は基本人を見下しているように見える、とのことだった。
ENTPの友人は、一旦人を見下すと人間関係が上手くいく、と強烈な思想を語っていたことがあった。それなのに人から舐められやすいような立ち振る舞いをしているな、とふと思った。が、私にはそんなつもりは一切なかった。
見下すなんて考えたこともないと言ってはみたものの、無自覚に態度に出たり言葉に出たり、NT型がST型にキレるように、ST型の地雷を知らぬ間に踏み荒らしてしまっているかもしれないと警告を受けたように感じた。
和解
結果として、
「こう言われたのが悲しかった」
「大事にされてないなって傷付いた」
と私ができるだけ短く切り出したところ、
「ごめん」
「大事にしてないなんてそんなことはない」
「気をつける」
とまるでカップルかのようなやり取りの末、無事和解した。
NT型の思うST型の共通点として、悪いところばかり上げてしまったように見えるが、
嘘をつかず取り繕わず、何事もはっきりと切り込む姿勢は、ST型の長所だ。しかし、ときにはその切れ味が鋭すぎて人が離れていくこともあるだろう。
ST型もNT型に対し、「もう少し端的に分かりやすく」話してほしいと思うこともあるだろうが、深く考え思考をめぐらせることも、NT型の長所であり短所であると思考の隅にでも置いておいてほしいと思う。