ニッチェ十字(ニッチェの二人が貼り付けてある十字架)
「俺、夢ないんだよ、やりたいこともないし」
M氏はそう言って壁にもたれる。
なんだか
あまり共感できない感覚だった。
というか
確かに、夢ってのはスケールが大きいから、ぼんやりしているとピントが合わなくて見失うこともあるかもしれない
でも、やりたい事ってのはちいさな夢のことでもある。
それすらもないっていうのは寂しいことだ。
僕は、やりたいことが無くなったことがほぼない。
そりゃ、色々つまづいて、しょげたりもするけど
1番何やっていいかわからなかった4、5年前でさえ
ニッチェ十字(ニッチェの二人が貼り付けてある十字架)を担いで、たまに呼んでもらったライブに出させてもらったりしていた。
まあ、ニッチェ十字が本当に面白いのかどうかはまた別の議論になるが、とにかく、やりたいなと思ってる事がなくなったことがない。
なにかしら、思いついては、これをみんなの前でやったらどんな顔をしてくれるだろうと、考えてしまっている。
多分、何かを面白いなと思っているうちは、僕も対抗して何かを考えたりするんだと思う。
夢がないM氏がいて
僕はひきこもり、生き残って
遊園地を創りたいと語ったあいつは死を選んだ
徐々に変わっていく。
変わっていってしまう。
それは誰にも止められない。
変わっていく事は恐ろしいことだ。
でも生きてさえいれば、いいこともある。
だって、ひきこもってた自分に教えてやりたい。
また演劇とかコントとかやるようになるよ。
新しい仲間もできる。
それにたくさんの人が期待もしてもくれるよ。
だから大丈夫。
「大丈夫っすよ」
M氏に僕はそう答えていた。
今夢がなくても、やりたいことがなくても
それすらも、変わっていく。
だから
誰しもに待っているはずだ
未来の自分が今の自分に報告したくなるような何かが。
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