携帯の歩数計の話
昨夜、携帯が勝手に俺の歩数を数えているという事実を知った。
機種変更をする遥か前から、人知れず俺の健康を管理してくれていたようで、月の平均歩数まで計算してくれていた。
「みんな知っているよ。(注:1)」と言われ、自尊心を若干傷つけられたような気がしたけれど、そんな事よりこんな身近に自分の健康を勝手に管理している存在(注:2)があったという事実に驚き、携帯からしばらく目が離せなかった。日々の歩数だけでなく、時間ごとの歩数の推移までグラフ化されている。愛おしいような、薄寒いような、不思議な心持ち。ポッケの中のこいつは、勝手に俺の歩数を監視している。勝手に。
20代の頃からのライブ風景が、YouTubeにあがっている。ここ1〜2年ほどは、自分かもしくは影の協力者(注:3)による物が大半ではあるけれど、当時の動画についてはほぼ全てが共演者のあげたもので(注:4)、YouTubeで俺の名前を入れてもらえば懐かしさと恥ずかしさの遺産がいくつかご覧いただけるのでお暇な際にはどうぞ。…別に宣伝をしたいわけでもなく、そんな事をしても何の意味も無いわけだし、そういう話がしたいのではなくて、それを踏まえてある出来事について書きたいと思うのだけれど、
「YouTube観てます」
これ。
たまたま隣に座った人や、久しぶりに会った人からそこそこの頻度で言われるこれ(注:5)。何を観られていたんだと、俺の何を観たんだと、ありがたいじゃないかと、愛おしいような薄寒いような気分になる。まあ、薄寒いというのはアレだけど…。しかし、過去の物についてはやっぱり少し恥ずかしかったりもするわけで、知らない間に観られているという事実については、脱力した状態でただ受け入れるしかない。ノーガード。
携帯の歩数計を眺めながらそんな事を考えていたのだけれど、結論としては愛おしい方が勝っているわけで、むしろ2020年の歩数の減少ぶりと自分の重たくなった体を見て、サウナスーツ(注:6)を着てウォーキングをしてやろうかと思っているくらい。そしてYouTube(注:7)に関しても、観ていますと言われて嬉しくないはずはないわけで、今年はもっと色々楽しんでやってみようと、なんとなくそんな着地点。そんな平和な着地点。
注:1→よく言う「みんな知ってる」「みんな持ってる」「みんなに愛される」といった類の言い回しでされる話はどうせ全部嘘なので、騙されないように気をつけよう。みんな気をつけているのかもしれないけど。
注:2→iPhoneに元々入っているアプリ「ヘルスケア」。親切な恐ろしさ。
注:3→複数人いると言われている「影の協力者」であるが、影に隠れる事を嫌う人も多く、行く先々に現れ、配信などの際には登場する事もしばしば。懐の深さよ。
注:4→代表格がピアニスト森田英介氏。汐留のデザイナーズホテルでの営業の際などに、嬉しそうにカメラを持ってきては撮影していた。酒が好きな変な人。あとメガネ。
注:5→こういう事を書くと、「人気者ぶってんじゃねえ」「偉そうに。お前なんか隠れ家レストランみたいにライブやってんじゃねえか(注:8)」などと罵倒されることにもなろうかと思われるが(自意識過剰)、しょうがないじゃんか。事実なんだから。人気が欲しい。誰か人気をくれ。
注:6→数年前に購入。すごい汗が出るが、ポッケに大きな穴が空いているので、誤って鍵などを入れてしまうとズボンの裾から出てくる。買い換える気はない。
注:7→https://www.youtube.com/channel/UC0DpoWvfHeAZSospwrG3YMw/featured 宣伝をする事が悪い事だとでも言うのか。そんなはずはない。良いじゃないか。チャンネル登録お願いします。マジで。
注:8→注釈に注釈を付ける事は許されるのか。入子構造。 2年前、「なみへいさんって隠れ家レストランみたいですね。」と言われた。宣伝をろくにせずにライブを繰り返す様子を上手く例えた、非常に秀逸な一言。2019年を代表する佳作。注釈の方が長いじゃねえか。