田舎で人が集まる場所、知ってますか?
都会で暮らしたことは一度もない。
生まれも育ちも地方都市、結婚後はさらに田舎へと移住。
都会はたまに用事があって行く「非日常の場所」。そんな私こそ、生粋の田舎人-INAKABITO-である。(カッコよく書いてみてもカッコよくないワード…)
ちなみに、田舎暮らしは大好きである。
さて。
田舎は人が少ない。だからどこへ行っても、スイスイと用事が済む。
生まれ育った街からこの町に引っ越して、まず驚いたのは役場の手続きの速さだ。あっという間に終わる。
番号札はあるけれど、あれ、意味あるのかな? 大抵の場合、まるで、行列のできないラーメン屋さんのようにスイスイと終わる。
銀行も割とサクッと終わる。
買い物も一瞬。
対応するスタッフが少なくても、それ以上に来る人が少ないからスムーズなのだ。
ところが、唯一、待ち時間がとんでもなく長い場所がある。
待ち時間選手権、堂々の第一位。
それは、病院である。
都会と比べたことはないので違いは分からないが、他の場所のサクサク感に慣れた身には、病院での待ち時間が際立って長く感じられる。
人が集まる場所、というのは、都会にあるような公園やショッピングモール、テーマパークではない。
田舎の公園は風が通り抜けるだけの空間(整備だけは綺麗にされている。実にもったいない)、ショッピングモールも最近はシャッター街(結構な率でテナントが閉店している)、テーマパークは…そもそもない。
では、どこに人が集まるか? それが、病院なのだ。
呼ばれるのを待ちながら、「これは地方創生どころか、地方『病』生かも…??」なんて、ぼんやり考えたりする。
集まって嬉しい場所ならともかく、誰も喜んで通いたくはない場所に人が集まるなんて、ちょっと寂しい。
待合室でスマホを触りながら聞き耳を立てると、あちこちで、「今日は人が多いねぇ」とか「あら〜、久しぶり。元気やった?」なんて言いながら話す声が聞こえる。
(私はしゃべりもせず、こうしてnoteを書いているわけだが)
なんだかんだで、そうやって思いがけない人と会話する時間が、実は大事だったりもするのかな。
それにしても、この賑わいを病院以外の場所に分散させるアイデア、ないものだろうか?
例えば、シャッター街になっている商店街一帯を病院にしてみるとか。
反対に最寄りのスーパーに病院を併設しちゃうとか。
突拍子もないことをつらつら考えているうちに、やっと診察に呼ばれた。
案外こんな妄想から、何か拡がりが生まれることも、あるかもね!?