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毛繕いネコチャンが完成しました 


年末にこねて乾燥させた後、お正月のバタバタでかなり期間が空いてしまいましたが、先日塗り終えましたので、その様子です。

塗る前です

ひび割れとは言わないものの、作った当初からならしきれていないしわや線みたいなものがいくつかあったので、これが塗りでごまかせるのか少し不安でした。

腕の付け根やあご下に多かったです

使ったもの

今回はアクリル絵の具を使いました。パートナーが絵描きで助かりました。

いれものはスリーコインズ。ミニ四駆のケースみたいでかっこいい

仕上げはスプレータイプのものを使いました。

楽ちんでよかったです

いざ

絵の具で何か塗るなんて久しぶりなので緊張しつつ。

モデルにはそばにいてもらいます

黄土色の絵の具をベースに、レンガ色少々と黒と白を混ぜて色を作っていきます。
何度も混ぜて調整しているうちに何が何だかよくわからなくなり、とりあえず塗っちゃえ!ということでベタ塗り。
そうしたら絵の具が全然足りず、水で薄めながら伸ばしていきました。

1回目の色。濃かった

全然違う気がする。

この時点では完全に失敗したと思っていました

ちょっとクリーミー?な色すぎるなとおもって再度調整した色で上書き。
反省を生かさずまた絵の具が足りず、水でビシャビシャにしながら塗り広げました。

二度目。泥そのもの

泥だ。

この時点で作品名は「MAD・泥モン」でした。
わざわざ樹脂粘土でつくったのにリアルな泥を再現したことにしてしまった焦りを感じながら、もう引き返せないのでもう一度全体の色を明るめの色で塗り直しました。

いいかも

水で薄めながら、かつ乾くのを待たずに何度も塗り直したことでムラができ、期せずにキジトラの複雑な毛並みを表現できている気がしてきました。紙粘土とかだったらドロドロになってたかもしれません。
それでもまだ古墳から出土した副葬品感は否めません。
ちょっとベースの色で迷うにも疲れたタイミングだったので、この色ムラを生かしながら模様をつけていくことにしました。

できそう

本人と何度も照らし合わせながら模様をつけていきました。

模様をつけた瞬間、かなりリアルになっていったので嬉しくて途中の写真を撮るのも忘れて作業してしまいました。
絵の具で何度も塗り重ねられることと、猫の毛色が複雑だったことがうまく噛み合い、微妙に色味を変えながら細い筆で何度も色をつけていくことでどんどんいい感じになりました。
普段から隅々まで観察していて大好きな猫だからこそ、「鼻の激かわオレンジチークは絶対に再現したい」とか「尻尾だけグレー味がちょっと強いの、私は知っているからな…」という偏愛のエンジンがかかりました。
そのうえで、「あご下ってこんなに白かったんだ」とか「胴に赤みのある毛が多いんだな」とか、改めて観察する中で新しい発見もありました。
あと模様を詳しく見せてもらおうとしましたが、丸まってて全然見せてくれませんでした。
あらかた乾いた後、スプレーのニスを全体に吹きかけて完成としました。

できました

できました。

塗ってから3日後

ニスを塗ったことでグッと質感がよくなりました。

背中がお気に入りです
頭の塗りが一番うまくいきました。一番難しかったのは顔
お尻です。足の裏が真っ黒なのもこだわり

途中でかなり副葬品っぽかったところから、お香やパワーストーン、ヤシの実の加工品、サルエルパンツやタイダイのTシャツなどを売っているアジアのお土産屋さん(女性店員の髪の毛が傷んでいる)にある置物っぽくなりました。
懸念していた、しわの部分も大して気にならなくてよかったです。

背中に乗せるとこの通り。保護色

色もかなり再現できたと思います。キジトラは個体によって結構色味が違うので、うちの猫っぽさを表現できたことが個人的にとても嬉しいです。
作業前はとにかく塗りに自信がありませんでしたが、単色一発でないのなら結構どうとでもなるんだな、という学びがありました。

最後に

当初、「題材として猫はありきたりすぎてつまらないかもしれない」と思っていましたが、今回自分の猫を選んでよかったです。
普段から愛してやまないものなので解像度が高く、こだわりもあるので制作途中で悩まずにずんずんと進めることができたからです。
それゆえに、できあがったものも猫というありきたりなモチーフではあるものの、形にも、色にも、自分にしか出せないオリジナリティを感じられて満足がいく仕上がりになりました。顔やフォルムは全然違うけども。
これがもしなんとなく猫を選んで、ネットで画像を検索しながら作ったのでは趣がまた異なったんだろうなと思います。
となると次に作るもののハードルがあがり、範囲も狭まるのですが、今後もできるだけ「自分がこだわりをもっているものや愛しているもの、面白いと思うもの」を粘土で表現できたら良いと思います。
また、制作途中で普段とは違う視点で猫を観察することで、よりディティールへの理解が深まったことも自分にとっては価値がありました。
鶏の生む卵の中で一番価値が高いのは初卵で、バンドの最高傑作は大抵1stアルバムになりがちですが、今後もこの毛繕いネコチャンに負けないような作品を作れるように楽しみながら粘土あそびを続けていこうと思います。

そうですか。さようなら



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