もちろん、そこには"芸人引退"を賭けます。
僕達ナミダバシは3月1日に
[決意表明]と題して
「M-1グランプリ2020で決勝に進出できなければ芸人を引退する」
という決め事をしました。
ですがこの度、誠に遺憾ではございますが
"コロナウイルスの事態が収束するまで
この決め事を一時的に保留とする"
ことにしました。
何故か?
そして
"一時的に保留"とは?
そして
そもそも何故あの決意表明をしたか?
これらの点について今から書いていきたいと思います。
読んで頂ければ幸いです。
3月1日の決意表明について、自分達が想像していたよりも非常に多くの方々が反応して下さり、コンビ共々やる気がみなぎりました。
ありがとうございました。
というかそもそも、何故あの決意表明をしたか、正直に書きます。
太朗が「芸人を辞めたい」と、たくみに相談したことが発端です。
何故辞めようと思ったか。
太朗は芸人としてやっていける自信がここ数年、少しずつ無くなってきていました。
でも、芸人を続けていました。
何故なら芸人をやることは楽しいからです。
例え売れてなくても芸人をやることは楽しいです。
周りにおもしろい人達がたくさんいます。
その人達と楽屋で話すだけでもう楽しいです。
おまけにお客さんにウケたら最高です。
家に帰ればお金が無いです。
普通の社会人にとっては異常なくらいに。
でもそれすらも笑い話になり、お金が無くても優しい先輩方がご飯をご馳走してくださったりします。
ちょっとテレビに映ったりすると、地元の同級生から「凄い!」と言われたりします。
ちょっと出ただけで、実際は全然凄くもないのにチヤホヤしてくれます、嬉しいです。
でも、芸人としてやっていける自信は無い。
でも芸人をやることは楽しいから続けている。
これは"腐ってる"と太朗は思いました。
売れる自信も無いのにチヤホヤされる喜びにしがみついてだらだら芸人を続けてお笑いを頑張ってもない自分は腐っていたんだ、と気づきました。
自信も無いし頑張ってもないなら辞めた方がいい、もう28歳ですし。
だから辞めようと思いました。
意思は固かったです。
太朗は辞める意思をたくみに伝えました。
するとたくみは
「今コンビを解散したら悔いが残る。僕もだらだらと芸人を続けてしまっていた。もう勘弁してくれってなるぐらいにお笑いのことを考えた事が無いから、これからは四六時中お笑いのことを考えるように努力する。だから最後この一年、本気でやってくれない?」
と太朗に言いました。
太朗が悩んでいると、そこでたくみが
「今年M-1決勝行けなかったら芸人辞めよう。僕も辞める。」
と言い、そこまで言ってくれるならやろう、と太朗もその決意に賛同しました。
2月の末でした。
かいつまんで話すとこのような形であの決意表明をするに至りました。
そして3月から毎日ネタ合わせをし、コンビの課題点、お互いの課題点、今後の方針、ライブ数の計算、生活の時間割、最低限の生活に必要な金銭面の確保、それに伴う住居の変更まで、お笑いについてだけでなくプライベートの面まで様々な話し合いをコンビでしてきました。
そんな中、突如コロナウイルスの蔓延により次々とライブが中止になり、無観客の配信となり、配信ですら中止となり、それでもネタ合わせだけはしていましたが外出を自粛せねばならなくなり、現在はお互い会うことさえ難しい、という事態になっていきました。
よしもとのライブは現段階で5月6日までは全て中止となっております。
ですがそれ以降も普通にライブができるのか現状まだわかりません。
従来、M-1グランプリは8月から1回戦が始まるので、3月から7月までの5ヶ月の内、2ヶ月間のスケジュールが飛んでしまい、
僕達の計画の実現について
本当に残念で情けないですが
"今年は計画の実現が非常に難しい"
という結論に至りました。
もちろん、M-1の決勝に行くことはただでさえ難しすぎる。
去年の確率で言うと決勝進出の割合は0.2%です。
だから僕達にはとにかく準備が必要でした。
ライブに出まくって、お客様の前でネタをたくさん試して、ネタを増やして削って、演技力をあげて、とにかく実地訓練だ。と。
それらを現段階で2ヶ月間出来ていないことは非常に厳しい状況であり、なおかつこの事態がいつまで続くかもわからない現状の中、
今年のM-1を迎えたとしたら、もしそれで今年決勝に行けずに芸人を引退することになってしまったとしたら、非常に悔いが残ると思ったのです。
「いや負ける前提で話進めてるじゃねぇか!
決勝行く気ねぇのかよ!」
そこの方、ありがとうございます。
もちろん負ける前提で言ってる訳じゃありません!
ただ、僕達があの決意表明をした1番の大きな理由は
「今までだらだらやってしまってたけど、ホンマに頑張ろう!頑張る為に覚悟を決めよう!M-1決勝行けなかったら芸人引退しよう!そうと決めたらもう頑張らんと後は無い、真っ白な灰になるまで燃え尽きるんや、泪橋を逆に渡った矢吹丈のように、in 神谷町珈琲大使館昼14時やめて〜」
な訳です!
決勝行きたいです!行く気です!行きます!
その為に今年は全て捧げるつもりでした!
でも二ヶ月なんにもライブ無い、て!笑
確かに芸人皆状況は同じですが、僕達には僕達なりの計画があって僕達のエンジンがあって僕達なりのコース取りをしないと決勝には残れないと考えてます。
周りとの戦いはもちろんですが、それよりも、自分との戦いです。
僕達の計画がお笑いとは全く関係の無い予期せぬ逸れ方をしている現状のままM-1に挑むことは、覚悟でもなく、勇気でもなく、ただの無謀だ。と判断しました。
ですので、あの決意表明は一時的に保留としたいと思います。
一時的に保留、とはどういうことかというと
"コロナウイルスの事態が収束してから、また改めて、新たな目標の設定をする"ということです。
もちろん、そこには"芸人引退"を賭けます。
お互い健康に気をつけて、1人でもできることをやり、とりあえず今はコロナウイルスの収束を待ちたいと思います。
また事態が落ち着いた頃に、新しい目標を表明させて頂きます。
応援してくださってる方々や声をかけてくださった周りの芸人の方々のお気持ちを裏切る形となり、本当に申し訳ございません。
お読み頂き、本当にありがとうございました。
どうか、応援、よろしくお願い致します!
ナミダバシ
たくみ 太朗
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?