【名探偵コナン】コナンと高木刑事の「あの世で」の約束について考えてみた
お久しぶりですみません(;´・ω・)
先週、先々週と体調不良のためnoteも支部の更新もできずにおりました……。
何か風邪から気管支炎にいってしまったような感じで、2週間経っても咳と痰が止まらないのです(´・ω・`)ショボーン
でもとりあえず何か書かなきゃってことで、ずっと頭の中をぐるぐるしてる高木刑事とコナンの関係について考察(というより徒然なるままに)を書いていきたいと思います!
◆コナンが高木刑事にだけ「教えてあげるよ……あの世でね」と言った理由
言わずと知れた「揺れる警視庁」。
あの名作の中で死を覚悟した高木刑事の「君は一体何者なんだい?」という問いに対し、コナンが発した有名な台詞ですね。
沼に落ちる前から見ていてゾクゾクする程好きなシーンでした( ´∀` )
そして今は、安室さんが良く同じ問いをコナン君に発するのに、コナン君は自らを”江戸川コナン”だとしか明かさない。
高木刑事には「あの世でなら教えてあげる」と請負ったのに対し、安室さんにはどこまでも一線を引きまくる。
そのギャップというか二人への対応の違いもまた個人的には考察し甲斐のある部分だなぁと思う美味しいシーンですね(*´艸`*)
さて、余談はこのくらいにして。
何故コナンは高木刑事には破格の受け答えをしたのか。
その理由を考えていきましょう!
①高木刑事のことを「いつか真実を話せる相手」と思えるくらいに評価しているから
先ず思いつくのは、そのまま素直に受け止めてコナンとしては高木刑事にならいつか本当の自分について話しても良いと思っている、評価している姿勢の発露であった説。
他の刑事たちに先駆けてコナンの言葉を信じ、コナンに情報を共有し、コナンの頭脳や行動に期待をかけているかのように振舞う高木刑事。
事件現場に行けば子供だというだけで話も碌に聞いて貰えない環境の中、高木刑事は誰が見てもコナンの力になってくれる頼れる大人の第一人者と言えるでしょう。
その辺りを加味しても、そして事件の情報を得る伝手としても高木刑事の存在はコナンにとって決して小さくはない筈。
そういった部分や、警察官らしい正義感と優しさに溢れた高木刑事をコナンなりに評価しているからこそいつかの約束をした、という台詞であるなら。
それは希望であり、切ない絶望も孕んだ答えだったのではと思います。
高木刑事の評価がコナンの中でいくら高くとも、黒の組織との厄介ごとに巻き込まれる愚は犯せない。
コナンならばそう考えるのは必定でしょう。
だからこそ、真実を伝えられるのは黒の組織すら追って来られない「あの世」でのみなのだと、ある意味伝えられる限り真実に一番近い部分を話した台詞でもあるのだろうなと取れば、これ程切ない話もないなぁと思ってしまうのです(´;ω;`)
コナンがコナンとして事件を解決する為の第一の頼りである高木刑事に、だからこそ真実を一番に話す事など出来はしないのだと。
せ、切ない……!
②死ぬつもりなんか端からない=「高木刑事に真実を告げる事は絶対にない」ことを遠回しに伝えた
次に考えられる「あの世で」の理由は、①とは真逆で高木刑事に真実を伝える事は一切ないという意味であった説。
①でも若干掠めている部分に近いのですが、コナンの感情としては①と②ではまるで真逆です。
高木刑事のコナンの中の評価に関わらず、「生きている間に貴方に話せることは何も無いよ」と突き放す言葉だった訳ですから。
そもそも、「揺れる警視庁」のエピソードの中で、コナンは本当に死を覚悟していたのでしょうか?
爆弾解体までに暗号を殆ど解いていたコナンには、ノーヒントでも二つ目の爆弾の候補地は都内に400カ所まで絞り込めていました。
勿論人員、時間的に400カ所すべてを爆発までに見回って爆弾解体までこぎつけるのは不可能。
だとしても、エピソードの通り爆発3秒前のヒントの内一部でも見ることが出来ればその候補地はぐっと減らすことができます。
ということはつまり、爆弾解体を申し出た時点においても、コナン自身に「あの世」に逝くつもりは欠片もないと考えても可笑しくはない訳です。
そんな中で高木刑事の問に対し、逝くつもりのない「あの世で」なら正体を教えても良いと告げるということは……高木刑事に真実を告げるつもりは一欠片もなかったと見る事もできるのではないでしょうか。
勿論コナンは意地悪をしたくて言っているのではありません。
高木刑事を組織との戦いに巻き込むつもりもなく、そして何より、あの閉じ込められたエレベーター内で高木刑事を死なせるつもりも微塵もないという決意から出た言葉だとすれば。
つまりそれは、「貴方は俺が絶対に死なせない。だからあの世で正体を語ることも絶対にない」、といった意味に他ならないのです。
もしこうした意味合いで出された「あの世」という言葉だったなら、コナンはこの後高木刑事を遠避けることもあり得るのかも知れませんね。
高木刑事や、彼を大切に思う佐藤刑事たちを傷付けない為に。
③「あの世で」というキーワードを出す事で、高木刑事を試していた
①、②までは良くある解釈であると思いますが、ではもっと別の「あの世で」の解釈はないのでしょうか?
考えた結果、あるとするなら高木刑事がどこまでの人物であるかを試すための「あの世」だった説は有りじゃないか、と思えてきました。
コナンが試したいのは、高木刑事の「覚悟」「知性」そして「行動」の三つ。
「あの世」というキーワードは即ち、今後どこまでなら今の関係を続けられるのか、どこからは立ち入られないようにすべきかを判断するための試金石であった、というのはどうでしょう。
理由③―試される高木刑事の「覚悟」
先ずは高木刑事に、一体どれだけの覚悟が備わっているかの確認です。
例えば、「あの世で」と言われて恐怖に呑まれてしまわないかどうか。
……これは言わずもがな、たかが口先だけの脅しで臆するようでは、今後の現場における協調関係にも問題が出てしまうでしょう。
例えば、「あの世」と簡単に口にする子供を、これまでと同じように扱ってくれるのかどうか。
……もしこの言葉を境にコナンの扱いを変えてしまうような人であったならば、高木刑事の取る選択によっては、例えあの世であっても自信の正体を共有すべき相手ではなかったと判断せざるを得ないともなるでしょう。
高木刑事の人間性は、基本的に善良であり正義感に溢れ、合理的・論理的・そして倫理的な判断が概ねできていると思ったからこそ、コナンは高木刑事に一目置いているのではないかと思います。
その普段の彼らしさが、「あの世」という言葉を出したためにどう揺らぐのかをコナンが観察していたのだとしたら。
迫る死の恐怖から、パニックを起こす程度の男なら論外。
これまでが買いかぶり過ぎだったのだと分かるでしょう。
勿論、恐怖故にコナンに二つ目の爆弾のヒントを諦めさせるようでも不合格。
コナンの求める正義を助けるに足る男とは言えません。
そしてまた、死ぬかもしれない状況の中、ともすれば冗談のようにも受け取れる軽い口調で「あの世でね」なんて話す子供をどう扱うのか。
普段の高木刑事は、子供であることに多少の引っ掛かりは覚えつつも、きちんと目線を合わせてコナンの話を聞いて、一緒に考えてくれる稀少な大人です。
それがもし、この命がけの状況下でコナンの話を聞く姿勢を保てなくなるようなら、今までの姿が出来過ぎていたのだとコナンは判断するでしょう。
黒の組織を相手にするなら、それこそ1200万人以上の人命を背負うことにもなり、また爆弾の一つ二つで冷静さを失っていられる場合でもない。
何なら軍用ヘリから機銃掃射されたり、水中の拠点へ向けて潜水艦から魚雷を撃たれたりなんて危機にも直面せざるを得ないのですから。
言ってしまえば”たかが爆弾一つ”で冷静さや判断力を失う人物には、これ以上の過酷な現場は荷が重すぎる。
コナンの協力者としても不適格だと言わざるを得ないのです。
理由③―試される高木刑事の「知性」
次に試していると考えられるのは、ズバリ高木刑事の知性がどれ程なのかという点。
高木刑事がコナンについつい事件の情報を渡してしまうのも、「小五郎の頼みだ」という言葉を鵜呑みにするのも、全ては高木刑事がどれ程コナンを評価しているかということの現れだと私は思います。
そして言葉や態度の節々から、コナン自身もそれを薄っすらとでも感じ取っているのではとも思われます。
着眼点の鋭さや推理の精度、そしてズバ抜けた行動力を高木刑事なりに評価した結果、コナンを尊重すべき理由が高木刑事にはあるのだとして。
しかしそれは、コナンの何をどう判断したものなのか?
高木刑事は、一体どこまでコナンの異質さを理解し、許容できるのか?
それを確認するため、コナンは敢えて「あの世で」と子供らしからぬ言葉を投げ、高木刑事がコナンという子供の存在に疑問や違和感を抱くように仕向けたのだとしたら。
そこで彼が何を考え思い至るのか、コナンはその辺りを見定めているのかも知れない……と思うととても胸が熱くなりますね(笑)
事も無げに爆弾魔の暗号を解き、爆弾を解体し、しかも刑事一人の命をも握ってギリギリまでヒントを得ようと爆弾解体をしないままでいる。
そんな大人でもへたり込むだろう程のストレスに晒されて、まともでいられる子供が一体何人いることか。
どう考えても、そんなことが出来る人間はごく僅かの限られた者だけです。
そんな異質なまでに他を圧倒するコナンの知識や度胸、卓越した頭脳はどこで磨かれたものなのか。
コナンの腕は、頭脳は、一体どこまで通用するのか。
謎めいた子供の秘密をまざまざと見せ付けられて、気にならない訳がない。
しかも件の子供は、少なくとも当分の間は答を教えるつもりは無いと言い切っている。
そんな謎を目の前にしたら、一体高木刑事はどうするのでしょう。
安易にコナンの秘密を暴こうとするなら、それは自ら危険に飛び込むことを意味します。
コナンが軽々しく己の正体を明かさない理由は何か。
僅か7年ばかりの時間を、一体どう生きて来ればこんな信じがたい能力を獲得できるというのか。
知性が高ければ高い程、コナン自身を含め、コナンを取り巻く状況の異常さに、その安易に触れてはならない危険度の高さに気付く可能性は高くなります。
「あの世で」なんて言い回しを使って気を引いておきながら応えを焦らすことで、今後高木刑事がどの程度までコナンの置かれた状況を察知できるか、どの程度頭が回る人なのかを試していたのでは、という解釈もなかなかスリリングで面白いような気がしませんか?( ´∀` )
理由③―試される高木刑事の「行動」
「覚悟」「知性」と来たら、やはり最後に試されるのは「行動」でしょう。
覚悟、知性共に合格ラインであればこそ、ならば今後自分はコナンにどう接するべきか、コナンの情報を得ようとどれだけ足掻くべきかという問題に行き当たるのではないでしょうか。
コナンの情報を求める余りコナン自身を疑うような、或いはコナンから疑われるような行動を取らないかどうか。
コナンの異質とも言える優秀さより「子供である」という事実を重く見る余り、その行動を制限するようなことはしないか。
コナンという解決への最短距離を走る人物の手腕に溺れ、刑事という己の職務を忘れたかが一人の子供を頼り切るようなことは無いだろうか。
ある意味高木刑事の大人としての、刑事としての矜持や責任感を試しているとも言えるかも知れない試練ですね(笑)
折角これまで築いてきた大人と子供、刑事と探偵というある種の信頼関係を損ねることなくコナンの傍に居続けられるのか。
コナンという存在をどのように捉え、どの程度の価値を見出し、協調、協力、対立、庇護その他のどのような形でコナンと共に在ろうとするのか。
もしもコナンが、高木刑事を単に都合の良い現場の捜査官という以上に評価していたならば、未来に備えて彼の選択がどのようなものになるかを知りたいと思うこともあるかも知れませんよね。
警察関係者としてなら、一応協力者という枠にお互い収まった降谷さんとコナン君とは、けれど互いの譲れない信念や正義の相違がこれからもあるでしょう。
FPI捜査官の赤井さんは、コナンが子供であることよりも使える人材であることを重視してはくれますが、共犯ではありつつも犯人排除のために用いる手段の選択にコナンとは相当な差があります。
FBIは言わずもがな、公安だって時には違法行為をしてでも目的を遂げるという非情さを持たざるを得ない立場なのですから。
一方高木刑事は、市民や子供を守る立場の警察官であり、解決手段としては犯人逮捕を是とする職責を負っている。
高木刑事たち捜査一課の言う”解決”とは、犯人を逮捕し、事件の真相を明らかにすること。
即ち高木刑事の掲げる正義は、探偵であることを自負するコナンの正義と、実は誰よりも近いものと言える。
そんな高木刑事だからこそ、例えばコナンという人物を知るためにどこまでの手段を取るのか、コナンの持つ能力を使って何を為そうとするのかを確かめておきたいと思っても不思議ではないと思うのです。
その行動を促す布石、或いは文字通り試金石としての「あの世でね」というワードチョイスであったとしたら、やはりコナン君は物凄く高木刑事を買ってるんじゃないかな、と思えて仕方がないですよね。
だってこんな言葉で試すくらいなら、その背景には高木刑事なら期待に応えてくれるんじゃないか、という期待があるように思えてならないので( ´∀` )
解釈は人それぞれ
とまぁ、取り急ぎ三つほど考察をしてみましたが、果たして皆さまの解釈と重なる部分はあったでしょうか?
正直高木刑事とコナン君の関係性はかなり掘り起こし甲斐のある宝の山だなと思っているので、実はもっともっと言語化できていない感想やら感情やらもあります。
が、止めどないので今回はここまでで(笑)
皆さまの中の「あの世でね」の解釈を、ぜひぜひ沢山お聞きしたいです~(*´艸`*)
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