米国視察レポ 活況に沸くオースティンの不動産事情
ファイナンシャルプランナーの吉岡奈美です。
2017年秋に訪れたオースティンでは、現地不動産会社にアテンドしてもらって実際の売買物件を見学させてもらいました。日本とはまったく違う価値観で取引されているアメリカ不動産事情を体感できた貴重な経験でした。
今回はオースティン不動産の人気の理由をnoteします。テキサス州の州都であるオースティンについてはこちらをご覧ください。
最新2019年度版
住みたい町ランキングNo.1
訪問してから2年近く経っているので改めて調べてみたところ、当時と変わらずオースティンは堂々の一位にランキングされていました。
まずは、U.S. News & World Report の内容を確認してみましょう。
図表抜粋: https://realestate.usnews.com/places/texas/austin
仕事がある
前回のnoteにも書いた通り、オースティンは全米第2のIT都市と言われていて給与水準も高く、
雇用環境が良いため、失業率が全米平均よりもさらに低くなっています。
教育環境がいい
オースティンには多くの学校もあり、17の高校がUS News&World ReportのBest High Schoolsランキングに入り、6校中1つの大学も同Best Collegesランキングに入っていることから教育環境が整っていることがわかります。
犯罪率が低い
犯罪率も全米平均より低く、治安がいい町でもあります。
若い人が多い
人口分布の中央値が34.2歳となっていて若者の多い町といえます。
日本とは違う不動産選びの視点
日本で住宅購入を検討する場合、一般的に駅からの距離や通勤の利便性、建物の築年数 及び その状態が重要視されると思いますが、アメリカではそもそもの視点が違います。
オースティンの例で確認してきた通り、U.S. Newsの住みたい町ランキングでフォーカスされていた項目が、すなわちアメリカ人が不動産を買う時に気にしている項目となるのです。
Overview 住みやすさ=物価水準や住民の年齢分布
Jov Market 雇用環境=仕事があること
Schools 教育環境=よりよい教育を受けられること
Crime 犯罪率=治安がいいこと
そして、圧倒的な車社会なので、日本のように駅近物件という価値は、ニューヨークなどの大都市以外はあり得ません。
ランキングされる公立学校
特に、教育環境を重視するというところに興味を持ちました。
日本と違い、広大で多様な文化が入り混じるアメリカでは教育水準に地域格差が生じるのだそうです。そのため、どの公立学校の学区なのか?ということが不動産価格にも大きな影響を与えます。
教育環境がいい=治安がいい
ある程度 所得の高い世帯の方が教育にお金をまわすことが出来るので、ランクが高い学区には所得の高い層が集まることになり、結果としてコミュニティの治安や雰囲気が良くなる傾向があります。治安がいいことでまたその土地の不動産価値があがるという良いループが生まれるのです。
まとめ
FPとして相場の指標となるダウ平均株価が上がっていることは、もちろん認識していましたが、この時のオースティン滞在で景気の良さを肌で体感することになり、改めて驚いたことを覚えています。
失業率のグラフでもわかる通り、2008年のリセッションから10年間で落ち込んだ分を取り戻し、さらに経済成長し続けているアメリカの強さを見せつけられた気持ちでした。
今回テーマにしている不動産取引一つを取ってみても、とても透明性が高く流動性があります。そういった経済をより良く回す仕組みがあることも経済成長を支える力になっているのでしょう。次のnoteに続きます。
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