サカナクション「暗闇」を感じてきた。
※ネタバレ注意。
あいちトリエンナーレ2019のプログラムの一つでもあるサカナクションの「暗闇」を観てきました。
わたしみたいに語彙力がない人間が感想を書かなくてもいいかなと思ったんですが、たぶん人によって全然見えるものも違うだろうし、自分自身も他の方の感想をすごく見てみたいのでメモとして残しておきます。詳しい内容や設備的な部分を知りたい方は是非他の方のレポートなどを参考にしていただければ…!
【チケット購入】
今年の4月の最速先行でチケットを購入したんですが、その時点ではサカナクションが「暗闇」というタイトルで何かをやる。という情報のみでした。
暗闇の中でいつものようなライブをやるのか、暗闇の中で音楽流れるけど実は本人たちは来ないのか…等まったく想像がつかず正直不安でした。
【当日開場】
わりとギリギリに会場入りしたんですが中に入ってびっくり!会場全体が紫色の照明で包まれていました。その中でずっと聴こえる鐘の音…黒子の格好をしたスタッフ(?)の方がお香を持ち通路を歩いている…観客のほとんどが黒づくめの服装…(自分は上だけ黒でした)
もうここでとんでもないところに来てしまった感がすごかったです。
【構成】
席に着き配られたレジュメを見ると4幕構成だということがわかります。
第4幕の(演出なし完全暗転)という文字を見て軽くヒエッとなりました。
【サカナクション登場】
静かに5人が舞台に上がります。いつものライブだと姿が見えた瞬間に拍手と歓声がすさまじいのに今回は全体が静寂に包まれていました。(礼をした時には拍手がありましたが)
【プラクティス チューニング リズムのずれ】
暗闇がどんなものか知るのと体調が悪くならないか確認をするための5分間の暗転。事前にここで無理だと思った方は退出を薦められるアナウンスをされます。かなりの緊張感。
目を開けていても閉じても同じ「暗闇」に包まれ、恐怖を感じてしまいちょっと涙が出てきてしまいました。
でもその中で聴いた音は本当に鮮明で深くてバシバシと体に入ってくる感覚でした。2500人ほど同じ会場にいるはずなのに一人でいるみたいな状態を感じることができるのは本当にすごかったです。
【本編】
プラクティスが終わり本編へ。ここで退場した方がいらっしゃったのかは確認できていませんでした。
第一幕 Ame(c)
雨の日に街全体が停電した暗い家の中にいるような感覚。
雷の音と照明の使い方がリアルで驚きました。思わずビクッとなってしまった…傘の演出も素晴らしかったです。
それにしてもこれCD音源として欲しいです…
第二幕 変容
「茶柱」の曲とお茶の香り。ここで緊張感がフッと和らぎました。
とても心地よく響く山口さんの歌声。暗闇にいつも以上に歌詞がスッと入ってくる感覚は面白いです。歌詞の「ただ泣いてごまかせたのに」で思わず鳥肌が…
そして「ナイロンの糸」。こちらも演出と相まって美しく素晴らしくて涙がボロボロと出てきました。
第三幕 響
とにかくかっこよかったのがこの第三幕。
ひとつひとつの音がだんだん合わさって盛り上がっていく感じが本当にテンション上がりました。着席してる場合じゃないって思いました…!(※着席必須なので無理ですが!)
第四幕 闇よ 行くよ
(演出なし完全暗転)という言葉にヒヤヒヤしていた第四幕。
やはり最初はめちゃくちゃ怖かったです。
目を思い切り開けても何も見えない、自分が今どこにいるのかもわからない、自分が今生きているのか死んでいるのかもわからないという恐怖に襲われながらもひたすら流れる音楽を全身で受け止めることしかできなかったです。
途中いつだったか紫の光がグルグル回るような映像がみえたのだけど、たぶんこれは幻なんだろう…ほかの方には何かが見えていたのだろうか…
【退場】
サカナクションの皆さんが最後に出てきて礼をして退場。
…するのですが最初観た時と違い何やら舞台に奥行きが…(搬入口??)
盛大な拍手の中、奥に向かって消えていく5人…という退場の演出がとにかく素晴らしかったです。
【おまけ】
第二幕の茶柱で使われた茶葉は終了後にアナウンスで「数量限定で販売いたします」というのが流れて思わずフフッてなってしまいました。
ネタバレ回避の隠れグッズ!闇茶という名前だったらしいです。ちょっとほしかった…
というわけでつらつら書いてみました。
今回の愛知だけではもったいない素晴らしい内容だったので是非暗闇ツアーをやってほしいなと思いました。またチャンスがあれば見たいです…!
それにしても暗闇が怖くて泣いてしまった旨を同行した妹に話したら「え?なんで?」みたいな返答であれれ?となってしまいました。確かにわたし暗いところで寝られなくて豆の明かり付けて寝るタイプだけど…!
みんな平気なの??大丈夫だった??と問いかけたい…ほんとに…