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父 ヒロスケ

私の父の名前はヒロスケ。大輔と書いてヒロスケと読む。

真面目で仕事人間。普通のサラリーマン。
私が友達の話をしたら、『その子はどこの大学出身?」と言う。偏差値が大事らしい。
若い頃は男尊女卑とまでは言わないけれど「男は仕事で女は家庭」「男子厨房に入るべからず」「俺が稼いだお金で家族は生活できている」の考え方が軸にある人だった。

時代も変わり父も勤め先で社長や人事の役職を経てそんな考えは薄くなり、今では毎週末近所でひとり暮らしする祖母(ヒロスケの母)のために掃除したり食事を作ったり庭の剪定もするしオムツだって替えてあげる。

ひと昔前のマンガやドラマに出てくるようなねちっこい嫌味を言う人ではあるが、私に何かが起こるとなんやかんやで歩み寄ってくれるヒロスケ。私にとって唯一の優しい父親である。
(ただ喧嘩をすると数日口を聞いてくれなくなる)

さて、そんなヒロスケも2019年は年始から心臓の手術をしている。大病ではないが、今まで入院したことがない人がいきなり手術をするわけなので私もザワついた。けれどありがたい事に手術は滞りなく終わりヒロスケも無事退院。

ヒロスケは私にこう言った
「お父さんは心臓の手術をしたばかりだからこれからは労わるように」と。
私は答えた
「へーい」と。



ヒロスケはまさかそれから半年も経たないうちに自分を労ってくれるはずの娘が未婚で出産すると言い出すなんて思ってもいなかったであろう。
私もまさかその1年後に、自分の子供の脚マッサージをヒロスケにしてもらうことになるとは想像もしていなかった。

事実は小説より奇なりである。

ヒロスケの脚マッサージを施術中の新生児
(脚をマッサージをしてあげると便秘しにくくなると言って率先してやってくれていたが効果があるのかは未だ謎である。)

#エッセイ #備忘録 #未婚シングルマザー  

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