2022年3月13日 打合せ記録
前置 久根下計画のデザイン
1.『コモン』が中央
久根下計画には、『コモン』と呼ばれるスペースがあります。
4住戸の住民が共用庭として活用する場所です。
設計図では、中央に『コモン』が配置されています。
コモン(居住者が誰でも利用できる場所)
セミコモン(コモンとプライベートが混じり合う場所)
プライベート(住居の場所)
と分けられます。
イメージ図は下
中央緑色の部分がコモン、青がセミコモン、赤がプライベートと、中央に行くほど開放的なスペースで外に行くほど静かになっていく場所です。
そして、4棟は別れた住戸でなく、緩くつながりをもった4戸の住居で、一つにも見えます。
全体がシンプルな田の字型です。
このイメージをもとに、設計図に落とし込むと・・・
プライベートの生活空間は、居室,寝室,水廻りを連続配置
各部屋がⅬ字につながることによって生活領域が確保される
セミコモンとして、土間玄関、土間キッチンを配置
コモンに少しかかる外土間を配置することにより4棟を緩く繋ぐ
というデザイン構成になります。
コモンには、おのずと中央に人が行き来する流れができています。辻堂のミニ辻です。
中央に集まるのは人だけでなく、自然の恵みの雨も。
これをくみ上げ、利用できるような仕組みを取り入れる。
(井戸又は地中タンク埋設)
海から帰った時に砂を流したり、夏の外土間の打ち水にしたり、水遊びに利用できそうです。
以上、ビオフォルム環境デザイン室の山田さんからの、久根下のデザイン概要のお話を参考に説明させていただきました。
2.『コモン』の存在
『コモン』が中央にあることで、『辻』になり、
日常では、通路、風の抜ける場所
集まれば、作業場所、コミュニケーションが生まれる場所
誰もいないときもここに居たい場所
観れば、緑を感じ 草木虫たちの観察ができる場所
耳をすませば、風の音、鳥の声
季節の 風景,匂いを感じる場所
いつも海風が通り抜ける場所
大家さんの概念である
建物+コミュニケーション+自然環境が『コモン』でつながりました。
ここを訪れた人々が、この風景をまねしたいと広まっていくことも、期待したいです。
打合せ記録 改めてプランを確認する時間 (3/13)
前回の打合せで、設計からの提案でコモンに開く各戸コーナーの部分にカウンターをつける斬新な提案がありました。(上の写真からも確認できます)
ここは暮らしの玄関口であり、内はキッチン部であることから
外からの視線がなかなか気になるぞ・・・
「時間をとって丁寧に議論をしたい!」
と、大家さんの思いが膨らんだようです。
手っ取り早く
いつも設計打合せに同行しているランドスケープデザイナーの岡部さんと私に大家さんより召集がかかりました。
そして、現地を歩いてから『縁と緑』で話す時間を持ちました。
『縁と緑』で話し合い
現地を確認してイメージを膨らませて・・・図面へ
詳細は、上の「0313打合せ.pdf」にあります。
大きなポイントは3つ
1.大家さんが注目した、外からの視線の対策として
→室内が見えすぎない工夫。
・常緑中木をバッファとして視線コントロール
・玄関ドアやキッチン窓は、地面から腰まではシルエットが見えないような仕様。
・腰から上は内部よりブラインド等を設置。
4戸共通の仕様で外観のデザインを統一。
2.外側土間の照り返しが内に入り込まないようにする。
→簾を設置し、影を作り出す。
設計に盛り込むことで、デザインも日差しもコントロールできる状態にできる。
3.キッチンコーナ部にあった出窓カウンターの設計提案
→土間端部へ移動。
湘南らしさを大切にし、セミパブリックの空間をデザインする。
その他、実施設計の最終段階なので、今後大きな変更はなくせるように、ロフトの大きさ、窓の位置等 改めて全体も確認しました。
などなど、住む側の気持ちになって考えた結果を設計に戻し、設計側に適当であるか議論していただくようにお願いしました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?