ある男がいた。

「27歳になったら死ぬわ。」

そう言い切った男がいた。

元カレである。

別にメンヘラとか、病んでるとか
そういうわけではない。

単に無茶苦茶な決断をするやつなのだ。

その男とはマッチングアプリで出会った。

顔は濃く、かっこよくて
ちょっと考え方が大人だなぁ、
と思えるくらいの人だった。

当時21歳。

思えば只者ではなかった。

変わりすぎていた。

いい意味で。

本当に感受性が豊かで
どこからともなく
面白い情報や良い曲を知っては
私に教えてくれた。

ご飯をとても美味しそうに食べるのが得意で
一緒にいるときは、ほぼ家で食事を共にした。

食事と、そこの場での会話をした時間が
とてもとても長く、印象的だった。

(男のマシンガントークに対して
私が相槌を打つことが殆どの会話だったが。)

そんな男がなぜ死ぬなどと言ったのか

それは、

自分の人生に責任を持って

妥協せず生きたいという

決意の表れからだった。

人生一度きり。

その事実を本気で受け止めて

立ち向かおうとしている。

衝撃的だった。

でもなぜか考えに共感することができた。

「人生一度きり」とは良く聞くが

その言葉通り
人生に価値を感じ

後悔なく
楽しく人生を全うできる人は

どれだけいるだろうか。

そう考えた時に

私はここまで人生と向き合っている人と
今まで出会っていない事に気づいた。

今回の決意がどのように
彼を操作していくのか

本当に予想が出来なくて
本当にワクワクしている。

もうしばらく会えないけど

これからも彼の変わる姿や
彼が見る世界を見てみたい。

私はめちゃくちゃ面白い人に
出会ってしまった。

この気持ちを忘れないように記録した。