退職予備軍
オフィスにつき自分のデスクに着席し深夜に送られてきた関係各所からのメールを確認しているときに
「あれ?自分の人生、あと死ぬだけで完成では?」
と気付いてから「限りある人生の時間と活力をこんなこと(仕事)に費やして干からびて死んでいくのはどうなんだ。」と思いもっと早く会社を辞めるべきだったと思った。
入社してすぐの研修期間で自分がいる会社の未来と業界の行末のようなものの想像ができてしまい、早く離れようと思ったけれど「とりあえず3年は続けたら見える景色が変わるかもしれない」と思い、1年・2年が経過して残すところあと7ヶ月ほどで3年を迎えようとしている。
研修期間の際に感じた会社の未来と業界の行末は今の所は大方間違っていないし、そのときに感じた会社に対する違和感のような物は今も消えることなく残っていて、自分の勘の良さにびっくりしている。
加えて一級建築士の資格は取得する気は一切なく、今となっては別の業種に移ることすら考えている。
母に退職の意向を伝えたところ「せっかく大学院まで行ったんだし、せめて2級建築士くらいでもとっときなさいよ」と某ユーキャンのペン字講座と同じくらい毒にも薬にもならない2級建築士資格の所得を勧められたので「建築にもう関わりたくない。」ということを伝えた。
「一目見ただけで心踊るような建築を作りたい!」と目を輝かせて建築に勤しんでいた学生の頃の自分は死んでいた。いや、殺されていた。
「大学院まで行ってコレかよ」と自分に対しての情けなさに似た感情も感じている。
ワンミスで何十億円する建物が建たなくなる、あるいは工期が大幅に遅れて契約違反になり何千万単位の損害賠償が発生するかもしれないプレッシャーをたった1人で抱えてそれに年単位で耐え続けた結果出来上がるのがただの鉄と石とガラスの塊って。と思うようになってきている。
就活の時に説明会で「建物が竣工してお施主さんに引き渡した時が1番やりがいを感じます」と社員が言っていたけど、そう言った重圧から解放され時の開放感をやりがいと勘違いしてたんだろうなということに研修期間の時に気付いた。
2021年5月に入社し2024年5月で3年間勤めたことになりそのタイミングでやめようと考えているが、ボーナスまでもらいたいので7月末に退職を考えている。
7月分の給料、ボーナス、退職金、未払いの残業代が今いる会社からの最後のお小遣い。使い道は今使っている2015年版のMacBook Proを新調したり、旅行に行ったりしばらくゆっくり生きていきたい。