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激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者【感想】※ネタバレ有

令和の劇しんです。

昨年のハリケーンがここ数年の中で結構ヒットしたので、かなり自分の中でハードルが上がっていたと実感。

それもそう、

・「クレヨンしんちゃん」でキーアイテムがクレヨン
・久しぶりの喋るぶりぶりざえもん
・原作にも登場したニセななこ
・主題歌がレキシ
・ハイセンスなポスタービジュアル ↓

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もう本当すいません、ぶっちゃけ大傑作の予感を両手に抱えて劇場に足を運びました。

いや!良かったんです。全然。前々作のカンフーよりも好き。ユメミーくらい好き。

なんだけど、私が好きなクレしんってもっと危なっかしくてハードボイルドなんです。
オトナ帝国のような渋み、ジャングルやブリブリ王国の本格アクション、ヘンダーやタマタマのようなホラー感や焼肉のような切れ味抜群のギャグ・・
100か0かのアンバランスさ、綱渡りのようなギリギリを攻めた笑い、大人が喜んじゃう無駄なこだわり描写

↑こういうのを求めてた人は肩透かしを食らってしまうと思います
ぶっちゃけギャグが全然だった。もっとスピード感とキレが欲しかったので全体的にテンポいまいちかなあと。

先にいただけなかったポイントを・・
全体的にストーリーは結構粗めです。
この物語に登場するラクガキングダムは、地球上の子供達の自由なラクガキパワーで雲の上に建国しているラピュタです。
昨今のIT化で子供達が落書きをしなくなっていったので、国家崩壊の大ピンチ。じゃあ子供達に落書きさせてパワーを作るぜ、名付けて「ウキウキカキカキ大作戦」。
要は無理やり落書きさせまくるんだけど、まあ結局嫌嫌描かされた落書きは大したパワーにならんのですけども。
で、そのウキカキ大作戦を阻止するために、姫と平田広明(キャラ名忘れた)は描いたものを具現化できるミラクルクレヨンを使える勇者になんとかしてもらおうって、勇者しんのすけにクレヨンを託すわけです。

そのクレヨンでなんとかしてくれ!どうすりゃいいかあんまよくわからんけどとりあえずなんとかしてくれ!って感じで託すわけ

ウキカキ作戦の実行側は割りとちゃんとキャラ何人か作ってて、あ、このお姉さんはチョキリーヌポジションかなとか思ってたら全っっ然活躍しねえの!!バトルはほとんどありません!!え!?じゃああのキャラ達なに!??ただのモブ!?!?

んで、いきなりラスト言っちゃうけど、結果、ラピュタ崩壊、春日部に城が落ちてしまうのをでかいぶりぶりざえもんで物理で止めるということで治まったわけなんだけども。
ちなこれブタノヒヅメファンへのサービス演出かなと思ったんですけど、ちょっと過去作のオマージュにはお腹いっぱいになってきています。
ラクガキングダムのぶりぶりざえもんどんな感じ?って聞かれたら「ブタノヒヅメ」って答えれば大丈夫です。
最後の決め台詞「ローンも可」が「キャッシュレスも可」になってました。
この辺は最高。

や、しんのすけもいい感じに押し付けられたもんだなぁと終始思いながら見てしまいました。

まあ落書きをして、ニセななこやぶりざえ、二日目のブリーフ達と冒険をするわけですが、いろいろあって静岡から出発することに。
道中相模湖に立ち寄るんだけどそこのメシ屋で知り合った黒沢ともよ(キャラ名以下略)は母親が春日部に行ったっきり帰ってこないので、この旅に合流します。
ここの黒沢ともよとの関係性があまり描かれてなかったので、物語終盤の演出にあんまり没入できませんでした。

あとは、これまで何作もクレしんを見てきた私がかなりきつかったシーンがあったんですが、終盤浮力を失っていくラクガキングダムが春日部に落ちていくシーンで、ミラクルクレヨンを使い切ってしまったしんのすけが春日部中の大人達によってたかって責められます。

少し前までは、王国の兵に壁に閉じ込められていたのを助けてもらってあんなに感謝していたのに、その数十分後にこのシーンが来るわけです。
いや、ベクトルは違えどロボとーちゃんの死に匹敵するくらいしんどかったです。

ある意味現代の風刺が効いてるなと思ったんですが、これ子供が見てトラウマにならないかなと心配になりました。というか自分が子供だったら普段みさえやいろんな大人に怒られても破天荒さを失わないしんのすけがこんな状態になってて見るにたえないだろって・・!

それと、この映画でもしんのすけが泣くんですよね。
最近のしんのすけ、涙もろい説を推していきたいんですけど。
個人的には滅多に泣かないしんのすけの方が好きなのだ。

とまあネガティブな感想はここまでにしておいて、京極監督なだけあって
よく動くし、カラフルです。色彩豊かだし、劇中に出てくるリアル落書きはこれ子供達が描いたんだなと思ったら案の定、春日部市の子供達でした。
そういうところの演出はすごく素敵です。

あとは今作のMVPはぶっちゃけニセななこ。
絵が下手なので、実物ななことは全くの別物です。よくTLの絵師達が思うてたんと違う!ってしんのすけがなってる。
一途にしんのすけを思い続ける行動がずっとぶれなくて堪らないです。
最初は引いていたしんのすけもニセななこと徐々に旅の中で絆を作っていくので、最後別れのシーンは涙ものです。

描写の細かさでいったら、監修付きの自衛隊演出、トランシーバーのやりとりなんてそこまでやらんでいいやろwってくらいちゃんとやってるんです。
それとぶりぶりざえもんが一丁前にバイク乗るんですけど、ちょっと走るだけなのにエンジンの破裂音とかも鳴らしてる。なぜそこのSEこだわった。好き。

ラストの春日部市民全員でクソデカぶりざえを書き上げるところとかすごく良いです。スプラトゥーンみたいで。
私みたいに偏ったクレしん愛を持ってなければ普通に平和に全然楽しめます。

ほんでギガアイシテルはブチくそ良曲でずっとリピートしまくってます。
歌詞がとても良いので、ちゃんと歴史(鳥獣戯画)を絡めてるところが完成度高い楽曲です。

正直もう一度咀嚼するために見にいきたい気持ちはある。
すっきりと手放しであぁ〜〜〜!!良かった!!とならない正体は何なのか。

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