私は暮らし方に鈍感だったのか
今年2020年のお盆は本当にどこにも行く予定も立てなかったので今進めている夫実家の2階フルリノベーションのことばかり考えた。
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アルパカと関係のない家づくりエッセイです(突然)
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instagramで好みの内装を探し回るうち、ああしてみたいこうしてみたいと妄想が膨らんだ。作り付けの大きな本棚、TVを壁付けにしたらスッキリしそうだな、仕事はリビングの机でするだろうから、南向きの日当たりの良い小さなスペースを私用にもらって、作り付けのベンチソファを置く。
でもさっき、手元にあったCASA BRUTUS「美しい住まいの教科書」の伊藤まさこさんのお家の記事を読んでいて気が付く事があった。
伊藤まさこさんは引っ越しが好きで、規格の形に自分の暮らしを合わせるのが窮屈だという。私は引っ越しを41年間で2回しかしていないし特に実家は結婚する30歳まで居たが、そこで暮らしを合わせるのをあまり窮屈に思っていなかった。ライフスタイルはめちゃめちゃ変わっているのに。私は暮らし方に鈍感だったのか。でも逆を言えば住まいを変えない暮らしにある程度満足していたというのもあるかもしれない。そこに何か家づくりのヒントがあるのではないか。
私が小学1年生の頃、アパート暮らしから新築の一軒家を建てて引っ越しをした。姉は間も無く中学に上がることもあり個室が与えられ、私と妹は南向きの明るい大きな部屋をもらい机とベッドを並べていた。私が高校生になると部屋の真ん中を家具で仕切って2部屋にして使っていたが、部屋の狭さに飽きて真ん中に置いていた家具も撤去しベッドを3つ並べて三姉妹で寝ていたこともあった。そう言えば母が模様替えが好きで、夏と冬ではリビングのテーブルも変えていたこともあった。新鮮な気持ちになれたなーなんて記憶が蘇る。
同じ場所に長く住まうコツの一つは模様替えなのかもしれない。
そしてもう一つ。
伊藤まさこさんの引っ越し生活。引っ越しが多い人ほど暮らしにより敏感になり必要なものが研ぎ澄まされていく。記事を読んでもスッキリとした暮らしの心地よさが伝わってくる。
意識はしていなかったが模様替えをするタイミングは気まぐれな気分転換だと思ってきたけれど「なんとなーく生活しづらいな…」と感じると行なっていたように思う。引っ越しほどのリセット感はないけれど。
こうなってくると引っ越し生活に憧れも生まれてくるが、多分終の住処になるであろうこれからリノベーションする家のことに思いを巡らせねばならない。
本棚を作りつけたい、小上がりみたいなベンチを作りつけたい、TVを壁につけたいと薄ぼんやり思っていたけど「模様替えしよう」と思っても流石に作りつけたら動かせない。作り込み過ぎはきっと私に合わないのかもしれない。本棚は買えばいいしベンチソファを買えばいい。TVももしかしたら将来的には要らなくなってプロジェクターだけで良くなるかもしれない。
そうなるともうただの箱になるな…。家づくりは足し算と思いきや引き算の世界だったのか?もうすぐハウスメーカーさんとの打ち合わせだが、お盆のあたりに考えていた事が今ゼロに戻ったので少し困惑している。
だが長く住まうため、暮らしに敏感になるためにも引っ越しと同じような側面を持つ模様替えができる余力のある家にしたほうがどうやら私にとっては良いようだ。
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