アルパカとわたしのこと「日本にアルパカが知れ渡った出来事」
日本中の人がアルパカを認識したあのCM
2008年夏。ついにこのモフモフで首が長くて足が短いシュールな動物が日本中の人に知れ渡る出来事が訪れる。
ミラバケッソのクラレちゃんCMである。
女優さんが一生懸命アルパカに「ミラバケッソ」という言葉を教え「ミラバケッソ」とアルパカが喋る、そんな内容でとにかくアルパカが可愛すぎた。
これは化学メーカー株式会社クラレのCMで、「ミラバケッソ」はクラレの広告キャンペーンのキャッチフレーズで「未来に化ける新素材」という意味だそうだ。
私がいままで写真で見ていたアルパカと比べ、真っ白でふわふわだった。顔もとても可愛い。私が一目惚れしたあの首が長くて足が短いフォルムにプラスαされた姿がとても衝撃だった。
アルパカを知っている私ですらそんなかんじなので、この動物を知らない人たちにはどんな衝撃があっただろう。
その衝撃は、翌年とたんに溢れ出したアルパカの人形やグッズが物語っている。
2009年は第一次アルパカブーム
…と呼んでいる。(私の中で)
ゲームセンターにはアルパカの可愛い人形が景品として沢山並び出し、ファンシーグッズショップにもぬいぐるみやグッズが並びだした。
2009年、セガトイズが『ミラバケッソ。ぬいぐるみシリーズ』を発売している。
アルパカの可愛さとふわふわさを楽しめる「ぬいぐるみ」はグッズ化との相性も良い。私もこのシリーズの「クラレちゃん ぬいぐるみキーチェーン」を購入し今も手元にある。
クラレちゃんシリーズはいつまで販売されたのだろうか?と調べてみたところ2015年までのものが見つかったので最低でも6年間はさまざまなクラレちゃんグッズが販売されていたようだ。
株式会社アミーズの「アルパカッソ」シリーズは2009年から販売開始されており現在でも新シリーズが出るなど現役なものもある。
このように2008年のクラレのCMから火がつき、アミューズメント界隈で爆発的に商品化が進み完全に日本での市民権を得たのである。
ちなみにクラレちゃんは初代から那須アルパカ牧場のアルパカをモデルとして起用していて(本来の名前はちゃんとある)、2008年から2016年まで総勢10代目までのアルパカたちが毎年入れ替わってクラレちゃんとして活躍していた。また、調べた限りでは2016年12月でアルパカのCMシリーズは終了したようだ。
「アルパカ日本史」みたいな感じになってしまったが、このような感じでアルパカの知名度がぐんぐん高まっていった。
この時わたしがどう思っていたかというと「やっと時代が私に追いついたか…」とひとりほくそ笑んでいたのだった。誰でもインディーズのバンドがメジャーに出ていき「ああ…みんなのものになったのね」という気持ちになった事があると思う。私もやっぱり「私だけが密かに愛していたアルパカが日の元に」という一抹の寂しさはあったが、こうしてたくさんの人に知られて行くのを見るのは爽快さすら感じていた。
手元にやってきた日本で生まれた日本人のためのアルパカグッズ。可愛らしくデフォルメされたアルパカのキャラクターたちを眺めるたび、「なんか…そうではないんだよな…アルパカはシュールなところが良いところなんだが」という気持ちが沸き起こった。現にその頃のグッズは手元にこれだけしかない。
アルパカブーム到来の影で、この違和感が私の中で少しづつ大きくなっていったのだった。
つづく
次回「アルパカ雑貨を作ろうと思ったきっかけ」です。お楽しみに!
追記.次回タイトルを変更しました