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20,12,27。こんなマンガを買いました。

前回に続いて購入したマンガの紹介です。

       「戦争は女の顔をしていない②」小梅けいと

ロシアの女性ジャーナリスト、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチによる第二次世界大戦下のソビエトで対ドイツ戦に従軍した当時の女性兵士達へのインタビュー集を小梅けいと氏がコミカライズした作品の2巻です。

本作に興味を持ったのは作画を小梅けいと氏が担当したという「何故?」という違和感からでした。

氏の作風は同人作品を含めて知っていましたが、たとえ軍事マニアであったにせよ本作の様なシリアスで重い作品のコミカライズを何故引き受けたのかそしてどう表現するのかに興味を持ち1巻を購入。

読んだ感想は「これは相当に気合が入ってるな」でした。

あえて自らの作風の良い所を押さえてまで描かれる当時のソビエト女性兵達の日常は牧歌的でありながらも残酷で過酷な物でした。

そこには華やかで可愛いキャラが活躍する英雄譚など欠片も存在していません。思いきりざっくり表現するならばソビエト版「この世界の片隅に」と言える作品なのですが、明確な主人公が存在しない分コミカライズにのぞむにあたっての書き手の熱量は相当な量が必要だった事でしょう。

今回の2巻でもその熱意は変わる事無く、むしろ1巻を凌駕する出来になっており驚かされました。

素朴な愛国心から戦地に赴いた女性達の日常は華々しい戦果とは無縁で、ただただ過酷でほんの少し牧歌的な日々がリアルにつづられています。

過酷な日々は乙女たちから女性らしさを奪っていく事になり、ある意味男達よりもドライな感性で生き残るために日々を過ごす事に。

2巻で最も印象的だったセリフは「ドイツ軍の死体が至る所に転がっていた。私は御者で砲弾を積んだ箱を運搬してました。車輪の下でこういう死体の頭蓋骨が折れる音がしていた…骨が折れる音が…嬉しかったわ」でした。

決して万人に好まれるマンガではありませんが小梅ケイト氏の情熱が読み手に伝わる作品という印象です。手に取って損のない一冊だと思っています。


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