20,12,30。こんなマンガを買いました。
今年も残すところあと2日。明日は大みそかです。
昨日に続いて先日購入したマンガの紹介です。実は鬼滅の外伝にするか本作にするかで結構迷いました。
陸奥圓明流異界伝 修羅の紋① 川原正敏/甲斐とうしろう
川原正敏氏のヒット作修羅の門シリーズの外伝でラノベ等で良く見かける「異世界転生モノ」になります。
世代的に「巨人の星」や「あしたのジョー」で育ち、過酷だった初期「ウイザードリィ」にハマり、夢見がちだった10代ははるか昔となっている所為か自分は通常の異世界転生モノが苦手です。
平々凡々な主人公が異なる世界に飛ばされたり転生したらなんだか強くなってて可愛いキャラに囲まれて…と言う世界観は夢見がちだった10代の頃にノートの片隅に書いていたいわゆる「黒歴史」的落書きを文字起こしして見せられているような気がしてストーリーを愉しむ前に恥ずかしくなってしまう為です(笑)
そんな異世界転生モノでもいくつか楽しめる作品はありました。
「ライドンキング」や「任侠転生 -異世界のヤクザ姫」等の「元からクソ強いキャラが転生する」パターンの作品です。
本作「修羅の紋」もそんな強キャラの転生モノとなっています。
本編「修羅の門」シリーズでおなじみの陸奥圓明流伝承者と言えば千年無敗を誇る超強キャラで、強さのファンタジーレベルこそ低めですがその分リアリティある格闘マンガとして知られており自分の本棚にも「第弐門」全巻と「修羅の刻」が並んでいます。
最初の「修羅の門」シリーズは文庫版で揃えていましたがまとめて売却してしまい手元に残ってはいないものの、連載開始時のふわふわしたムードから見る間にシリアスな本格派へと変貌を遂げていく様とそれに比例してもりもり上がっていく作者の画力にすっかり魅了された作品でした。
今回の「修羅の紋」作画は川原氏本人では無いもののおそらくアシスタントと思われる甲斐とうしろう氏のタッチとあとがきに書かれている通り川原氏本人が最終的に手を入れている事もあって絵面的違和感はほぼ無いまま若干ショタっぽい雰囲気の陸奥の活躍を楽しめます。
「物理で殴り蹴り」の圓明流と「魔法と騎士道」の世界の融合は1巻の時点でどんなブレンド具合になるのか全貌が明らかにはなっていないものの、あとがきで川原氏が制約の多い歴史物の「修羅の刻」を描くストレスの反動として「修羅の紋」が生まれた的な事をコメントしていますから「良き作品」の必須条件のひとつ「作者が楽しんでいる」はクリアしていると思われ続巻を読んでみたい作品と言えるでしょう。
ファンとしては本編「第弐門」で九十九のストーリーは完結してしまったのかが気になる所ですが、まだ名を思い出していない「修羅の紋」の伝承者の活躍をしばし愉しみたいと思います。